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AppStoreに依存しないメディアの価値

最近読んだ本で、ピカイチに面白い本がありました。それは、ドワンゴの会長が書いた鈴木さんにも分かるネットの未来という本。

これはネットの未来や仮想通貨、ネットの国境の話など、とにかく全ページ面白いのだけど、個人でアプリを出している者として、「やっぱりそうだよな」という部分があった。

それは、App Storeなどのプラットフォームに影響されないプロモーションの場をクリエイターは持つべきというところ。

確かにApp Storeでのプロモーション方法って限られてて、結局ランキングに載るか、アップルに特集してもらうぐらいなんですね。だから、自分のTwitterとかブログで宣伝できる人は強い。

AppStoreでランキング上位のアプリだったとしても、アルゴリズムが変更されて一気に落ちる場合もあるし、Androidを出す時はApp Storeでの人気のレバレッジが効かない。

なにより、AppStoreが衰退した時に、一からやりなおしになっちゃう。

というわけで、前からそうだよなと思いながら面倒くさがってたこの問題についてちょっと考えてみました。

ブログでメーリス作る?

まず考えつくのが基本のこれです。RSSが下火になり、メールマーケティングの価値が復活している昨今です。TwitterやFacebookだと新規サービス作った時でも、流れて見逃される可能性高いし。

この流れに自分も乗ってみようかなと。

でも、僕、メルマガに書くほどの価値のあることなんてないんですね。困った。でも、ブログの読書にこちらから発信できる方法をもっておくと、新しい事を始める時にお知らせできる。

でも、別に書くことなんてないし、書くのも面倒だ。

というわけで、単純にこのブログ記事の新着を通知するのと同時に、ブログで書けなかった事を補足として付け足すぐらいのメルマガでも実験的にやろうかと思った。

あとは、最近読んで面白かったネットの記事があれば載せる程度の軽い感じのものを。

僕はどっかのメルマガ購読してみても、すぐに解除しちゃうんだけど、今でも続いているのは、iOS Dev Weekly, Benedict’s Newsletterの二つぐらい。

特に、Benedictのほうは、毎回モバイル業界の鋭い分析を交えた自身のブログと、その週の面白いネット記事を紹介するので、こういうのに近いのがやりたいけど、俺には無理だなあと思いながら読んでます。

これでアプリがダウンロードされんの?

で、しばらく上記のようなことを考えてたんだけど、ふと気付きました。

これ、万が一、1000人ぐらい登録してくれたとしても、新作のアプリ出すなんて年に一回か二回。その時の最初の通知に使えるだけってどうなのかと。

アプリとかサービスって、初動の人気より、結局重要なのはオーガニックなダウンロードであり、ニュースサイトに取り上げられなくなったあとの口コミによる人気の継続なんですよね。

となると、結局、みんなが友達に勧めてくれるようなよいもの作れば、SNSがここまで普及した現在ではプロモーションの場を持たなくても別にいいんじゃないかと。こういう考えもできます。

と、思ったんだけど、これに反する結果が自分のアプリではあるんです。

まず知られないと話にならない

自分のアプリは一応、英語と日本語に対応してるんだけど、英語でもそこそこ頑張ってブログ書いたり、ランディングページ作ったLisgoやVoicepaperはユーザ比率が今では若干海外のほうが多いんです。

当初は日本のようが8割ぐらいだったけど、ある程度海外のユーザも使ってもらえてたので、いつの間にかユーザの割合が半分ぐらい海外になってた。ちなみに、英語圏のアメリカ、イギリス、カナダ、オーストラリアなどがほとんど。

そして、その後に作った、TaxnoteZenyListTimer、JetDoはほぼ95%以上が日本のユーザです。英語対応してるけど。

JetDoとかListTimerなんて、日本じゃなくても世界共通で使えるアプリのはずで、特に最高傑作であるListTimerなんてもっと日本以外でも使ってほしいんですよ。

これ、なんでだろなと思ったら、やっぱ、LisgoやVoicepaperに比べて海外向けの宣伝行為を一切やってないから、誰にも知られなくて、口コミが発生する前の段階までも到達しないんじゃないかと。そうだ、そうに違いない。たぶん。

と考えると、周り回って、ブログとかTwitterとか、クリエイター側が発信できる場を持つってやっぱ重要ですね。

それか、ニュースサイトに取り上げられるなり、広告にお金を使うなり、まずは知ってもらうという努力って大事なんだなという当たり前の事実に行きつきます。

いいものを作れば勝手にSNSで広まる時代ではあるけれど、最初のアーリーアダプターへ伝える道筋はあるにこしたことはないと。

長期的な話になる

ちなみに、この話はプラットフォームに依存しない宣伝の場を作るという話だったので、どうしても長期的な話になります。

実は、アプリ時代には、自分のアプリ内で、自分が作った他のアプリを紹介する方法が一番即効性がある。

ダウンロードにインセンティブを与えると規約違反なので注意が必要だけど、任天堂のマリオシリーズが好きな人に、同じ任天堂のマリオカートを紹介するのは親和性も高くてよい。

というわけで、自分のアプリ内で、プッシュ通知以外の方法で、重要なニュースを伝えたり、他のアプリのリリースを伝える簡単な方法を研究したので、次の機会に書きます。


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ParseのEricさんと日本のコミュニティについて話してきた

先日、Facebookが買収したモバイル開発者向けツール、ParseのエバンジェリストであるEric Nakagawaさんと会ってきた。

先日シリコンバレーに初めて行った時、一緒に行った写真右の加藤さんの友達のジョージさんと飯食って、そっからジョージさんが繋げてくれたという経緯でした。

東京にあるFacebookのオフィスに遊びに行ったんだけど、アーク森ビルとかいう賃料高そうなオフィスだった。Facebook金あるな。

Facebook Japanのオフィス

情熱に心動かされる

なによりも印象に残っているのは、EricさんのParseに対する情熱だ。もう、エバンジェリストはこうあるべきというお手本のようなお人で、Parseをどうやって広めていくかを凄い考えている。

どうすれば、日本でParse開発者が助け合うようなコミュニティーができるかを熱っぽく語っていて、話出したら止まらないエネルギーに溢れていた。なんか、こういう情熱があると、人間誰しも応援したくなると思う。

ちなみにEricさんは、シリコンバレーで起業して会社を売却した成功者なのでお金持ちなんだけど、自分もParseをずっと使ってきていて、今でも個人で小さなプロダクトを作る時にParseを使っているらしい。

「Parseが好きだし、Parseに入る前から使っていてよく知っていた。Parseのようなサービスがあれば、近い将来、デザイナとエンジニアの二人だけでも世界的に大きなサービスを作ることが出来るようになると思う。」という話を熱っぽく語っていた。

これは、僕も以前から思っていたことで、Parseのようなバックエンドやスケールを担当してくれるサービスを使い、下手したら一人で相当スケールする部分までやっていけるようになるんじゃないだろうか。

とにかく感じたのは、EricさんのParseラブな情熱で、どうすれば日本でもParseがもっと広がるか、よいParseコミュニティーが出来上がるかということを考えてた。

僕も、Parseは登場した時から、「こいつはすげえサービスだ!」と思い、このブログで何回か取り上げたり、Lisgoで月額課金試す時に使ったり、今せっせと作ってる新しいアプリでも使っている。

なので、Ericさんの話をうんうん聞きながら、自分の頭で、うーん、どうすればParseを日本で広めるいい方法はなんだろうなとJetDoでメモとりながら考えてた。

加藤さんと一緒に、こういうやり方はええんじゃないだろかとか、いろいろ話してたわけです。

Ericさんの存在と情熱を伝えるには

日本人からしたら、Parseって海外のサービスだし、どうしても遠く感じるんですよね。特に、データベースを扱うし、モバイルアプリだとWebサービスと違って簡単に後からスイッチができない。バージョンアップもインストールしてもらう必要があるし。

となると、どうしても海外のよくわからないサービスだと顔が見えづらいし、なんかあった時のサポートも不安という心理になってしまう。

だから、Ericさんのようなエバンジェリストの存在が重要で、最近の開発者向けサービスのスタートアップはコミュニティーマネージャ的な職業をすごく重視している。

実際僕も、Parseは便利なサービスだけど、なんか問題が起きた時にあまりノウハウもまだまだ少ないし、不安だなあと思っていた。

でも、「なんでも聞いてくれ!」みたいな情熱のある人がエバンジェリストとしていると凄く大きい。こういう情熱を持って開発者をサポートしたいという人がParseの中にいるんだと認知するだけでもでかいなあと話聞きながら思いました。

じゃあ具体的にどうすりゃいいのかなと。

イベントなどで露出する

まず真っ先に考え付くのがこれだと思う。

日本には開発者の勉強会が多く、そこで登壇して実際に日本の開発者と顔を会わせる機会があるだけで、だいぶ違う。Ericさんの母国語は英語で言葉の壁はあるのだけど、それでも大きい。

こういう事を言うと、「来日した時にイベントなどに出てもいいんだけど、よくあるのはさっと発表して、さっと帰るだけのマーケティング色が強いパターンが多いので、それは個人的に好きじゃないんだよね。ちゃんと、開発者の人たちと向き合って、コミュニティに貢献したい。」

というような返事が返ってきた。うーむ、自分が開発者としてやってきたのもあり、いろいろ考えているんですな。

いっそ、日本人のエバンジェリストを雇う

これは、適任者が見つかるかとか、ハードルが高いんだけど、最も効果的だとは思う。

例えば、Realmというモバイル向けデータベースのスタートアップに、iOS界ではGod的な存在である岸川さんが少し前にジョインした。

これは凄く大きな効果があって、iOS開発者の中では一気にRealm使ってみようかなという人が増えたと思う。

日本でのRealm関連の勉強会も増えたし、Realm関連の日本語での記事もよく見る気がするし、今までアメリカのスタートアップのサービスという遠い存在だったものが、みんな知っている岸川さんが窓口になったという心理的安心感はでかい。

でも、岸川さんみたいに技術力が高くて、なおかつコミュニティに顔が広い適任者なんてそうそういないよねっていうのは現実なので、他の案もいろいろ考えました。

技術系サイトのインタビューに出る

これならそこまで大変じゃない。

Ericさんがエンジニア向けサイトのインタビューに出て、「これから日本のParseコミュニティをサポートしていきたい」といった、僕たちにランチしながら熱く語ったような話をするだけでもでかい。

ああ、日本人のコミュニティも考えてくれてるんだなとも思うだろうし、Ericさんが日本に来日してる時に、Parseユーザ向けのオフィスアワーをそこで宣伝してもよいし。

来る人をある程度スクリーニングするという意味では、ParseのTipsをブログで書いてくれた人を優先的に抽選でオフィスアワーとか。

日本語ブログ、ヘルプの翻訳家

これはコストかかるからすぐにはできないけど、確実に効果ある。

ちなみに、Parseを使って、将来スケールした時に、AWSとかに移行するノウハウを詳しく書いて欲しいと個人的に提案しました。

ほとんどのサービスは失敗するので、Parseから移行する必要なく終わるだろうけど、人間心理としてParseを導入する時に、誰もがスケールした時のことを考えるんです。

その時、他のサーバに移行する時のノウハウがネット上にはあまりないので、それなら最初からAWS使おっかていう人は少なくないと思う。

もちろん、大きくなってもParseを使っていくという選択肢を取るかもしれないけど、移行の方法を詳しく解説することにより、逆にParseを使い始めやすくなるといった考えを話した。

Parseのコミュニティ

ちなみに、Parse使っている人の不安点として、以前あったParseの公式フォーラムが止まっていて、StackOverFlowで質問してくれみたいになってるんですよね。

これが、Parse公式のサポートがほぼ停止しちゃってんじゃないかっていう不安感あるという事を話したら、現在はParse Googleグループが一番活発なサポートコミュニティらしい。知らなかった。

最近ではサポートにSlackも使われ始めてるらしい。確かに開発者向けサービスなら相性よさそうだ。

ちなみに、最近できたFacebookグループ、Parse.com Developers Japanもあります。ここはほぼ日本語。Ericさんも入っている。

Parseを会社サービスの規模で運用しているnohanaのエンジニアの人の話とか、すげえ内容が濃くてやばい。この前、第一回の飲み会を恵比寿でやったのだけど、相談できるコミュニティがあるとやっぱいいですね。

Ericさんが登場するAsk Parse Anything。


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かくかくしかじか最終巻で泣いた

かくかくしかじか 最終巻がKindleで出たのでやっと読めた。泣いた。

物語で泣いた記憶がほぼなくて、人生でも片手で数えられる数なんだけど、この漫画は泣いてしもた。

僕の一番の趣味は漫画なんだけど、歴代一位はレベルEだった。この、かくかくしかじかが近年でベスト1なのは間違いないとして、もしかしたら歴代一位のレベルEと並ぶぐらい好きかもしれない。

ちなみに、作者のインタビューを読んでいると、この漫画は思い出すのが辛いから、あまり時間をかけずに速攻でネーム書いて、がががっと書いていく方式だったらしい。天才か。いや、そういうあまり考えずに、気持ちの赴くままに書いたものから傑作が生まれることも多いのだが、うーむ。

そういや、奥田民生のマシュマロも、ふふふーんと適当に作ったらヒットしたとか言ってた。マシュマロは奥田民生の歌で一番好きだ。

ブログも頑張って推敲して書いたのに全然読まれなくて、適当にえいやっと書いたらバズるってのはあるあるです。なんか、あまり気張らずに、ブログも適当に書きなぐっているぐらいが精神衛生上よいし、楽しいかもしれない。

そういや、絶対に書いた文章を書き直さない主義の古代哲学者がいたな。

いくら推敲しても、中身が面白くなければダメで、中身のエネルギーがありさえすれば、がががっと書いても面白いものができるのかもしれない。

そういう意味で、かくかくしかじかは作者の思い入れというか、人生の中での重さというのは凄く伝わる。あまりネームに時間をかけてなかったとしても、中身のエネルギー量は半端なかったのかも。

話は戻るけど、かくかくしかじかの中で、つらい時も、漫画を書いていたから救われたというのにすごい共感してしまった。なにか毎日やることがあるって本当によくて、常にハッピーそうだなとかよく言われる僕も、いろいろ落ち込むこととかはあるわけです。

そんな時も、毎日、開発だったり、日々のやることをかかさずやらないといけないというルーチンワークがあって、こういうのがあると、本当に救われるってのはあるんですね。打ち込む仕事があるってのは救いにもなるというのが凄くよくわかる。


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需要調査と作り始めるタイミング

リーンスタートアップという仮説検証を繰り返す新規事業の手法があります。

これは新規事業開発の考え方として必読の内容なんだけど、小さく作ってさっさとリリースする手法であると同時に、製品を作る前に顧客を探せという手法でもあるのです。

理想としては、需要調査で潜在顧客が見つかり、小さな製品を素早くリリースするという流れなんだけど、いつまでも仮説検証を続けて、なかなか製品を作り始めないという落とし穴がある。

というか、リーンスタートアップを勉強した後に僕自身がハマった落とし穴で、あるあるじゃないだろうか。

リーンスタートアップの父的な存在で顧客開発モデルを広めたスティーブブランクも、仮説検証のインタビューが十分終わり製品開発を始めてよい時期なのに、この落とし穴にハマる生徒がいるよとブログで書いてた。

この落とし穴にハマる原因は恐怖が関係してる。

需要があるかわからない恐怖

リーンスタートアップ始めて知った時は、「おお、この手法通りにやれば簡単やないか。素晴らしい!」と気分が乗ってくる。

というのも、アプリやサービスを作る時、一番の心配事は苦労して作っても誰も使ってくれないんじゃないかという恐怖です。

人間誰しも無駄なことはしたくないもんです。作る過程事態が楽しいからそれ事態が報酬だという気持ちもあるが、結果はまったくいらないと言う奇特な人はまずいない。

やっぱ成功する希望を心にせっせとモノ作りをするはずなんですよ。この誰しもが持つ恐怖感により、いつまでも顧客を探し続け、まだ確証が持てないからもうちょいユーザーインタビュー続けよっか、となってしまうやつです。

僕はLisgo作る前に、自分が欲しいアプリでユースケースもばっちしイメージ出来てたのに、だらだらインタビュー繰り返してた苦い記憶があります。なかなか「それ凄い欲しいよ!」という人が見つからないなあと。

でも、作ってとりあえずリリースしたら、「これは凄くいい!」と言ってくれる人が勝手に集まってきたので、この場合、逆に時間を無駄にしてた気がする。

作り始めるタイミング

じゃあ、どのタイミングで作り始めればいいのよ?というのが自然な疑問だけど、残念ながら明確な方程式なんてないので難しい。

あえて言うなら、ユーザーの問題とそれを解決する製品アイデアがある程度理解できている時。さっさとリリースしたほうが、ターゲットユーザがあちらから集まってきてくれる事も多い。

例えば、自分がユーザーである製品の場合、ユーザを探すことに時間を使うより、まずはリリースして、その製品のよさや使い方を広める工夫に時間を使ったほうがよい。

実際に何人の人が使ってくれるか、お金払うかはリリースしないとわからないし、インタビューの時に反応がよくても、製品を前にするところっと意見が変わるもんです。

ただ、もちろん、解決する問題をハッキリ理解してない時は、市場調査を先にしたほうが効率いい。

Taxnote作る前は、自分が確定申告の帳簿入力をアプリでやりたいという明確なニーズを持ってたけど、申告制度や、人気ソフトの使われ方は知らなかったので、アプリの作り始める前にかなり研究しました。

実際に自分が確定申告を済ませるまでの流れで、どこが面倒な部分か、アプリを作ったとしても、致命的な欠陥を見通してないかなどを調査しました。

時間の投資効果で決めればいい

結局は、市場調査にかかる時間と製品作る時間のトレードオフで考えればいいんです。

ターゲットユーザーを探して、アポ取って、インタビューする時間がたいしてかからない環境ならリスクも低い。普通は苦労するけど。

そして、製品作り始める段階では、どの機能が一番早く作れるかではなくて、どの機能が一番重要かをまず先に考える。

そのプロダクトに需要があるかどうかを検証するにはどの機能が必要かを考え、その最低限必要な機能からリリースして、仮説検証するまでの時間を可能な限り短くする。

結果的に、その他のナイスな機能は後回しになると思います。その時々で検証部分を決めて、小さく進んで行く。

向き不向き

リーンスタートアップが向く製品と向かない製品があるので、向かない製品に無理して応用することはできない。

例えば、ガンの特効薬とか痩せる薬に市場調査なんていらない。需要があるのは明白だから。重要なのは、有効な製品を開発できるかどうかであり、そこに時間使えばいいわけです。

逆に、2014のベストニュースタートアップを受賞したProductHuntみたいに、メーリングリストから小さく始めたサービスは、まさに、リーンスタートアップがハマった事例。

どういった方法論でいくかは、その時の製品、趣向(目指すもの)によって変わるので、結局は最適だと思う方法を自分で考えてやるのがいい。一番ダメなのは、こう書いてあったからこの通りにやろうという姿勢なわけで。

ちなみに、ピーターティールのリーンスタートアップ批判について面白い洞察をしている記事があった。=>リーン・スタートアップ教をめぐる宗教論争


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英語添削をUpwork(旧oDesk)にアウトソース

前々から海外へのアウトソースには興味があったんだけど、なんだかんだでずっとやってませんでした。

自分がアプリやサービス作る時は、企画、UIデザイン、プログラミング、サポート、マーケティング、アップデートと全部自分でやっているのもあり、なんでも自分でやりたがり症候群というのがある。

これはあまりよいことではないなとは思いつつ、どれも外注できない重要なことだよなあと今までやってきました。

しかし、以前聞いたスタートアップ系のPodcastでこんなことを言ってた。

「昔の自分にアドバイスするとしたら、一刻も早くアウトソースする能力を身につけろと言うだろう。昔の自分はすべて自分でやろうとしていたけど、アウトソースする事を覚えて世界が変わった。」

そうか、じゃあ、やってみたいな、と思うも、アプリ開発は改善の繰り返しだからアウトソースに向かないし、なにがいいかなと思っていたところ、ちょうどよい案件がありました。英語ブログ記事の添削です。

これならアウトソースにぴったりだし、そこまで高くなさそうだから練習にも最適。

英語ブログを書きたかった理由

そもそもなんで英語でブログ書こうと思ったかというと、ブログを書くとよいことがたくさんあるんですよ。まずは自分のアプリの宣伝ができるし、このブログ記事を読んでくれた人とひょんなことで繋がりができたりとか。

例えば、最近書いたこの記事はパッと見そんなバズってないけど、ロングテールで読んでもらえて、ここからTaxnote使い始めたっていう人がめちゃ多い。苦労して書いてよかった。

フリーランスの確定申告をぶっちゃける 1 – 青色申告と白色申告、手間も考慮した本当の費用対効果

自分はツール系の一回買い切りのアプリだから、ゲーム系の当たればでかいやつみたいに広告費をかけても回収できないんですね。なので、結局自分でこつこつブログを書くのがもっとも投資対効果が高いし、自分も文章を書くのが好きなのでぴったりです。

日本語に比べて、英語が読める人はだいたい10倍の人口がいると仮定すると、同じ時間でひとつの記事を書いたとしても、10倍の人に読んでもらえる可能性がある。そのぶん、10倍の競争率があるのも重要な点ではあるが。

外国人の開発者の友達が、たまたまMacProについて書いた記事がHackerNewsでバズってすげえPVになったという話を見てたのも理由です。そのPVは僕の日本語ブログ記事がはてぶでそこそこバズった記事と比較すると、桁がひとつ違いました。

そして、彼はせっかくバズったんだから、アプリのリンクも入れて宣伝しようと後から記事を編集したんだけど、その広告効果も文字通り桁が違いました。英語人口はすごい。

日本のAppStoreの売り上げだけで言えば日本とアメリカは大して変わらないけど、英語で人気が出ると、アメリカ、イギリス、オーストラリア、カナダ、その他海外の英語が読める人達に訴求できるので、やはり、日本語に比べて10倍ぐらい違うのかなといった印象でした。

英語ブログを書いてみた

そこで、一年ちょい前ぐらいに英語ブログを書いてみた。

ネタはとりあえずこのブログで書いたものを英語化しようと思い、個人的に一番よい記事だと勝手に思っている下記を英語化してみた。確か、この時はネイティブの友達に自分が書いた英語を添削してもらった気がする。

ユーザーの意見にNOと言うのは大切だけど、実際にどう言うかが難しい
How do you say No to users without annoying them?

しかし、現実は甘くなく、日本語の記事はそこそこ読んでもらえたのに、英語ではほとんど読んでもらえなかった。HackerNewsでポストしてみたのではあるが。

とはいえ、海外のユーザフィードバック専門のコンサルの方から、「この文章はすごくよかったよ!」という個人的なメールをもらい、書いてよかったなとは思った。

TwitterやFacebookも日本語でやっているから、日本語だとある程度シェアした時の影響が違うのかなと思ったけど、やはり10倍の競争率も痛感。確かに、英語記事って質の高い文章がゴロゴロあるから、オリジナリティーがないと厳しい。

次は、ちょっと肩の力を抜いて、Lisgoという自分が初めて作ったアプリを競合の開発者がタダで紹介動画作ってくれた奇跡の出来事について書いてみた。

競合アプリの開発者が無料でプロモ動画を作ってくれた
My competitor made my app promo video for free

こっちはもう面倒だから、英語の添削もせず、変な文章でもいいだろと思って自分が書いたそのままでHackerNewsにポスト。

すると、珍しい出来事だったのか、英語でちょこっとバズった。36回ぐらいツイートされた。この数字だけ見ると、全然大したことないんだけど、日本語の記事を書いて36回ぐらいツイートされた記事に比べて、なにかが違った。数時間でのPV数の伸びの桁が文字通り違ったのです。

とはいうものの、やっぱちゃんと長い記事書くなら、添削してもらいたいなと思っていたので、oDesk使うかとなったわけです。

oDeskの使い方はここでは説明しないので、この記事が参考になるかも。
海外の力も借りよう!英語が苦手でもわかるクラウドソーシング「oDesk」の利用方法

Jobを投稿するとすぐ応募がきた

添削をお願いする前に、スペルと簡単な文法は最新のテクノロジーの力を借りることにしました。Gingerというツールを使って書いたので、単純なスペルや文法のチェックはそこまで必要ない状態にしておいた。

そして、だいたいoDeskの他のJobポストを参考に、タイトルと説明文に重要な項目は入れつつ、簡潔に書いて募集してみた。金額はとりあえず10ドル固定で。

内容はこんなもの。

タイトル: 僕のエッセイの変な英語表現を直してください。(5500words、スペルと文法はツール使って修正済み)

説明文: 下記のブログ記事を書いたので、修正お願いしたいです。英語表現はあなたのスタイルで自由に変えてもらってもよいです。

ここで失敗したのは、5500wordsという部分で、本当は1000wordsぐらいだった。英語の文字数の数え方を間違ってた。

それにもかかわらず、4人ぐらいからすぐに応募があった。この中には、10ドルでやってもいいよという人もいれば、20ドルならやるよという人もいたり。

その中で、文章構成の仕事の経験があるアメリカ人の女性が10ドルでやってくれるようなのでこの方に頼む事に。プロフィールを読むと、海外を放浪中で、その間にサクッとアルバイトするのにoDeskを使っているらしい。

初回はクレジットカードの認証に一週間もかかり、相手を待たせてしまったけど、認証が終わるとすぐ添削してくれてWordで送ってくれた。送られてきた文章を見ると、やっぱり自分の英文はいろいろ変な部分があったなあとよくわかり、勉強にもなりました。

ちなみに、添削してもらったブログ記事はこちら。

アプリ操作を単純解説した動画はコスパがとても高い
Making a simple video tutorial is one of the most cost-effective ways for your apps

日本語記事のほうはそこそこ読んでもらえたけど、英語のほうは全然読まれませんでした。HackerNewsでポストしただけなんだけど、なかなか厳しい現実。

しかし、10ドルでサクッと1000ワードの英文を添削してもらえるのは安いし、なにより添削してもらえるまでの時間が相当早かった。12時間以内だった気がする。このスピードにもすごく価値がある。

アウトソースの衝撃

今回の場合、僕の小学生レベルの英文がそれなりになればいいので、そこまでクオリティーを求めないのもあり、アウトソースがぴったりかもしれない。

次は実験的に5ドルで募集してみた。同じ1000ワードぐらいの文章、Gingerで基本スペルは修正ずみの形式で。

これは誰も応募ないかなと思っていたけど、驚くべき事に、1時間ぐらいで4人の応募が。今回はネイティブの人が一人で、フィリピンの人が二人、他の国の人が一人だった。

その中で、大学で言語学と文学の修士をとって、今はコンテンツライターでバイトしているというフィリピンの女性の応募の文章がすごくしっかりしていたので、この方にお願いすることに。契約が決まったらすぐ添削した文章を送れますよとも書いてた。

まあ、ネイティブに拘らなくてもよいかと思い、この方に依頼すると、ちゃんとした英文で速攻で添削してくれた。フィリピンとの時差はないのもあり、ガチで数時間以内に送ってくれた。慣れている人がやれば1000ワードぐらいならサクっと終わらせることができるのかもしれない。

こんな安くていいのかなとも思うけど、海外との物価の差、仕事の内容しだいではアウトソースとはここまで力を発揮するのかと、自分で体験してみないと実感できないことがたくさんありました。

アウトソースに負けないスキルをつけないといけないとも思うし、自分の能力のここに価値があるんですよと考えていても、それを求める人がいなければお金も発生しないしなあとか改めて感じた。

やる価値のある新しい事は、めんどくさがらずにやってみようと試したoDeskですが、価値のある体験でした。

アプリの説明文の翻訳、AppStoreのキーワード選定、SEO、海外のある業界のリサーチ、事務作業とかなど、いろいろ使えそう。個人的には99designsで、アプリのデザインとか頼んでみたい。


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アプリ操作の解説動画はコスパ高い

最近はもう動画の時代ですね。Twitter作ったジャックドーシーも、「ユーザに読ませるな。動画を見せろ。」と言ってます。

これ、直感的にまったくもって正しいというのはよくわかる。自分が新しい製品を調べる時も、説明文とか読むのがだるいからとにかく動画でまずはザックリ概要を掴みたい。

プログラミング学習も、かんたんな部分であれば、Youtubeで解説している動画をざっと見た方が参考書読むよりはるかに高速道路なんですよね。これは、アプリに初めて触れるユーザでも同じだと思う。

いくらスクショと解説記事が充実していても、アニメーションの連続でどの部分をタップして、どの画面でどう操作するかは、もうこれ、圧倒的に動画がわかりやすいんですよ。文字と動画では越えられない壁がある。

立派な動画作成は面倒

でも、動画って作るのが相当めんどいのです。

特にプロフェッショナルな動画となると、脚本、音声、編集など、ものすごく時間がかかる。特に僕みたいな予算も時間もない個人開発者としては、プロモーション動画を作るのは常に後回しにしてきた。

例えば、海外のサービスだとこんなステキ洒落おつな動画がいっぱいある。

こんな動画作ろうと思ったら、結構お金かかっちゃいますよ。。資金豊富じゃないとやってられない。

さらに、スタートアップだとステキ動画はそのまま資金調達時にも使えるから価値が高いんだろうけど、僕の場合はどんなアプリかを理解してもらえれば必要十分です。

そうは言っても、以前はこういう考えもありました。初めてのユーザには機能や操作方法ではなく、その製品で得られる体験を伝えないといけないと。

体験を伝える動画

体験を伝える動画って面倒なんですよ。まず数時間では作れない。

僕は以前、Voicepaperというテキスト読み上げアプリが人気出たから、このアプリで得られる体験をできる限り伝える動画を頑張って作ってみた。

これはこれでいいと思うんだけど、個人製作で撮影道具もiPadだったことを考慮しても、脚本、撮影、音楽、編集などでかなり時間かかった。時間も手間もかかるなら、こういうものを作るのは二の足を踏むし、どうしても後回しになりますよね。

ここまで時間かけて効果のほどはどうだったか。これは今でもよくわからない。効果測定を厳密にやるのも手間に見合わないし。

以前、競合アプリの開発者が無料でプロモ動画を作ってくれたという神様からのプレゼントみたいなこともありましたが、まあこんなことは一生で一回あるかないかです。

操作解説を撮影という選択肢

つまり、動画作成は効果的だけどコストが高いと今まで思っていたんだけど、これは間違っていたかもしれない。

製品の提供者側としては、どうせ動画を作るならショボく見えないようにできる限り立派なものを作りたい気持ちがあるけど、ユーザからしたら直感的にわかる説明動画をさっさと見て価値があるかどうかを判断したいはずなんですよ。

特にツール系のアプリだと用途は最初から認識してもらえている場合が多いから、あとは使いやすそうかどうかを伝えられればいい。

これにハッと気づいたのが、自分が新しいプログラミングの学習をしている時に使っていたドットインストールとか、Youtube動画でした。単純に操作をしながら声で解説する動画があるかないかで全然違うなと。

例えば、iPhoneアプリ作成の解説だとこんなの。

これって、単純に操作しながら喋っているだけなのに、テキストとスクショだけのヘルプには絶対かなわない圧倒的な情報量があるんですよ。

これだと。なんで今までやらなかったんだと。

これなら撮影とiMovieでの編集も含めて、数時間もあればできちゃう。それぐらいの時間ですむのに、あるとないとで相当違うからコスパ高いのも間違いない。

ユーザからの質問がある時、今まではできる限り分かりやすく説明するのが大変だったけど、ひとつ解説動画を作れば楽チンだ。返信する時は、簡単な説明した後、詳しくはこの動画のこの部分を参考にしてくださいと言えばよい。

3時間で作ってみた

というわけで、白色申告・青色申告の帳簿付けアプリ、Taxnoteの解説動画を作ってみた。

1:25~ 仕訳帳の編集方法
1:45~ 備考入力や電卓での計算
2:10~ 損益表での年別・月別・日別表示
2:40~ 勘定科目の並び替え・名前変更
3:25~ 科目・支払い方法の新規作成
4:00~ データの一括削除方法
4:55~ データ出力
7:15~ アップグレードについて

まずはウダウダと基本操作を説明しながらiPadで撮影。iMovieで編集して終わり。

編集作業は5分ごとに撮影したもの4つのクリップをくっつける。そこから、適当に字幕をつける。最後に、サクサク観れるよう、1.4倍速にして終わり。

めちゃカンタン!3時間ぐらいで終わった!

もちろんこの動画はアプリ内のヘルプページの一番上に置いて、上に書いた目次と一緒に使ってます。

短い時間で最大限の効果が出ることはなんだろなといつも考えているんですが、こ解説動画はもっと早くやればよかった案件なので、これから積極的に採用していきたいです。


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フリーランスの確定申告をぶっちゃける4 – 青色申告/複式簿記に苦労して、白色申告や青色申告/簡易簿記に比べていくらお得?

Taxnoteを宣伝するために書き始めた、フリーランスの確定申告ぶっちゃけシリーズですが、思ったより好評でついに4回目まできました。

本屋に行くと、「会計ソフトを使えば青色申告も楽チンですヨ♪」という甘い囁きが溢れています。ただ、実際僕がやってみると、「全然楽チンじゃないよ。。」という衝撃の面倒さだったので、3回まではそのへんを具体的に書いてきました。

手間はある程度説明したので、今回はリターンの部分に焦点を当ててみたい。

専門家への相談料、実際にどれだけ税金がお得になるかを数字でわかると、費用対効果を計算しやすくなるからです。

このシリーズの第1回で書いたことを、数字を使ってもっと掘り下げる形。

青色申告(65万控除)と白色申告のお得金額の違いはネットでシミュレーションとかあるんだけど、本当にコスパがいいのは青色申告(簡易簿記)を入れた計算機があまり見つからないんですよね。

書籍では青色/複式簿記(65万控除)と青色/簡易簿記(10万控除)の手間は会計ソフト使えば一緒だから65万狙おうと書いているけど、複式はかなり面倒で、簡易は白色と同じ簡単さだということをシリーズ2と3で説明しました。

だから、比べるべきは青色申告/複式簿記(65万控除)と青色申告/簡易簿記(10万控除)のパフォーマンスであり、この二つを主に比較します。

ちなみにこれ、65万控除と10万控除だから、そのまま50万円分お得ってわけじゃないんですよ。紛らわしいけど。

控除はあくまで税金計算する時に所得額から引き算できる額です。なので、最終的にいくらお得になるかって具体的にイメージできている人は少ないと思う。

例えば、複式簿記で年間50万円ぐらいお得になるんだったら頑張ってやろうかなって考えるかもしれない。

でも、「え、苦労してやっても年間で5万円程度しかお得じゃないの。。複式簿記のコスパ低すぎ。。手間と学習時間、税理士さんへのお金考えると全然割りに合わんわ。。」となるかもしれない。

本屋に並んでいる青色申告の本って、この一番重要な部分をあまり深く書いてないんですよ。単純に、「65万控除だからお得です、会計ソフト使えば楽だから頑張りましょう♪」みたいなノリがほとんど。

手間とリターンがイメージできないと無駄な努力をしてしまう恐れがあります。

ただ、最終的なお得金額って、所得金額を元にした所得税、健康保険料、住民税を考慮しないと出ない。これ結構計算が面倒なんです。

でも、ザックリとなら分かります。そして、フリーランスが手間とメリットの判断をするにはザックリで十分なので、ザックリ説明します。

ザックリ計算方法を紹介

今回は所得額によって変わってくる所得税、健康保険料、住民税を対象に計算。復興特別所得税は簡略化のため省く。

健康保険は住むところによって違うのでややこしいけど、”フリーランスのための青色申告2014年度版”で記載されている東京都大田区基準を使い、40歳未満として計算します。

まず、税金は売上から経費を引いたのが所得です。

売上 – 経費 = 所得

そして、所得のあとに控除額を引いたのが課税所得。税金は課税所得から計算されます。

所得 – 控除額 = 課税所得

控除額は、白色でも青色でも絶対もらえる基礎控除がまずあります。所得税の基礎控除は38万。住民税と健康保険の基礎控除は33万。

その他、年金に払った額とか、医療費が控除に入れられたり、いろいろありますが、今回は簡略化のためにスルー。年金分や、医療費分、健康保険料分などを控除に入れると、もっと所得が少なく押さえられるとイメージしてください。

今回の比較で重要なのが、白色、青色で違ってくる控除額です。白色だと0円。青色/簡易簿記で10万、青色/複式簿記で65万です。

この違いが最終的に所得税、健康保険料、住民税の3つに影響するので、結果的にいくらぐらいお得になるか。ここがテーマです。

というわけで、いくつかのケースを例に出して書いていきます。

ケース1 赤字だった時

売上 100万 – 経費 130万 = 所得 -30万


所得税
白色/青色ともに 0円

所得がないので所得税はすべて0円。


住民税
白色/青色ともに 0円 + 均等割4000円

所得がないので、住民税の所得割は0円。一律に払う必要がある均等割だけ。


国民健康保険
白色/青色ともに 0円 + 均等割41,400円

所得がないので、健康保険の所得割は0円。一律に払う均等割だけ。


@最終的に払う合計金額
白色 45,400円
青色/簡易簿記 45,400円
青色/複式簿記 45,400円

白色申告と青色申告で税額は一緒。ただ、赤字分を繰り越せるので、青色申告/簡易簿記(10万控除)がオススメ。

青色申告/複式簿記(65万控除)で記帳してても、所得がないので控除する部分がなく無駄骨となる。ちなみに、控除額は経費ではないので赤字繰越には役立たない。

ケース2 所得は33万だった

売上 133万 – 経費 100万 = 所得 33万


所得税
白色/青色ともに 0円

所得税の基礎控除38万円分があり、33万 – 38万はマイナスなので課税所得額は0。よって所得税は0円。


住民税
白色/青色ともに 0円 + 均等割4000円

住民税の基礎控除33万円分があり、33万 – 33万で課税所得額は0。均等割だけ。


国民健康保険
白色/青色ともに 0円 + 均等割41,400円

健康保険の基礎控除33万円分があり、33万 – 33万で課税所得額は0。均等割だけ。


@最終的に払う合計金額
白色 45,400円
青色/簡易簿記 45,400円
青色/複式簿記 45,400円

白色申告と青色申告で税額は一緒。この年の赤字分の繰越はないけど、以前の赤字分や開業費が残っているなら継続できる青色申告/簡易簿記(10万控除)がコスパ高い。

青色申告/複式簿記(65万控除)で記帳してても、所得がないので控除する部分がなく無駄骨となる。

ほかにも保険料や医療費などいろいろ控除を追加できれば、所得がもう少し多くても最終的に課税所得が0になりやすい。

ケース3 所得は150万だった

売上 300万 – 経費 150万 = 所得 150万


所得税
白色 56,000円
青色/簡易簿記 51,000円
青色/複式簿記 23,500円

所得税の基礎控除38万円。

白色の課税所得は150万 – 38万で112万。195万以下の税率は5%なので、白色だと56,000円。

青色/簡易簿記だと、112万 – 10万(簡易簿記の控除)で102万。税率5%で51,000円。

青色/複式簿記だと、112万 – 65万(複式簿記の控除)で47万。23,500円。


住民税
白色 11,7000円 + 均等割4,000円 = 121,000円
青色/簡易簿記 10,7000円 + 均等割4,000円 = 111,000円
青色/複式簿記 5,2000円 + 均等割4,000円 = 56,000円

住民税の基礎控除は33万円。150万 – 33万で白色の課税所得額は117万円。住民税は一律10%なので、11,7000円 + 均等割。

青色/簡易簿記だと、117万 – 10万(簡易簿記の控除)で課税所得は107,000円。税率10%の10,7000円 + 均等割。

青色/複式簿記だと、117万 – 65万(複式簿記の控除)で課税所得は520,000円。税率10%の52,000円 + 均等割。


国民健康保険
白色 97,812円 + 均等割41,400円 = 139,212円
青色/簡易簿記 89,452円 + 均等割41,400円 = 130,852円
青色/複式簿記 43,472円 + 均等割41,400円 = 84,872円

健康保険は地域によって違うし、かなりややこしいです。。

健康保険の基礎控除は33万円。150万 – 33万で白色の課税所得額は117万円。117万 x 6.02% (医療分)と117万 x 2.34% (後期高齢者支援分)で97,812円。

青色/簡易簿記だと、117万 – 10万(簡易簿記の控除)で課税所得は107万円。上記の税率で64,414円(医療分) + 25,038円(後期高齢者支援分)で89,452円。

青色/複式簿記だと、117万 – 65万(複式簿記の控除)で課税所得は520,000円。上記の税率で31,304円(医療分) + 12,168円(後期高齢者支援分)で43,472円。


@最終的に払う合計金額
白色 316,212円
青色/簡易簿記 292,852円
青色/複式簿記 164,372円

ついに複式簿記で苦労した意味が出てきました。青色/簡易簿記に比べて、13万円近くお得になっている。

白色と青色/簡易簿記なら素人でも申告できると思うけど、シリーズ3で説明したような理由から青色/複式簿記なら専門家に決算書の指導してもらわないときつい。

手間と専門家への相談料を考えると複式にするかは悩みどころのライン。

ケース4 所得は300万だった

売上 500万 – 経費 200万 = 所得 300万


所得税
白色 164,500円
青色/簡易簿記 154,500円
青色/複式簿記 99,500円

195万円~330万円の所得税率は10%。控除額は97,500円。


住民税
白色 271,000円
青色/簡易簿記 261,000円
青色/複式簿記 206,000円

住民税は一律10%なので計算式は変わらず。


国民健康保険
白色 264,612円
青色/簡易簿記 256,252円
青色/複式簿記 210,272円

計算式は同じ。


@最終的に払う合計金額
白色 700,112円
青色/簡易簿記 671,752円
青色/複式簿記 515,772円

今回は青色/簡易簿記と青色/複式簿記の納税額の違いは16万近く。ちょっと複式簿記のやる気が出てくる金額でしょうか。手間考えるなら微妙だなと思う人もいそうです。

ケース5 所得は500万だった

売上 700万 – 経費 200万 = 所得 500万


所得税
白色 496,500円
青色/簡易簿記 476,500円
青色/複式簿記 366,500円

330万円~695万円の所得税率は20%。控除額は427,500円。


住民税
白色 471,000円
青色/簡易簿記 461,000円
青色/複式簿記 406,000円


国民健康保険
白色 431,812円
青色/簡易簿記 423,452円
青色/複式簿記 377,472円


@最終的に払う合計金額
白色 1,399,312円
青色/簡易簿記 1,360,952円
青色/複式簿記 1,149,972円

ここまでくると、青色/簡易と青色/複式で21万円の違いが出てきました。これが多いと見るか、少ないと見るか。どうでしょう。

課税所得が多くないと複式簿記のメリットは少ない

さて、具体的にいくらお得になるかを数字でハッキリさせると、だいぶ見えてきたものがあると思います。

つまり、課税所得が多くない場合は、面倒な複式簿記をしてもメリットが少ないということです。ここが本屋に並んでいる青色申告の本にあまり書いていない真実だと思う。

今回は簡略化のために、医療費控除とか、年金や保険料の控除などは入れてないけど、それらも控除できる場合はさらに課税所得が低くなります。

しかし、一年間の所得金額がいくらになるかはその年の終わりになるまでわかりません。所得が多いなら複式簿記にしたいし、低いなら簡易簿記にしたい。でも、未来のことなんてわからないのが現実。

そんな貴方にオススメの方法があります。

手間とメリットを比べて、確定申告直前に簡易簿記か複式簿記を選ぶ方法

青色申告/複式簿記の一番面倒な部分は、仕訳帳の帳簿残高と、事業用口座の残高をぴったり合わせないといけないところです。これは、シリーズ3で説明したところで、特に事業用と個人用のクレカが同じならすごい面倒。

逆に言えば、それ以外はアプリを使えば結構楽。

Taxnoteを使って普段の経費をペチペチ記録すると、自動的に複式簿記で仕訳帳データが記録されていきます。事業用のクレカがあるならfreeeやMFクラウドなどのクラウド会計ソフトでもOK。

普段はアプリで経費をかかさず記録していき、確定申告前に一年間の所得金額をみて、青色/複式簿記で確定申告するか、青色/簡易簿記でするか決めたらいい。

つまり、確定申告直前に、複式簿記の一番面倒な口座と帳簿の数字を厳密に合わせる作業をやるかどうか、メリットを計算して判断するんです。

普段の経費はアプリで自動的に複式簿記で記帳されているから、65万控除を狙うなら残りの口座明細をみて数字合わせる作業をすればよいわけです。もちろん、その年の初めの届け出は青色申告(65万控除)で出しておく。

あまり所得がなくて手間に見合わないなと思ったら、その年は簡易簿記で申告すればいいのです。

普段のお金の流れを複式簿記で記帳してても、簡易簿記で申告することはもちろんできるし、簡易簿記だと帳簿が複式ほど厳密にしなくていいので、申告が一気に簡単になります。

手間以外にかかるコスト

事業をやるにあたってコスト意識を徹底するのは大切なことです。自分の時間が一番重要なので、手間とメリットの話をしてきましたが、最後にその他のコストの話を。

まず、青色申告/複式簿記(65万控除)を目指すなら、決算書作成の時だけは専門家に相談したほうがよい、全然楽チンじゃないからという話をしてきました。

最初は専門家に記帳指導だけしてもらって、一年に一回、決算書作成の時だけ仕訳帳データを渡して変なところがないか相談しながらやってもらうというのがよいです。

税理士さんの相場は知らないけど、知り合いがいるならその人にお願いするのもいいと思います。

僕は青色申告会でお願いしたので年会費が2万4千円でした。最初に記帳のキモを教えてもらい、あとは実質一年に一回、確定申告の時に行くぐらいです。

担当者との相性がもっとも重要な部分なので、近くの青色申告会でダメだと思ったら他の地域のところでも入会できるので試すとよいです。行くのは年に2,3回もないので、多少遠くてもいい人がいるところを探そう。

僕は最初に行ったところがすごく親身な方で、たくさんの質問に答えてくれて助かった。

レシートを送って記帳代行してもらうやつはもったいない。勘定科目覚えるのは最初だけだし、アプリがあればそこまで手間ではないし。ただ、レシートを貯めて一気にやると日付確認はさすがに大変なので注意。

後は、会計ソフトのお金ですかね。簡易簿記ならGoogleスプレッドシートなどの無料表計算ソフトでも十分だし、青色申告/複式簿記(65万控除)の決算書作成を自宅でやるなら”やよいの青色申告”などの会計ソフトが必要かも。

徹底的にコストカットしたいなら、青色申告会や税理士さんに記帳指導してもらい、会計ソフトは買わずにアプリでその日から記帳し始めるんですよ。そして、1年後の確定申告の時期にアプリで作成した仕訳帳データを持って行って、事務所で決算書を作成してもらう。

フリーランスがやる必要があるのは日々の経費を記録するぐらいなので、そこだけやれば決算書作成は任せるぐらいでちょうどよい。

青色申告会や税理士さんは2月中盤ぐらいから一気に忙しくなって予約が難しくなるらしいから、できるだけ空いている1月の間に行こう。

ついでにTaxnoteもよろしく。

 

*関連記事
確定申告を楽にする合理的な方法のまとめ
フリーランスの確定申告をぶっちゃける 1 – 青色申告と白色申告、手間も考慮した本当の費用対効果
フリーランスの確定申告をぶっちゃける 2 – 青色申告/複式簿記の鬼門、クレジットカードの仕分け問題
フリーランスの確定申告をぶっちゃける 3 – 青色申告/複式簿記の鬼門、個人用と事業用のクレジットカードが同じ場合
フリーランスの確定申告をぶっちゃける 4 – 青色申告/複式簿記に苦労したところで、白色申告や青色申告/簡易簿記に比べていくらお得になるの?


*家計簿読み上げのアプリ作ってます。自己紹介と過去ログはこちら


フリーランスの確定申告をぶっちゃける 3 – 青色申告/複式簿記の鬼門、個人用と事業用のクレジットカードが同じ場合

前回の記事、フリーランスの確定申告をぶっちゃける 2 – 青色申告/複式簿記の鬼門、クレジットカードの仕分け問題の続きを書いてみます。

前回の記事では、複式簿記でクレカの仕分けは厳密にやると凄い大変だから、通帳の引き落とし日を見ながらアプリを使うのが楽という話をしました。

ただ、それでも、個人用と事業用のクレカが同じ場合、預金口座の数字を合わせるために事業主貸とかめんどくさい仕分けがいろいろ出てくると書いたら、「そのへんを詳しく。。」と言われたので書いてみます。

個人用と事業用のクレカを分けろとは言うけれど

さて、個人用と事業用のクレカを分けないと複式簿記の記帳がいろいろと面倒になるという話なんですが、「じゃあ、分ければいいじゃん」という当然の疑問が出てくると思う。

しかし、個人と事業のクレカを分けるというのも、これはまたこれで面倒なのです。

フリーランスを始めたばかりの人だと、クレカをもう一つ作るのも審査あるし、いろいろなサイトで登録したクレカを、事業と個人で明確に区別できない場合もある。

つまり、口座を分けるのは面倒だけど、口座を分けないと複式簿記の記帳が面倒。どっちも面倒。

どうすんの?となった時、事業が大きくなるまではクレカは同じ人が大半だと思うので、その場合にどう記帳が面倒かを書くというのが今回のテーマです。

ちなみに、個人と事業の口座は分けるのが会計の原則なのですが、小規模な個人事業の場合、事業が大きくなるまで一緒でもいいよということらしい。

ここで当然のように僕が疑問に思ったのは、個人事業が小規模かどうかを具体的にどう判断すればいいんだということです。

本を読んでいても、具体的に”所得がいくら以下なら小規模とみなす”とかそういう記述は見当たりません。ここ、とても重要なとこなんですが、なんで説明がないんだと。

税務署に聞いてみたら、特に決まりはないのでケースバイケースらしい。

明確な基準がないから、事業内容とか総合的に判断してもらうしかないと。まあ、税務の事を勉強して思ったのは、特に個人事業だと明確な基準がない部分が多いのでしょうがない。

口座の数字を合わせる面倒さ

個人と事業のクレカが同じ場合、つまり、個人と事業で使う銀行口座も同じ場合は複式簿記の記帳が面倒です。

複式簿記で記帳する場合、銀行口座の通帳と仕訳帳の数字をぴったり合わせる必要が出てくるので、個人用と事業用のお金の出入りをいちいち仕訳しないといけない。

というわけで、今から面倒だということを説明するために、いくつかの例を書きます。

あらかじめ断っておきたいのは、この後の説明を読んでも、口座の数字を合わせる記帳方法は理解できないということです。なぜかというと、ルールと科目名が直感的に意味不明で、専門家のアドバイスを聞きながらじゃないと分かり難いからです。

なので、個人用と事業用の口座をひとつにした時の複式簿記がいかに面倒か。これだけをなんとなく理解してもらえたらOKです。

前回の記事で紹介したクレカの明細を見ながら、引き落とし日で記帳するやり方を前提として、銀行の通帳が下記のようだったとする。

2014/05/05 15,000円 事務所レンタル料
2014/05/05 80,000円 振替 カード引き落とし

この場合、事務所レンタル料を経費として計算して、

2014/05/05 地代家賃 15,000 / 普通預金 15,000

と普通に記帳できる。

でも、個人と事業のカードが一緒の場合、80,000円全部を事業に使ったわけではないですよね。明細を見ながら事業用の経費だけを記帳していって、個人用に使った金額は経費として記録していない。

例えば、80,000円の引き落としの中で、50,000円分が個人用に使って、30,000円分が経費として使った金額だとする。

明細を見ながら事業用に使った支払いは2つだと特定して下記のように記帳したとします。

2014/05/05 事務用品 20,000 / 普通預金 20,000
2014/05/05 交通費 10,000 / 普通預金 10,000

この場合、80,000円の引き落としが通帳にはあるのに、仕訳帳に記録されるのは30,000円分だけだから、数字が合わなくなります。

考え方としては、個人と事業で使っている口座はもともとは事業口座であり、個人用に使うお金は、事業用の財布から個人にわたす認識になる。

なので、通帳と仕訳帳の数字を合わせるために、カード払いで個人用に50,000円分は下記のように記帳しないといけない。

2014/05/05 事業主貸 50,000 / 普通預金 50,000

これで通帳の数字と仕訳帳の数字が合いました。お疲れ様です。

さて、複式簿記では通帳の数字と仕訳帳の数字をしっかり合わせないといけないけど、経費や個人用として使う現金を事業用の口座からわたす時も

2014/06/12 現金 50,000 / 事業主借 50,000

とかやらないといけない。もうなんだかよくわからなくなってきました。とにかく面倒で分かりづらい。事業主借とか、事業主貸とか、もう直感的にぜんぜん分かりづらくてクソUIすぎます。

ちなみに、この通帳と仕訳帳の数字を合わせる作業の面倒さはクラウド自動会計サービスを使っても一緒です。自動会計は通帳の記録から、勘定科目を自動判別して記帳してくれるということなので。

freeeやMFクラウドなど、クラウド自動会計ソフトは事業用のクレジットカードがある場合は相性抜群だと思うけど、個人と事業用のクレカ併用している人が使うと逆に混乱するかもしれない。

この作業は真面目に専門家に相談しながらやらないと、数字が合わなくなってめちゃくちゃになる。

適当に記帳していって、決算の時に無理やり数字を合わせるために事業主勘定を強引に使い、税務署に指摘されるとかもよくあるらしい。

それでも小規模な事業だったら税務署もちゃんとチェックしてないんですかねと聞いてみたら、最近はネットでの収入を申告してない人が凄く増えているので、税務署もそのへんかなり強化するとハッキリ明言しているとか。どうなんでしょ。

一番効率よさそうなのは、事業用のクレカを作る、クラウド自動会計で仕分け、現金部分はアプリで記録、クラウド会計がわかる専門家に決算書を作成してもらうことだと思う。

ただ、小規模な個人事業主だとクレカもわけないし、税理士へ依頼するとコスパが悪いから、どうしようっていうのがこのシリーズのテーマなんですね。

複式簿記での確定申告は難しい

というわけで、個人と事業のクレカを一緒にした場合、上記のようにアホみたいに難解になって、複式簿記の確定申告はぜんぜん簡単じゃないというのが僕の結論でした。

経費の記録はそんなに難しくないんだけど、通帳と数字を合わせる部分が面倒で、どこかしら変なところが出てくる。なので、初めての決算書作成だけは専門家のアドバイス聞きながらやらないと厳しすぎると思った。

ちなみに、いろいろな青色申告の本を読んでいて、一冊だけ、ウルトラ簡単な方法を提案している「簡単仕訳帳」でトクする青色申告」という本がありました。

小規模な個人事業主はすべて事業主勘定で済ませればよいというやり方で、事業用の仕分けをすべて事業主勘定で済ませるという方法。

例えば、経費となるお金をクレカで払っても、現金で払っても、すべて事業主勘定でやる。こんなの。

2014/06/12 交通費 2,000 / 事業主 2,000

僕は、「なんだこの簡単さは、他の本に書かれているやり方と全然違う。」と思い、青色申告会の担当の方に、「この方法でやってもいいですか?」と聞きました。

そしたら、いや、これはさすがに複式簿記の意味がなくなるからまずいんじゃないかな。。と言われ、そんなもんかと思って使ってないのですが、一応こんな本もあるよと紹介しておきます。

そこまでして青色申告(65万控除)複式簿記をする意味あるのか?

さて、ここで一番最初に書いた記事である、青色申告(10万控除)の簡易簿記のほうがコストパフォーマンスいいんじゃないか?という疑問にブーメランのように戻ります。

だって、簡易簿記だったら白色申告とほぼ一緒で、通帳の数字と仕訳帳の数字をチマチマ事業主勘定使って合わせるとかまったくいらない。スーパー簡単になる。

次は青色申告/簡易簿記(10万控除)と青色申告/複式簿記(65万控除)で、年間でどれだけお金がお得になるのかを具体的に分析し、複式簿記のコストパフォーマンスを計測したいなと思い、第4回も書きました。

フリーランスの確定申告をぶっちゃける 4 – 青色申告/複式簿記に苦労したところで、白色申告や青色申告/簡易簿記に比べていくらお得になるの?

ついでにTaxnoteもよろしく。

 

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フリーランスの確定申告をぶっちゃける 2 – 青色申告/複式簿記の鬼門、クレジットカードの仕分け問題
フリーランスの確定申告をぶっちゃける 3 – 青色申告/複式簿記の鬼門、個人用と事業用のクレジットカードが同じ場合
フリーランスの確定申告をぶっちゃける 4 – 青色申告/複式簿記に苦労したところで、白色申告や青色申告/簡易簿記に比べていくらお得になるの?


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