前回の記事、フリーランスの確定申告対策をぶっちゃける 1 – 青色申告と白色申告、手間も考慮した本当の費用対効果の続きを書いてみます。

まず、前提として、これは複式簿記で記帳する青色申告の話です。簡易簿記の青色申告だと一気に簡単になるので、65万の控除いらない方はそっちがオススメ。詳しくは前回の記事を。

今回は、「青色申告/複式簿記の鬼門、クレジットカードの仕分け」についてです。

現金を持たなくてよくなるクレカ、最近はスイカ対応のコンビニもたくさんあって便利です。でも、便利なはずのクレカが複式簿記の仕分けで一気に鬼門となる。

これ、会計の本読んでも、厳密なやり方から簡易なやり方まであってどんどん混乱します。個人事業レベルが厳密な方法で全部記帳するのは現実的に不可能、ミッションインポッシブルじゃないかと本を破り捨てたくなります。

僕が専門家の方に相談した時、まっさきに聞いたのはここでした。

「クレカの仕分け方法がサッパリわからない。発生主義や現金主義などでも違いがあり、事業用と個人用のクレカがある場合もいろいろある。本やネットでもいろいろな仕分け方法が書かれているので、いったいどうすればいいでしょうか。」と。

簡単なやり方から、最低限ここまでやろうみたいなレベルまであり、100%の正解はないけど混乱状態からの参考になれば幸いです。

勉強して詰まったら、国税局の税務電話相談室を使おう。

青色申告/複式簿記のクレカ仕分けがアホみたいに面倒なんだけど?

まず、会計の本に書いている厳密な方法があります。これは、原則的に発生主義という形をとり、取引をした時点でのお金の記録を記帳する。現金主義はお金を払った時点で記帳するやり方。

フリーランスのために簡単に説明すると、現金主義 = 記帳がかんたん、 発生主義 = 記帳が面倒、という認識でよいと思います。白色申告や青色申告(10万控除)だと簡易簿記なので現金主義でよし。

でも、青色申告(65万控除)は複式簿記なので発生主義になります。

複式簿記(発生主義)でも、現金で経費となるものを買った時は楽なんです。例えば、2014年4月1日にフリープログラマのDavid松本さんが「よくわかるRuby」という参考書を現金で買ったらこうなります。

2014/04/01 新聞図書費 3,000 / 現金 3,000

かんたんですね。現金で払ってるので発生主義でも一回で済む。

しかし、しかしですよ。最近はアマゾンとか便利なものがあるし、本屋でもできるだけクレジットカードで支払い、現金を持たないのが現代っ子です。David松本さんが先ほどの本をクレカで買ったら話が変わります。

なぜなら、クレジットカードは使った時点で支払いは発生せず、一ヶ月後に口座からお金が引き落とされます。でも、発生主義だと取引をした時点で記録しないといけない。

なんか嫌な予感がしますね。

そうなんです、発生主義の原則に厳密に従ったら、本を買った日の記録と、クレジットカードの引き落としの日の記録を2回しないといけない。引き落とし日が翌月の27日だとこんな感じ。

2014/04/01 新聞図書費 3,000 / 未払金 3,000
2014/05/27 未払金 3,000 / 普通預金 3,000

アホかと。。日々の業務で忙しいDavid松本さんが、クレジットカードでなにかを買うたびに2回も記帳するなんて。無理ゲーじゃないかと。

最初の記帳一回ならアプリ使ってその場で記録すればいいけど、クレカの明細見てもう一回個別に記録するとか面倒すぎます。

青色申告の参考書とかには、「クレジットカードの支払いは、未払い金を使ってこう書きましょう♪」とか無邪気に書いてる。

David松本さんからすると、「こう書きましょうじゃないヨ!(怒) なんだこの生産性の低い作業は!これなら全部現金で払ったほうがマシだヨ!」と参考書を破り捨てたくなると思います。

という当然の悩みを僕も持っていたのですが、専門家の方に相談すると、確かにクレカの記帳をここまで厳密にするのは無理ゲーなので、引き落とし日に一気にやる方法でも現実にはOKらしいです。

クレカの記帳を一回でやる方法

上記の無理ゲー方式ではなく、落とし所として教えてもらったのがクレカの明細を見て、お金の引き落とし日に一回でやる方法。

例えば、クレカの明細がこんな感じだとする。

引き落とし日 2014年5月27日。

4月1日 アマゾン書籍 3,000円
4月3日 インターネットプロバイダ 5,600円
4月6日 アマゾン書籍 2,500円

この場合、日付はすべて引き落とし日にして、それぞれ一回の記帳でこう書いてよいと。

2014/05/27 新聞図書費 / 普通預金 3,000
2014/05/27 通信費 / 普通預金 5,600
2014/05/27 新聞図書費 / 普通預金 2,500

これなら一気に楽チンになります。特に日付が固定されているのがポイント高い。僕は毎月クレカの明細が届くと、アプリ片手に明細見ながらポチポチと一気にやってます。

この方式とTaxnoteがあればクレカ払いでもかなり楽なので、個人的にはいろいろ修正が手間だと感じたクラウド自動会計ソフトはやめて、Taxnoteで普段から記録 => やよいの青色申告(Win)に取り込んで決算書作成というやり方に落ち着きました。

決算書作成はさすがに専門家の方の意見を聞かないと難しいので、年に一回、確定申告の時期にアドバイスを受けながらやってます。

ちなみに上記のやり方でも、年度をまたぐ12月などは引き落としが来るのは次の年なので、その月だけは未払い金などを使って年度の調整をしないといけない。

ここも大した手間ではないので、専門家の方に相談しながら数字が合うようにやるのが吉です。

ほんとにこの方法でいいの?

確定申告の勉強をしてわかったのが、細かい部分に関しては専門家でも意見が分かれるということです。

例えば、この支払いは経費として認められるかなどは最たるもの。ある税務署の職員さんにOKと言われても、他の人はNGだということもある。

心配性な僕は一応、税務電話相談室に電話して、この方法でクレカの仕分けをしても、ちゃんと青色申告の65万控除もらえますか?ということを確認してみた。

すると、年度末などは支払いが翌年になるので、未払金で調整するよう気をつけてもらわないといけないけど、普段のクレジットカード払いの記帳はそのやり方で問題ないですよと言われた。

仕入れなどが発生しないフリーランスという前提で話したのもあり、個別ケースによって見解が変わるかもしれないので、少しでも疑問に思った部分は税務電話相談室を使おう。

それでも面倒な複式簿記

ちなみに、僕は個人で使うクレカと仕事用のクレカを分けてないので、複式簿記をやろうとするとやっぱり面倒なんです。

この部分の説明は長くなるので省くけど、普通預金口座の数字を合わせるため、事業主貸とかめんどくさい仕分けがいろいろ出てくる。(その3で解説してます。)

かといって、まだ小規模なので事業用のクレカを作るほどでもないし、スイカとか絡むとさらに面倒だ。これは事業用の交通費、これは個人だとか。

というわけで、そこまでして青色申告(65万控除)複式簿記にこだわらなくても、青色申告(10万控除)簡易簿記を選択したほうがコストパフォーマンスが高いのではという話を前回の記事でやりました。

複式簿記と簡易簿記の手間は全然違うからです。

まあ、複式で記帳すると事業の財務状況がハッキリ分かるけど、仕入れなど発生しないフリーランスが気にするのは何よりも手間でしょう。

そこで、青色申告(65万控除)と、青色申告(10万控除)、この二つを比べて、具体的な金額で計算するとどのぐらいお得になるのかという話をしたいです。

65万控除って、65万お得になるわけじゃなくて、65万円分の経費分をボーナスであげますってことなので。

結果、所得税、健康保険なども影響した後に年間で5万お得なのか、10万お得なのか、20万ぐらいお得なのか。そういう具体的にイメージできる額を明らかにすることによって、手間にあった費用便益分析がしやすいと思うのです。

なぜか、いろいろな本を読んでもこのへんを具体的に書いているのがなかった。それを第4回で書いているのですが、その前に、質問にあった、個人用と事業用のクレカが同じ場合の、複式簿記記帳の面倒さを説明する3回に続きます。

ついでにTaxnoteもよろしく。

*関連記事
確定申告を楽にする合理的な方法のまとめ
フリーランスの確定申告をぶっちゃける 1 – 青色申告と白色申告、手間も考慮した本当の費用対効果
フリーランスの確定申告をぶっちゃける 2 – 青色申告/複式簿記の鬼門、クレジットカードの仕分け問題
フリーランスの確定申告をぶっちゃける 3 – 青色申告/複式簿記の鬼門、個人用と事業用のクレジットカードが同じ場合
フリーランスの確定申告をぶっちゃける 4 – 青色申告/複式簿記に苦労したところで、白色申告や青色申告/簡易簿記に比べていくらお得になるの?


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