ちょっと前からアプリをいくつか多言語に翻訳したので、翻訳の具体的なやり方、後々のコスト、どの言語を優先したほうがいいかなど、いろいろ書いてました。

アプリのAppStoreでの名前や説明を7ヶ国語にローカライズしたらDL数が増えました
iOSアプリを8ヶ国語に翻訳した過程でわかったこと
アプリを一気に多言語へ翻訳・ローカライズしたのを若干後悔してる

これは、3つのアプリ、TaxnoteZenyListTimerの経験に限る話なんですが、僕のオススメの手順を簡単にまとめるとこんな感じです。

1. 最初はAppStoreの説明文とスクショから始めて様子を見る
2. 通常、優先すべき言語は、英語、中国語(簡体字)からでOK
3. アプリ内部の翻訳は、今後のアップデート時のコストが高まるし、AppStoreの翻訳と違って途中で止めににくいので慎重に

ここまでは、誰に対しても自信を持って説明できる話なんだけど、どの言語が翻訳の効果が出やすいかっていう話になると、やってみないとわからないし、どれがたまたまヒットするかもわからないとしか言えなかった。

もちろん、英語と、中国で主に使われてるのは中国語の簡体字は圧倒的に人口が多いから効果が一番でやすい。問題は、その他の言語。僕の3つのアプリの経験からだと、なぜか、中国語の繁体字(香港、台湾、マカオ)や、韓国語などのDL数に効果が出やすいという結果になった。

普通なら、iOSの人口も多そうな他のヨーロッパ言語のほうが効果が出やすいと思ってたのに、スペイン語、ポルトガル語、フランス語などは本当にさっぱりだ。アップデート時のコストのほうが高くついてしまっている状態。

iOSの普及率と言語使用者のデータから考えると、英語、中国語(簡体字)の次は、スペイン語、フランス語、ドイツ語の順番にならないとおかしい。

Mixpanel Trends: What language should developers target next?

でも、なんででしょうか?ここからは、仮説でしかないのだけど、参考になれば。

日本から国が近いから?

最初は、日本から物理的な距離が近いから、日本人の知り合い経由で口コミが広がりやすいのかなと思った。でも、さすがにこれはなさそう。それならば、翻訳する前からある程度、他のヨーロッパの国とDL数に変化が見えてたはず。

英語と大きく違う言語だから?

ヨーロッパの言語は英語に似ているけど、韓国語とか中国語は似ても似つかない。もしかすると、ヨーロッパの人たち、スペイン、ドイツ、フランスなどの人たちは、アプリを探す時に英語で検索することが多いのかも。

ひとつには、英語が結構わかる人がヨーロッパには多いということと、フランス語、ドイツ語、スペイン語のみで検索するとアプリの数がかなり限られてしまうのかもしれない。

この事を若干裏付けるデータとしては、英語がわかる人が少なそうで、言語の見た目もだいぶ違うロシア語に翻訳すると、そこそこDL数が増えた。スペイン語、フランス語などはあんまりだったけど。

キーワードにたくさん単語を入れられるから

僕が、一番有力だと思っている仮説がこれです。

AppStoreのアプリって、提出する時に、100字以内で関連キーワードを書き込めっていう項目があるんですよ。例えば、Taxnoteとかなら、確定申告、帳簿、青色申告、とかそういう関連キーワードを考えて入力する。

英語やヨーロッパの言語に比べ、日本語、韓国語、中国語は、ひとつの単語のワード数が少なくて済むため、AppStoreに提出する時の100Words限定のキーワード提出する時にたくさん詰め込める。

例えば、ListTimerで関連キーワードを考えたとして、timer,alarm,clockで17文字カウントされるんだけど、タイマー,アラーム,時計だと12文字しかカウントされない。

Twitterでも日本語だと、英語の3倍ぐらいの情報量を書き込めるのからわかる通り、日本語、中国語、韓国語だと、だいたい3倍ぐらい100字以内のキーワードに詰め込めるわけです。結果的に、その国でのAppStoreで検索にヒットしやすくなり、DL数も増えやすくなると。

中国語(繁体字)と韓国語に効果が出やすいのはこれなんじゃないなあと。あくまで僕の個人的な体験からの推測なので、俺はこの言語が圧倒的に人気出たぜとかありましたら、@umekun123まで教えてくれたら嬉しいです。


*家計簿読み上げのアプリ作ってます。自己紹介と過去ログはこちら