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個人アプリ開発者だけど電話サポートを半年続けてわかったこと

今年の2月ごろ今までビビってやってなかった電話サポートをというものを050の電話番号を使って始めてみた。今年の2月、開始して二週間ぐらいでわかったことを記事にしたのが以下です。

個人アプリ開発者だけど電話サポートをやってみた

もし、これきついなあって途中で思ったらいつでも辞めようと思ってたんだけど、いまのところ半年以上続いているので、その中で発見とか、わかったことをアップデートしてみる。

どのぐらいかかってくんの?

とりあえず、今は会計アプリのTaxnoteと、最近リリースした読み上げアプリのVoicepaperのヘルプに電話番号を書いている。

例えば、Taxnoteだと、設定画面の「ヘルプ」をタップすると一番上に「お電話での問い合わせ」と表示しているので、ヘルプを見た人は一番最初に電話での問い合わせが出来ると気づくようにしてる。

ちなみに、アプリのDL数はそんなに多くないので、問い合わせの電話がかかってくるのは1日に1件あるかないかってとこです。たまに1日に2件の時もあるけど、このレベルだとあんまかかってこないから負担はあまり感じないレベル。もっとガンガンかかってくると厳しくなるかもしれない。

それでも半年以上やってると、結構いろんな人からかかってきまして、直接ユーザさんと電話で話していると本当にたくさんのことが勉強になった。

基本的にみんなすごく丁寧な人が多い

これは日本人の美徳なのかもしれないけど、電話かかってくる人は基本的にみんな丁寧で礼儀正しい。「お忙しいところすいません、ちょっと質問があるんですけど。。」みたいな感じが多く、こっちは「いえいえ、どうもどうも。。」みたいになる。

これは、おそらく僕のアプリが個人でやっているから大企業のサポートにかける時とは感情的に姿勢が違うからじゃないかなと。たぶん、電話してくる人は気を使ってくれているのかも。

ただ、会社に比べて「このアプリ大丈夫かよ。途中で開発ストップしそうだから、使い続けるの不安だなー」と思われるデメリットもあるのではあるが。このへんはどっちがよいのかはよくわからない。

話がそれた。

そう、みんな結構親切で、特にTaxnoteなんてITに疎い年配のおばちゃん、おじちゃんがすごく感謝してくれたりする。僕は、サポート対応で感謝されるとか、レビューを見るのは孤独なアプリ開発者のモチベーションエンジンだと思っていたのだけど、これが電話で直接言われると嬉しさマックス10倍だったりする。

一度、年配のおばちゃんに、「私は整体師やってまして、今まで確定申告の作業が本当に大変だったんですけど、このアプリのおかげで本当に、本当に楽になりました。ものすごくいいアプリだと思います。本当にありがとうございます。」とかめちゃくちゃ気持ちを込めて言ってもらえた時は、正直、涙が出た。ガチで泣いた。

改善するべき点の深刻度がわかりやすい

もちろん、重大な問題が発生して怒りの電話に対応することもありまして、そういう時は平謝りなんですが、そういう経験をすると、そこを治すぞという決意がめちゃくちゃ高まる。

実のところ、重大な問題というのはプログラムのバグというより、電話対応でわかるのはアプリの挙動やメッセージがわかりづらい時に起こる不都合のほうが多い。(アプリが落ちるバグとかはログでわかりやすいし、電話で報告とかはこない。)

そういう時も、「まあ、ちょっとこの部分、わかりづらいかもしれないかな。」って思っていたのが、「いかん、ここはやっぱ、もっと丁寧にメッセージで説明して、間違って操作しないようにもっと改良しないと。。」と優先度が一気に変わる。

前回の記事では、メッセージでのやりとりに比べて、電話サポートだと相手の状況とかが詳しく聞けるからデバッグしやすい、問題がすごくわかりやすいというメリットを書いたけど、どれだけその問題が深刻かというのが感情として染み込むのが大きい。

例えば、アプリの改善、バグ修正など、やるべきことは常に無数にある中で、どれから手をつけるかはいつでも重要なことです。そんな時、データで見る数字、例えばクラッシュの数とかも参考にするし、サポートメッセージで問い合わせがくるのも参考にする。

数字でわかる定量的な基準、会話でわかる定性的な基準、どちらも参考にして判断するんだけど、そこに電話サポートが加わると、定性的な基準の制度が高まる。やっぱり、わざわざ電話してくるっていうのはエネルギーが必要なわけで、ここがすごく心配とか、ここがわからんとか、クリティカルなポイントがどこかっていうのがよくわかる。

ユーザーヒアリングの経験値がアップする

ユーザーヒアリングってUXの専門家でもない限り、結構難しくて、上手にやるのは本当に大変なんですよね。

まず相手の話をじっくり聴かないといけないし、相手がどれだけITとかアプリ操作に詳しいかを話をしながら頭の中でぴぴぴっと解析しつつ、適切な用語を選択しないといけない。

相手があまりITに詳しくない人に自分のペースで説明すると、

「iOSってなんですか」とか、「iTunesってなんですか」

と言われた後、相手難解な単語を散りばめてくるコンピュータオタクと思われ、相手はストレスマックスのまま、

「はあ、そうですか。。わかりました。。(なんかよくわからないけど。。)」

と言われて電話が終わる事態になりかねない。

ちなみに、僕のよく使うフレーズは、「今からアプリを操作しながら説明させてもらいたいのですが、アプリを開きながら電話することってできるでしょうか?」とまず聞いたりする。iPhoneのスピーカー機能をそこで説明する時もあるし、一緒に操作しながらなので相手もわかりやすい。

しかしですよ、電話対応する時は大抵そこまでITに詳しくない人が多いので、そういうイメージで丁寧に毎回対応しようとしていると失敗することもある。

「いや、そこまで細かく説明してもらわなくてよいので、ざっくりと教えてもらえませんかね?」

と言われて、

「ああ、すいません。。えっとですね。。」

とあたふたしてしまうこともあった。

なので、相手がどれぐらいITやアプリ操作に詳しいか、相手がどれぐらい説明してほしいか、とかをまず把握しないといけない。でも、「アプリ操作ってどのぐらいわかりますか?」とか聞いたら失礼なんで、相手が自己申告してくれる場合を除いて前者のほうは推定するしかないところ。

そして、ついついやりがちなので常に頭の中で気をつけないと忘れちゃうんだけど、自分がずっとしゃべり続けてしまうというトラップ。

例えば、

「ちょっと、このへんがわからないんですけど。。」

という会話が始まった時に、「ああ、なるほど、これはよくあるパターンだな。」と勝手に自分の頭の中で判断して、

「まず、これがこうなっておりまして、それにはここをタップしてもらって、こうしてもらって、こういう仕組みになっておるんですよ。そして、ここはこうなって、ペラペラペラペラ~~」

という感じで、いきなり相手の状況もあまりしっかりわかってない段階でずっと自分がしゃべり続けてしまい、喋り終わった後に相手が求めていたのはもっと違う方向性のことだったと気づいて「やってもうた」というチョンボをしたこともありました。

なので、会話の最初はできるだけ自分が喋りすぎないように気をつけないといけないので結構難しい。

もし、聞いていても相手が困っている部分とか、本当に質問したい部分とかが理解できてるか不安な時は、

「こうこう、こういうことをしたいけど、ここがよくわからない。こういう理解で合っているでしょうか?」

と、一度確認してみるようにしてる。そうすると、相手側としても、伝わってない場合は、もっと詳しく丁寧に角度を変えて説明してくれるのでよく使う。これはチャットメッセージでのヘルプで覚えたことなんだけど、電話対応でも同様に有効だと思う。

まあ、電話サポートって自分の都合のよい時間に返信できるメッセージ対応と違い、突然かかってくるという負担が一番大きい。だから、あまり声高にオススメはできないんですが、もし興味ある人の参考になればと。

一番大きいメリットは気持ち的なものだと思う。

アプリ開発って、どうしてもコンピュータ画面でカタカタ毎日やって、結果も数字でしか見えないものなんで。直接ユーザさんと触れ合うと、なんだか、「ああ、俺は世の中のためになっているかもしれない。生きててよいですか。」みたいな気持ちが湧いてきます。


*家計簿読み上げのアプリ作ってます。自己紹介と過去ログはこちら


デザイン思考・リーンスタートアップなど、方法論が普及した時代の競争優位は情熱・専門性になる

最近どっかで読んだ記事で書いてたんだけど、シリコンバレーでは新規事業の方法論が確立していて、よい事業のアイデアがあれば、その方法論にそってガンガンと改善を繰り返してうまくいくか進めるらしい。

その方法論っていうのは、とてもざっくり言うと、ユーザの意見を聞く、ユーザを観察する、プロトタイプを小さく作って改良を高速で繰り返す、定量的な数字も同時に見る、などなど。

デザイン思考とか、リーンスタートアップとか、ちょっと前までは全員には広まっていなかった新規事業のノウハウが、今では高校生がスマホ持つぐらい当たり前の前提となっているとか。

確かに、僕も数年前、リーンスタートアップやらポールグレアムのエッセイで書かれている事など、あまり知らなくて実践もしてなかった時期だと、ノウハウの話も英語ブログやYコンビネータのスタートアップスクールの動画見たりして勉強してた。

ただ、そういうノウハウはある程度勉強したら、そこまで目新しい話が新しく出てくるわけでもないので、方法論系はブログでも書く事が少なくなりました。みんなもう知ってるだろうしなあとも思って。

そこで、久々にふと考えたんだけど、こういうノウハウが誰もが共通の知識としてすぐ共有される時代になると、新規事業を始める時の勝負の決めては、その人のその事業に対する情熱と専門性になってくるんだなと。

ビジネスとスポーツとの違い

スポーツの世界だと身体能力が決定的に重要になってくるんだけど、ビジネスだとそこまででもない。

例えば、NBA選手の平均身長は軽く190センチ超えると思うけど、ビジネスの世界で成功している人の平均身長はバラバラなので、身長が低くてもバスケほど不利ではない。

絶対的に身体能力が有利不利に響くスポーツの世界に比べ、ビジネスの世界は結構チャンスの垣根が広い。つまり、スポーツほど素質が決定的な要素でない。むしろ、がんがんトライすること、打席に立ちまくって運を呼び寄せる行動のほうが重要になる。

そして、インターネットが普及して情報の共有も広がった現代では、昔ほど情報やノウハウで差別化できるって時代でもなくなってきた。

となると、他人が簡単に真似できないことってなんだろなとなると、まずはその事業に対する情熱、それが元になって身についた専門性なんじゃないかと。

情熱は真似できない

まず、一番重要なこととして、情熱はノウハウと違って真似することができない。だから、情報を共有しても、一番重要な部分を他人に盗まれる心配があまりない。

僕が「ああ、これいいアイデアだなあ。たぶん作ったら欲しい人もいて儲かるだろうな」というアイデアを思いついたとしても、それを自分が本当にやりたい情熱がないとそのプロダクトを作る時間はつらい時間になるわけです。

やってて楽しくない製品やサービスを作ると、気持ちが乗らないので作業も中途半端になって、あんまりよいものはできない。そもそも、作業時間がつらいとストレスが溜まっちゃう。ストレスが溜まっちゃうと、そのストレスを解消するための休暇時間、趣味の時間もたくさん必要になる。

それに比べ、情熱があるものを作ってると、それを作る事自体が楽しいわけだから、作業してない時も頭の中で考えるし、シャワー浴びてる時もプロダクトの改善を考えててふとよいアイデアが出てきたりする。

どんなものでも、まずは小さく作ろうとしたとしてても、本当に時間ってたくさんかかるんですよね。思った以上に。毎日コツコツコツコツと。というわけで、自分が情熱を持ってやり続けられるかとか、そういう事を、なにか新しいものを作る時は重視しております。

そして、専門性というものは長い時間と努力をかけないと身につかないので、これも簡単に真似できるノウハウとは別個のものとなり、その領域への情熱がないと他の専門家に勝てない。

こう書いていると、デザイン思考やリーンスタートアップの専門家はいらないのかと誤解されるかもしれないけど、その領域の高度な専門性というのも簡単に真似できないものであって、いろんな業種に適用させる幅広い知識、わかりやすく伝えるスキルなど、実際に新規事業をやるだけの人とは違った専門領域が必要になってくる。

ただ、どれだけデザイン思考やスタートアップ育成のスキルが高い専門家でも、その事業に対する情熱だけは教えることができない。ここが難しいところで、優れた学習コンテンツはネットでたくさんあっても、興味や好奇心を教えることができない教育分野に近い話かもしれない。

新規事業はどんどん小さくスタートできる時代

なんでこういうことを書こうかと思ったかというと、最近、新規事業とか、趣味の発信でもなんでもよいけど、どんどん手軽に、小さく始められる時代になってきたからというのがあります。

例えば、昔は新しく事業をしようと思ったらたくさんの資本が必要で、小さな会社を作って小さく始めるなんてことはできなかったわけです。でも、インターネットが普及して、大学生が在学中に作ったFacebookとかいうサービスが10年もたたずに世界的企業になったりしちゃった。

次に、世界中にスマホが普及して、ネットビジネスやバックエンド、アプリ関連のエコシステムがたくさん用意され、もっと簡単に少人数で、短時間にサービスを作れるようになった。

この流れが進むと、個人レベルでも、今までより手軽に、短期間に何かを作って成功する人がどんどん出てくると思う。

そんな時、誰でもできることなら、新しいことをやっても簡単に真似されて飽和状態になってしまう。となると、できるだけ真似できない、戦わずにすむ世界を選ばないといけないわけで、そういう時に基準となるのは情熱と専門性じゃないかなと思ったわけです。

そこで、どうやってそういうものを見つけたり、身につけたりしたらいいかという難問について考えてみた。

我慢してやり続けると好きになるケース

ここまで書いてきて、一気に前提をひっくり返すようですが、最初は別に好きじゃなかったけど、やり続けていると好きになってきたという場合もあったりする。

好きかどうかはわからないけど、とりあえず我慢してやり続けていると、結構うまくできるようになってきて好きになっていったとか。結構あるあるだと思う。

これ、自分が好きなことをやるより、自分が得意なことを見つけると他人よりうまくできるから楽しくて好きになるというケースです。

僕も小さい頃に一番なりたかったのはサッカー選手だけど、今の年齢でなりたいとは思わないし、なれない。

と考えると、ある程度いけそうな確率があって、なおかつ情熱があり、得意になれそうな分野を見つけるということをみんな無意識にピックアップするんだと思う。

ここで、難しいのは、ちょっと前から興味があるんだけど、自分には無理そうな分野とか、やってみたけど難しすぎて挫折してしまった分野とかあるとする。この場合どうしたらいいんでしょうか。

自分のケースだと、アプリ作りたいけどプログラミングという障壁がこれにあたりました。テクノロジーには興味があって、自分が作りたいものを作るにはどうしても自分で出来たほうがよいのはわかっているんだけど、文系で数学とかからっきしダメな僕には厳しすぎるというのが五年前ぐらいの自分でした。

で、最初にPHPの参考書をやっても挫折して、半年後にまた挑戦して、また挫折してた。まったく楽しさがわからない段階で挫折してた。

ようやく3回目に、自分が作りたいものベースで、それに必要のものを勉強するというやり方でうまくいき、そこから楽しくなった。この時の経験から考えると、興味あるけどやってみたら挫折しちゃう分野は、やり方の角度を変えて、いろんな方法でちょこちょこ挑戦するのがよいんではないかと。

最初は「こうすればいいよ」という一般的な方法論で試せばよいけど、それがうまくいかなかった時は自分でやり方を考えて工夫するのが大切だと思う。

自分はなにが好きかというのは結構難問

さて、ここまで書いてきましたが、自分がなにを好きかを見つけるのは結構難しい。

これは、常にアップデートされるから、僕もよくよく何度も考えるようにしてます。そうしないと、作っているアプリやらを途中で諦めたり飽きちゃって、徒労に終わる可能性が高まってしまうので。

そういえば昔、知り合いのおっちゃんに、「好きなことをできるだけ早く見つけられるとすごくいいけど、年とっても見つけられない人はけっこう多いんだヨ、梅ちゃん!」と言われて、これは結構記憶に残ってる。

「なにしてる時が一番楽しいの?」とか、「なにが好きなの?」とか、「どういう生き方をしたいの?」とか、そういう質問をされた時に、スラスラと答えられる人って意外と少ないんじゃないかなと。

「食べ物で何が好きなの?」って言われたら、「鍋、チャーハン、カレー、パスタ、あとはアップルパイとかパンとか。」と、スラスラ答えられるんですが。


*家計簿読み上げのアプリ作ってます。自己紹介と過去ログはこちら


SwiftでiOSアプリをリリースしたので利用したお勧めライブラリ・Webサービスのまとめ

最近、Voicepaper2という音声読み上げアプリをリリースしたんだけど、一つのアプリをリリースするまで意外といろんなライブラリ、Webサービスなどを使いまくっている。

僕自身、他の人はアプリをリリースするまでどんなツールやサービス使ってるか参考にしたいと思ってきたので、まずは自分が使っていて便利なものを全部紹介してみる。

まず、今回はSwift3でスクラッチから開発したので、Swiftの新しい便利ライブラリをガンガン使えてめちゃ開発が捗った。さらにSwift自体もobj-cよりはるかに簡潔なコードが書けるので視認性がよくなるし、なにより書いてて気持ち良いのでほんとよかった。

Swift出た時は、「おいおい、勘弁してくれよ。もうobj-cで別にいいのに、ライブラリとか分裂するからメンドくさいよ。」と思ってたんだが、今では、「Swift最高、アップルさんGJ。ライブラリも、swiftで検索したら、新しいライブラリってスクリーニングできるから検索しやすいしブラボー!」っていう180度意見が変わっている毎日です。

データベース

Realm Swift
https://realm.io/docs/swift/latest/

実は、今までCoreDataをずっと保守的に使ってきたから、Realmみたいなアップル公式じゃないものは使うべきかすごい迷ったんですよ。Swiftって日本では岸川さんが普及してくれてるから結構心強いんだけど、僕の中ではParseが死んで全部書き直した悪夢があったから躊躇してた。

ところがですよ、一回使ってみたら、こりゃもうCoreDataなんて二度と使いたくないわっていうぐらい使いやすい。もう、使ってみたら一気に、「あ、もうこれでいいわ。」ってなりました。

アプリ内課金部分

SwiftyStoreKit
https://github.com/bizz84/SwiftyStoreKit

Obj-c時代はRSStoreという結構使いやすいもの使ってたんだけど、Swiftのこれのほうがさらに使いやすい。やっぱSwift使ってると優れたライブラリを利用できるから嬉しい。

StoreKit周りは本当にRestoreとか、Subscriptionsのレシートとか自分でゴリゴリ書くと時間がかかってしゃあないのでこういう便利なライブラリは本当助かります。

ちなみに、現時点でこのライブラリ、自動継続課金の、同じグループ内の購入切り替えには対応してないので注意。まあ、調べてみたら、UIの工夫でなんとかなるのでそこまで問題ではなかった。

*参考
iOSアプリで自動継続課金をリジェクトされないためのチェックリスト

端末への設定保存

SwiftyUserDefaults
https://github.com/radex/SwiftyUserDefaults

iOSでは、設定の保存記録などにNSUserDefaultsというものをよく使う。Swiftはかなり書きやすいんだけど、このライブラリ使うとDateとかも保存しやすくなるからマジ便利。特にDateの保存はバグりやすいし、面倒だから、それだけのためにもこれ使う価値あり。

TableViewのUIカスタム

SwiftReorder
https://github.com/adamshin/SwiftReorder

SwipeCellKit
https://github.com/SwipeCellKit/SwipeCellKit

Voicepaperでは、TableViewの並び替え、スワイプで削除という機能を実装しないといけなかった。いいライブラリないかなと思っていくつか使ってみて、上記の二つが一番使いやすかった。ほんとSwiftだと優秀なライブラリ多い。

並び替えはこんな感じで使ってる

スワイプ削除はPocketからの記事をアーカイブするのに

アクティビティHudビュー

PKHUD
https://github.com/pkluz/PKHUD

なにかが成功した時とか、ダウンロード中に表示するHudビュー。このPKHUDはできることは少ないんだけど、とにかくシンプルでめちゃくちゃ使いやすい。凝ったことはできないけど、viewとかの受け渡しとかもあまり考えなくてよいので、とにかく実装がスピーディになるのが特徴。ほんと楽。

日付の操作

SwiftDate
https://github.com/malcommac/SwiftDate

Date使って日付関連のコードを自力で書くのはかなり面倒だし、言語ごと、時差の部分も考慮しないといけないのでバグが本当に起こりやすい。なので、こういうライブラリを使って楽チンになりつつ、バグの心配も未然に防ぐというのがおすすめコースです。

新しいバージョンの告知

iVersion
https://github.com/nicklockwood/iVersion

新しいバージョンがリリースされた時に、「新しいバージョンが出たからアップデートしてね。」とアプリ内でお知らせするライブラリ。実は、SwiftにSirenっていうライブラリも使ってみたんだが、結局iVersionに戻った。理由は、Sirenはリリースノートを表示してくれなかったから。

このライブラリはobj-cだけど、CocoaPod使ってると大抵自動的に利用できるので無問題だった。

同じ開発者の他のアプリを紹介

FTMoreApps
https://github.com/ftapps/FTMoreApps

これもobj-c時代のライブラリだけど、未だにこれを超えるライブラリはないので引き続き利用。アプリ内で、同じ開発者の作った他のアプリを一覧で紹介することができる。表示方法が見やすくて素晴らしい。

僕は設定画面に、「作者のアプリ」というボタンをつけていて、そこでこんなふうに使ってます。

アップデート後にリリースノート表示

TWSReleaseNotesView
https://github.com/iGriever/TWSReleaseNotesView

iOSアプリは自動アップデートがあるので、大抵の人はリリースノートを読む機会がない。なので、頑張って「ここをアップデートしました。ここを修正しました。」とか書いても誰も読んでませんという悲しい自体になるのです。

そんな時、このライブラリ使うと、アップデート後にリリースノートをアプリ内で表示してくれる。これで、ユーザもアプリの近況がわかるし、一生懸命リリースノート書いてたら結構応援してくれる人が増えます。

このライブラリもobj-c時代の古いやつなんだけど、似たようなライブラリが未だに見つからないんですよね。誰か新しいのでいいのあったら@umekun123まで教えてください。

デモ動画でタップ部分を表示する

TouchVisualizer
https://github.com/morizotter/TouchVisualizer

デモ動画を録画する時にタップしてる部分を綺麗に表示してくれる。これ、デモ動画作る時に便利すぎる。iOS11のAppStoreはデモ動画が自動再生されるので、さらに使う機会が増えそうなお勧めライブラリ。

データ解析・クラッシュ解析

Fabric・Crashlytics
https://fabric.io/home

Mixpanel
https://mixpanel.com/

まあ、定番のFabricで、簡単なデータ分析とクラッシュ解析。Crashlyticsは、Xcode側でBitcodeをオンにしてたら相当使い難いので、結局Bitcodeオフにしてリリースしてます。

もっと詳しいコンバージョンとかを調査したい時のためにMixpanelも併用。FabricとMixpanelでだいたい間に合うと思う。

*参考
アプリに広告があると離脱率はどれだけ高まるかをABテストしてみた (MixpanelとSkyLab利用)
Lean Analytics 虚構の数字と改善に繋がる数字

アプリ内サポート・Q&A設置

Helpshift
https://www.helpshift.com/

僕のアプリ開発にはヘルプサポートでフィードバックもらいやすくするの欠かせないんだけど、このHelpshift来年からかなり値上げするんですよね。。スタートプランがなくなって毎月2万以上からがスタートみたいな。。
https://www.helpshift.com/pricing/

僕の周りでも「どこか移行先ねえか。。」って相談してる途中なんだけど、まだ見つかってません。なんか似たようないいのあったら教えていただきたい。Webではいいのあるんだけど、アプリで使いやすいのはよくわからないからなあ。

*参考
フィードバックしやすい状況を作るHelpshift
使いやすいアプリを作る簡単な方法

AppStoreスクリーンショット作成

AppLaunchpad
https://theapplaunchpad.com/

以前使ってた、ScreenshotBuilderっていうサービスが死んだので、クローンみたいに似ているこのサービスを使った。問題は結構お高い。月に30ドル近く、年間99ドル。一回作って解約するのが無難かな。。


*家計簿読み上げのアプリ作ってます。自己紹介と過去ログはこちら


iOSアプリで自動継続課金をリジェクトされないためのチェックリスト(iPhoneの定期購読サブスクリプション)

このブログでは数年前からiOSの自動継続課金の情報をあれこれと書いてきたので、結構知り合いから相談を受けることが増えてきた。やっぱりビジネスやる上でこれからはサブスクリプションの時代だと思うし、僕もTaxnoteZenyVoicepaperで自動継続課金を利用している。

結論からいうと、継続的な収益を目指すには一回払いのアプリよりもちろん自動継続課金のほうがいいし、僕は間違いなくやってよかった。さらに、一年以上経つと、アップルの取り分も30%から15%になるのもでかい。

そして、iTunesの売り上げ分析もここ一年でかなりアップデートしてきており、自動継続課金を契約してくれるユーザ100人のうち10%は一年以上契約してくれてるユーザですとかも表示されたりする。

テスト期間も利用できるし、テスト期間から契約に至ったコンバージョンも分析でわかるし、昔に比べて本当にiOSの自動継続課金は使いやすくなっている。アップルもAppStoreの売り上げが会社の利益の3割を越していて成長分野なので、開発者の収益を増やすのに力を入れるという方針に舵を切っているのがありありとわかります。

昔なんてアップルの売り上げはiPhone端末を売ることだから、アプリの値段なんて0に近ければ近いほどよい。だから、開発者の継続的な収益への施策なんてやるインセンティブがないんだ!と言われていた。本当にいい時代がきている!

継続課金が上手くいくと長くアプリをアップデートしていくやる気もでるから、一回払いのアプリに比べて開発者側もどんどんよくしようっていうモチベーションが上がるし。

というわけで、これから自動継続課金に挑戦しようとしている人向けに、いろいろな時間を無駄にしてもらわないよう、チェックリストを作ってみました。

自動継続課金の基本情報は調べればわかるので、ここではアップルのルールに載っていない情報を中心に書いていく。

1.まずは自動継続課金の審査に通そう

はい、一番の難関がここです。ここは数年前はもう難攻不落で実質ツール系アプリは無理だったんだけど、一年ちょい前からルールが変わってほぼいけるようになりました。

AppStoreのガイドラインによると、「クラウド機能があるなど、ユーザに継続的な価値を与えるアプリ」だったら使ってもいいよというルール。これ、絶対クラウド機能がないとダメってわけでもないので、最終的にはアップルの審査員の判断になる。

だから、自分が出すアプリにクラウド機能があって、継続的にWebサーバコストかかるからっていう説明ができるならまず通ると思います。あとは、継続的になにかアップデートで更新されるとか。でも、そういうのがない場合は、「このアプリはちょっと自動継続課金に向いてないからダメですね」という審査員からの悲しい却下がくる可能性もあります。

でも、そこで諦めてはいけない。「いやいや、このアプリはここの部分でWeb側のコストがかかってるから、それを埋めるために継続的な収益が必要なんですよ!」とかいろいろ理由つけると、「おお、、そうか。。じゃあ。」といった感じで、普通に通ったりするケースもよく聞きます。

僕のVoicepaperの場合、アプリのユーザサポートに使っているバックエンドサービスに毎月結構なコストがかかるし、テキストを取り込む時にパーサも使うのにバックエンドサーバ必要なんで、自動継続課金か広告つけるかっていう収益モデルが必要なんですと説明したら、普通に通りました。

なので、まずは一回落ちても、もっともな理由を説明できると考えた場合は諦めないで何度か頑張ろう。というか、自動継続課金ってめちゃくちゃビジネス上重要な部分だから、みんな諦めないで再トライしてる人は多そうだけど。

重要なのはレビューワーとちゃんとコミュニケーションとって会話することです。ここ通るかどうかでアプリの価値が大きく変わる場合は、他の開発は最低限で済ませて、まずはここの審査通るかどうかを確認してから開発の続きをしたほうが優先順位としてはいいです。

僕もVoicepaper作ってる時は、最短距離で自動継続課金の審査チェックできるまで形にして、それを通って安心してから続きを開発していきました。

参考
*一番リスクの高い部分から始める

さて、次はマニュアルにはよく書かれてないけど、ここを抑えないと審査に落ちるよ、という部分を書いていく。

2.AppStoreの説明文に自動継続課金の概要を書く

とりあえず初めて自動継続課金を申請する人はこれでリジェクトされます。なので、この無駄な時間を節約するためにこのブログを書いているようなもんです。

これ、一回買い切りの課金を使ってる時はなんも言われないんだけど、自動継続課金だと、詳しい金額、自動継続課金のルール、解約方法、プライバシーポリシーへのリンクまで、全部をAppStoreの説明文に載せないとリジェクトされるんです。

詳しくは実物読むのが一番てっとり早いと思うので、VoicepaperのAppStoreの説明文からコピペしてみます。

この説明文の中に、以下の内容がないとリジェクトされます。

*有料版の概要
*有料版の価格
*復元について
*解約方法について
*自動継続課金について
*注意点
*プライバシーポリシーのリンク

こんな感じ。

■■■ 有料版について ■■■
無料版では3分ごとに広告が表示されます。音声読み上げは耳が慣れるまで抵抗があるので、まずは無料版で使ってもらい、気に入れば有料版を検討してください。

●有料版:Voicepaper Plus
月間払い 600円 / 月
年間払い 1,200円 / 年
有料版に加入すると5分ごとに表示される広告がなくなり、連続再生が可能になります。現在、新規リリースキャンペーンとして年間購入をセール中です。

●機種変更時の復元
機種変更時には、以前購入した有料版を無料で復元できます。(設定=>有料版から)購入時と同じAppleIDでiPhone・iPad端末のiTunesにログインしていてください。

●確認と解約
AppStoreアプリの最下部にある「おすすめ」を選択—> Apple IDを選択—>「Apple IDを表示」を選択—> 購読の中にある「管理」からVoicepaperを選択。この画面から次回の自動更新タイミングの確認や、自動更新の解除/設定ができます。

●自動継続課金について
期間終了日の24時間以上前に自動更新の解除をされない場合、契約期間が自動更新されます。自動更新の課金は、契約期間の終了後24時間以内に行われます。

●注意点
・アプリ内で課金された方は上記以外の方法での解約できません
・当月分のキャンセルについては受け付けておりません。
・iTunesアカウントを経由して課金されます。

●利用規約
https://texttospeech.helpshift.com/a/voicepaper2/?l=ja&s=general&f=privacy-policy-and-term-of-use

これ、実は、有料版の内容と価格、プライバシーポリシーのリンク以外はほぼどんなアプリでも同じなんですよね。だから、アップルも、こういうふうに書けっていうコピペ文をレビューワーがくれる。だから、僕もそれをそのまま使ってるだけ。初めての人はこの文章を参考にしてみてください。

3.アプリ内で、課金購入前の画面で自動継続についての説明を載せる

これもマニュアルに書いていない、もう一つのリジェクトハマりポイントです。

ようは、ユーザが自動継続課金を購入する前のアプリ内のUI画面に、上記で書いたような自動継続課金に関する説明事項を全部表示させないとダメと言われるんです。

「ええー、そんなこと聞いてないし、どこにも書いてないヨ!!」って最初は思うはず。なので、初めての人がリジェクトされて行ったりきたりして時間無駄にしないようにここに書いておきます。

これまた、そんなこと書かれてもよくわかんねえよって言われると思うので、VoicepaperのiPad版で、有料版購入画面をスクショとってみました。

2.で書いた項目をここでも表示させてるのがわかると思う。とりあえずこの情報が購入前のユーザが読めるように作らないとリジェクトされます。

さて、この3つがマニュアルに書いてないけどリジェクトされちゃうハマりポイントなので、ここさえ押さえておけば大丈夫なんではないだろうか。

補足

これ、最近、個人的にハマったことなんだけど、自動継続課金も審査通って、アプリ自体の審査も通ったのに、実際のアプリをリリース前に、プロモコードでテストしてみたら、なぜかinvalid IDになって課金が反映されてなかった。(アプリ審査通ったあとに、アプリをリリースせずにプロモコードを自分用に発行して、SandBoxではない本番環境のアプリをテストする。)

これ、すごい悩んで困ったんだけど、どうもiTunesのサーバ上で、アプリがリリースされた状態じゃないと自動継続課金のproductIDが反映されないということがあるらしい。それはだいたい24時間かかった。

となると、アプリを初めてリリースしたあと、AppStoreでダウンロード可能になるのは3時間後ぐらい、そこから20時間ぐらいはユーザが課金できないし価格も見れないというタイムラグが発生してしまう由々しき自体が発生してしまう。

解決策としては、モルジブとかよくわからない国だけ許可して、アプリをリリース状態にしてやり、24時間ぐらい待ったら自動継続課金のIDが反映されるようになったので、そのあと、全世界にリリースという処理をしました。今だけAppStoreのサーバがおかしいのかもしれないけど、こういう事態に遭遇したら参考にしてください。

関連リンク

Offering Subscriptions
(公式ページから継続課金の概要。日本語ないのかな?)

*リジェクトされまくったiOSの自動継続課金が規約変更でついに利用でき、使いやすくもなったので、Androidの定期購入と比較してみる
(iOSの自動継続課金の価格を後から変更しやすいこと、どういうふうに動くかなども書いてるので、まずはこっち先に読んだほうがよいと思う。)


*家計簿読み上げのアプリ作ってます。自己紹介と過去ログはこちら


ヨッピーの「明日クビになっても大丈夫!」がフリーランスの生存戦略指南として秀逸

面白い記事ばっかり書いてくれるよっぴーさんの本がかなり面白い。これ、フリーランスとか個人で仕事していこうと思ってる人、もしくはすでにやっている人たちはいろいろヒントが詰まってると思う。

僕は個人アプリ開発者としてアプリを企画して、開発して、ストアで売って生活しとるわけなんだけど、いろいろ共感できるところがありすぎるし、ライターとしてそうやって戦略考えているのかーとか職業が違うからタメになるところがたくさんあってヤバいです。

個人的に、そうそうって思ったところとか、ほほーなるほどなーとか思ったところを書いてみる。

フリーランスになると風邪を引かなくなる

これは本当にそう。風邪をひくのはたいてい睡眠不足が原因で、フリーになると基本的に好きな時に好きなだけ寝れる生活になるから一年で風邪をひく確率がめっちゃ下がる。

もちろん無理して睡眠不足になるということもあるにはあるだろうけど、自分の時間をコントロールできるっていうのはでかい。やっぱ約束とか自分で決められない時間の幅が全然違う職業だと無理して起きる割合が全然違うし。

まあ、そのぶん自己管理の必要性がめっちゃ出るんだけど。下手すりゃ毎日寝ちゃって一瞬で昼夜逆転、夜行性になります。今の僕ですね。

フリーランスは下手すると孤独死する

僕はここが一番フリーランスに向いているかどうかポイントだと思う。とにかくフリーランスというのは個人で仕事をするわけだから同僚と毎日顔を合わすという習慣がなくなる。

いろんな仲間と仕事をするよっぴーさんでさえ、こういう辛さがたまにあるみたいなことを書いているぐらいだから、元来寂しがり屋の人には致命傷です。そして、世の中にはこの耐性がありそうでない人もあるので注意が必要である。

俺は人嫌いだから個人で仕事できるなんて全然いけるぜ!と思ってても、フリーで仕事するようになったら、もう忙しい会社員時代だったら速攻で断ってた飲み会とかもホイホイ積極的に参加したり、スクリーニングしなさすぎて、いってみたらネットワークビジネスの会合だったとかなるかもしれない。

しかし、これからはフリーランス的な働き方がガンガン増えていくだろうから、そういう人向けのコミュニティやサービスも増えて改善されていくとは思うが、自己管理と孤独死リスクは性格に起因するので向き不向きに直結します。

フリーランスは会社員の三倍稼がないとダメは嘘

これが世間の常識と実態が違うところだなーといつも思ってるところ。アプリ開発者でもiPhoneとかMac買ったら経費にできるし、自宅で作業してたら何割かを経費にできる。

つまり、サラリーマンより経費にできる部分が多い場。よっぴー本だと、フリーライターだと企画で旅行とか行ったら取材費になるから、いろんな楽しい現場の仕事で使ったお金がたくさん経費になるらしい。そういう意味ではフリーライターのほうがエンジニアより全然経費の幅広いな。

つまり、実際の年収が同じでも、いろいろ経費にして、自分で確定申告するから実質所得というか生活のゆとりがだいぶ違ってくる。もちろん、健康保険とか自分で払うわけだけど、それは給料もらってる時も自動で天引きされているわけで。

ポイントは会社員時代より収入が不安定になるってところなんだけど、僕の周りでフリーで食えてる人は引く手数多というか、困ったらいつでも就職できるしっていうスタンスの人が多くて、結局そこはスキルがあるかどうかに一番起因するので本質的な部分ではないかなあと。人によって差がありすぎるというか。

確定申告は確かに最初戸惑うけど、実は全然難しくないやり方があるので、これを参考にしてください。

確定申告を楽にする合理的な方法のまとめ

タイアップ記事とかのギャラの話が面白い

よっぴーさんは読者が読みたいのはお金の話だってわかってるから、このへんちゃんと書いててポイントがすげえ高い。僕もこの本に期待していたのはこのへんの詳細だ!

なんかタイアップ記事はもうアドセンス貼るより何百倍、何千倍と儲かるらしくて、その理屈もティッシュ配りにコストかけるならネットで読んでもらったほうがパフォーマンスいいからっていう例えがわかりやすかった。

そして、広告記事で儲かったぶん、そのお金を面白い記事を作るでっかい予算に回していって、広告記事だけど読者が楽しめる力の入った記事を作るというよい循環を作るのだと書いているところが「なるほど!!!」と一番うなったところ。

ここはアマゾンのジェフベゾスに似てる。なんか、僕ってどうしてもケチくさい根性というか、お金を再投資するっていうのに躊躇しちゃうタイプなんで、ここが個人的に見習わないといけないなーと思っているところです。読んでて自分の弱点があらわになりました。

仕事を企画、プロデュースまで広げていく

よっぴーさんはライターなんだけど、企画もできるし、業者の手配までやって、実際はプロデューサー的なことまでやる。こうやって、自分のやりたいこと、仕事の規模をでかくしていった過程で自分の付加価値が高まり、そのおかげでギャラもどんどん上がっていったらしい。

こういう、自分の好きなことで、やれる範囲を広げていって結果的に他の人と差別化する範囲を広げていくという戦略は個人事業主にとってめちゃくちゃ重要な部分だと思う。

というか、これからフリーランス的な働き方がますます増えるなかで、こういう戦略があるかないかで全然違う。

そういえば、成功しているフリーのiOSエンジニアである@shu223さんも、クライアントにiOSでの開発のノウハウというか、開発だけじゃなくてコンサル的な話もすることあるって言ってたから、エンジニアも自分の強みをどんどん提供していくと、「ああ、あの人はプログラミングだけじゃなくて、こういうところもいいんだよなあ」って思われて付加価値がつくんだと思う。

僕も、今年はTaxnoteのAndroid版をフリーのエンジニアの人に手伝ってもらったんだけど、「こういうやり方のほうがいいですよ」とか、「こうするのはどうですか」とか提案してくれる人って本当に助かるんですよね。

よっぴーはめちゃ優秀だからこれができるんだ!について

この本を読むまでもなく、よっぴーさんがアホのふりしてめちゃくちゃ頭よくて、戦略的に動いていて、普通の人が真似しようとしてもこういうライターにはなれないという意見があると思う。

これはほんとその通りなんだけど、重要なのは、真似しようとしてはいけないところであって、よっぴー的なポジションは今までなかったからこそ第一人者的なポジションになれたんだと思う。そういうことも本の中では書いてる。

つまり、真似しようとしてはダメで、誰しも自分にしかできない、そこまで言わなくても自分に向いてそうなニッチを見つけて、なおかつそこで稼げるポジションを探し続けるという戦略が一番大事なことなんだと思う。

この、自分に向いているニッチを見つける、それを確率する作業をコツコツ戦略的に続けていく、結果的にそれが積もって他の人に真似できないポジションにいつの間にかなっていくというのが、情報発信や実績が蓄積しやすいWebと相性がよい。

そういえば、最近、落合陽一先生の本が結構面白くて3冊ぐらい読んだんだけど、似たようなこと書いてて、そうだよなあと思った。魔法の世紀って本が一番面白いけど、生存戦略の話はこの本にそういうこと書いてる。


*家計簿読み上げのアプリ作ってます。自己紹介と過去ログはこちら


退屈な時間を楽しくする音声読み上げ。Pocket、Dropbox、Evernote対応の自動音声アプリVoicepaper2 for iPhone・iPadをリリース

こんにちは。三年ぶりにVoicepaper2という新作アプリをリリースしました。

Voicepaper 2 for iPhone・iPadをダウンロード。

これは以前作ったLisgoとVoicepaperを合体させた読み上げアプリなんだけど、まず動画でアプリを紹介したあと、なんで作ったか、作ったアプリのよさを伝えるのが難しいと思ったことをそのあと書いてみます。

音声読み上げの品質はこんな感じ

まず、一番気になるのは音声読み上げの品質はどんなもんなの?ってところじゃないでしょうか?

これ、一番最初に聞いた時は、「ああ、この品質だとちょっと耐えられないわ。。」っていう印象を受けるんです。僕もそうでした。ここが読み上げアプリの一番最初の壁なんですが、30分ぐらい聞いてると、方言聞いてるみたいにびっくりするほど慣れてくるんですよね。

最初は抵抗があったあの歌手の歌い方だけど、慣れると気にならなくなったみたいな。

そうはいっても、高品質なほうがよいので、アプリ使う時は、まず、iOSの設定で高品質版をダウンロードしてください。

指定位置再生・文字のハイライト

Voicepaperでは、とにかくごちゃごちゃしたボタンを少なく、シンプルに、なおかつ大切な要素は簡単に操作できるということを徹底しております。

まず、読み上げ中の文章はハイライトし、画面は自動スクロールします。そして、文章を途中から読み上げて欲しい時は、文字をダブルタップするだけでOK。

30分後に終了したり、現在のテキストが終わると終了したり、試験対策で繰り返し聞きたい人向けにリピートしたりと、タイマー機能もついてます。

ロック画面で連続再生・並び替え

もう一つ重要なのが音楽アプリのようにロック画面で自由に操作できることなんです。これが、Pocketアプリの読み上げ機能や、他の音声読み上げアプリのほとんどで僕が満足できない部分なんです。

Voicepaperではロック画面でもリモートで進んだり、戻ったりでき、リスト画面でタイトルを長押しすると簡単に並び替えができます。そして、これらの動作を読み上げ再生中にも行えるというのがポイントです。

あとで読むサービスPocketからWeb記事を取り込む

Pocketとは、WebブラウザやTwitterなどで読みたい記事をワンタッチで保存できるサービスです。VoicepaperではPocketに保存したページを簡単に取り込み、「あとで聞く」ことが可能になります。

僕は、はてぶ、SmartNews、Twitter、Webブラウザなどで気になった記事をポンポンとPocketに保存してます。

あとで読むアプリ「Pocket」が便利!使い方と2タップで保存する方法

Evernoteのノートを取り込む

Evernoteに保存したノートやクリップも取り込めます。最近はPocketとEvernoteのWebクリッパーを併用してます。EvernoteのWebクリッパーはどんなページも読み込めるし、印刷ボタンがあるページだと全体をまとめてクリップできたりします。

もちろん、自分で書いた文章の公正に読み上げでチェックしたり、試験前に暗記するために耳で何回も聴いたりするのにEvernoteとVoicepaperの連携はよく使われています。

Evernote Webクリッパーとは?

Dropboxに保存したテキストを取り込む

Dropboxに保存したテキストファイルを取り込むことも可能です。pdfや電子書籍ファイルは読み込めないのでご注意ください。

僕は本をスキャンしてtext化したファイルをDropboxに保存して、Voicepaperに取り込んで耳で聴いたりしてます。

コピペしたテキストを貼り付ける

Voicepaperでは、クリップボードにコピペしたテキストを貼り付けて読み上げることもできます。たぶん、一番簡単なテキストの取り込み方法はこれだと思います。

ちなみに、Macをお使いの方は、ユニバーサルクリップボードという機能がありまして、なんとMac側でコピペしたテキストをiPhoneやiPad側で貼り付けることができるんです。

これが、Voicepaperを使っている人にはめちゃくちゃ相性よくて、Mac側でがががーっと文章をコピペして、iPhoneを開いてVoicepaperで貼り付けたらサクッとMac側でコピーしたテキストをiPhoneで読み上げることができるんですね。

ユニバーサルクリップボードが超便利!MacでコピーしてiPhoneでペースト!macOS Sierraの使える新機能

25ヶ国語に対応・音声言語は自動切り替え

Voicepaper2では以前のアプリと違って、25ヶ国語以上の言語に対応しており、言語ごと音声を購入する必要もありません。ヒンディー語やトルコ語でも使えます。英語はイギリス英語、アメリカ英語、オーストラリア英語、男性、女性とかいろいろ使えます。

特に便利なのは、テキストを読み込んだ時点で音声を自動で切り替えるので、英語と日本語のテキストを併用して聴いている人はストレスフリーです。

そして、言語ごとに音声スピードを設定できるので、日本語の文章で速い音声を設定しておき、英語の時はゆっくりめで聞きたいということもいちいち調整する必要がありません。

そして、以前のLisgoやVoicepaperではできなかった、読み上げの発音も設定から自由に編集することができます。これで、「炭水化物」を「たんすいばけもの」と読まれる悪夢からも解放されました。

Voicepaper2の有料版について

Voicepaper 2は無料で使ってもらい、気に入ってもらった方にアップグレードしてもらう形式をとってます。とりあえず、無料版では3分ごとに広告が出現してストップするというやり方を試してるんですが、今後どうなるかはわからない。

僕のアプリの有料版の価格戦略は、リリース直後は安くして、人気がでてきたら段々と値上げしていくという形を毎回取っている。これだと、機能追加のたびに有料版を付け足していくより、最初のバージョンから使ってくれたユーザに報いるという形になってバランスいいと思うのが理由。

もしユーザが増えなかったり、利益が出なかったら残念ながらアプリの開発は継続できなくなるけど、ニッチながらコアなファンがついてくれて上手いこと収益が上がってくれることを期待しております。

ちなみに、アプリの質問、要望、改善点などはアプリの設定画面にある「質問・要望を送る」ボタンからいつでも受け付けているので、いつでも歓迎です。

なんで読み上げアプリを作ったのか?

実は、僕がiPhoneアプリ開発を5年以上前に独学で勉強して始めたきっかけは、家事洗濯中やランニング中が退屈すぎるから、読みたいWeb記事を耳で聞きながら楽しく時間を過ごしたいなと思ったからなんです。

もう、自分が使いたいからモチベーションはマックスで夢中で勉強しながら作りました。

そこで作ったのがLisgoという、Pocketという「あとで読む」という保存サービスと連携して、「あとで聞く」ことができるアプリです。

そのあと、Voicepaperという、DropboxやEvernoteに保存したテキストを読み込める読み上げアプリも作りました。これは、自分でスキャンした本を、これまた運動中とか歩いている時に耳で聞きたかったからです。

当時作ってる最中は周りの友達にアイデアを話しても、「目で読んだほうが速いし」とか、「集中できないし」とか、「人間の声じゃないと嫌」とか、そういう意見が多くて自分はめちゃくちゃ欲しいのに周りは全否定という想定外の状況でした。

しかし、自分が欲しいんだから売れなくてもいいやという思いと、多分こういうものが欲しい人は全世界に一定数いるはずだという思いから気にせずせっせと作り、iOS5あたりの時にリリースしました。

すると、確かに一般受けはしないんだけど、刺さる人にはめちゃくちゃ刺さって「これ神アプリだわ!」っていってくれる人もたくさんでてきた。これは、自分が時間も頭も相当な時間を使った初めてのプロダクトとして小さな自信になりまして、この時の小さな成功体験が僕の人生でもすごく大きな出来事でした。

*Lisgoは特にいろんな人が記事書いてくれた。海外でも人気出た。
情報収集の常識を変えるアプリ!記事読み上げの「Lisgo」が凄い
LisgoでPocketの記事を聴くと情報収集が捗る!これは神iPhoneアプリ!

で、iOS7になってiPhoneアプリのUIが大幅に変更して、頑張って対応しようと思ったけどiOS7のバグのせいでどちらもアップデートするとハイライト部分が動かないという状況になってしまったんですね。

というわけで、iOS6からLisgoとVoicepaperはずっと放置だったんです。そのあとはTaxnoteとかListTimerとか作ってました。

ところが、iOS10の時代になっても未だに根強い人気があって、見た目はiOS6なのに二つともそこそこ売れ続けてました。

しかし、アップルの方針からどちらも32bit時代のアプリなんでiOS11で動かなくなるんです。

それならば、今までのノウハウを結集させ、LisgoとVoicepaperの機能を合体させたアプリ、つまり、テキストのコピペ、Pocket、Dropbox、Evernoteすべてに対応させたVoicepaper2というものをゼロベースから作ってみるかと思い立ち、数ヶ月前から集中して開発していて、やっとリリースできました。

ちなみに、僕は基本的に今まで自分が欲しいものばっかり作ってきました。

運動中に音楽聴くのに飽きたからLisgoやVoicepaperを作り、アプリが売れたので確定申告する必要ができ、弥生会計で帳簿をつけるのが面倒すぎてTaxnoteを作り、ついでに食費とかをシンプルに把握するためにZenyを作り、iOSの標準タイマーのセットが時間かかるのでListTimerを作ってきました。

そういう意味で、Voicepaper2は自分が毎日使い倒すアプリなのでモチベーションもマックスを超えていて、自分にとってはなくてはならないアプリなんだけど、自分の作ったプロダクトの良さをゼロから他人に説明するのって意外と難しいんです。

これ、特に作ってる自分は無数に利点が頭の中にあるから、逆にまったく初めての他人に1から説明しようとすると、あれもできる、これもできる説明するという袋小路に陥ってしまったり、そもそも相手に刺さらない部分をアピールする結果になってしまったりするのがよくある。

これ、自分でプロダクト作ってまったく初めての人に説明しようとした人ならよくわかってくれるんじゃないだろうか。あるあるだと思う。

Voicepaperの場合だと、「運動中に耳でながら聞きできるんだよ!」とか言っても「いや、音楽聴くし。。」とか、「読む時間がない時に、移動中に耳で聞けるから時間を効率的に使えるよ!」と言っても、「いや、そもそも活字って耳で読まないと頭に入らないし。。」とか、もっともな答えが返ってくるんですよね。

で、僕自身もよくよくなんで便利読み上げアプリが欲しかったかというと、別にながら聞きがしたいとか、効率的な情報収集したいとか、そういう理由が一番最初にきたんじゃなかったわということに気づいたんです。今でも集中して読みたい時は目で、紙の本の手触りを感じながら読みたいし。

そこで、なんで欲しかったんだっけとじっくり考えなおしてみた。

退屈で面倒な時間を楽しい時間に変えること

すると、日々どうしても遭遇する自分の中で退屈で面倒な時間、つまらない時間を楽しい時間に変える、有意義な時間に変える。長い時間を感じていたことが、辛くなくなってあっという間にすぎる時間になる。そういったことが大事だったんだと気付きました。

例えば、僕の場合は毎日の食器洗い、家事洗濯の時間です。この時はずっとiPhoneで音楽を聴いてたんだけど、音楽って毎日気に入った新曲を聞けるわけでもないので毎日ずっと聴いてたらどうしても飽きてくるんですよね。

なので、Podcastとか聴くほうがまだもつんだけど、こんな時に自分が読みたいブログとか文章とかを聞けたらもっと楽しいだろうなあと想像したのが最初だった。

で、アプリを作ってみたら本当にその通りで、毎日退屈だった掃除機かけとか、食器洗いの時間のストレスが大幅に減って、あまり苦にならない有意義な時間になっちゃったんです。

これは、毎日のランニングでも同じだった。ランニング中のモチベーションを維持したり少しでも退屈しないようにいろいろ音楽を選んだり、Podcastを聴いたりするんだけど、やっぱりネタ切れになってきて、そういう時は退屈すぎて辛いんですよ。

ランニングって頭を空っぽにしたほうがよいとか、そういう時もあるけど、やっぱり毎日のルーチーンで退屈しちゃうと続かなくなっちゃうんですよね。

そういう時も、毎日読みたい文章があると、さあこれをアプリに入れて今日はこれ聞きながら走ってくるかとなって、全然退屈やストレスを感じなくなった。

Shu Uesugiさんに教えてもらったんだけど、Hookedという本の著者もLisgoのユーザで、自分のやりたくないことを習慣にするために、自分のやりたいことと組み合わせるというテクニックを使うために、Pocketに保存した記事を聞きながらエクササイズしているらしい。

“If you can take something you don’t like doing and…pair it with something you do like doing, you’re more likely do the thing you don’t like doing,”

“あなたがやりたくないことを続けたければ、あなたがやりたいことと一緒にやるといい。すると、やりたくないことを続けやすくなる。”

*Nir Eyal | Hooked on Technology (Episode 431)より

もちろん、Voicepaperを作ったら、老眼や目が見えない人たちから感謝されたり、語学学習に使っている人、試験勉強に使っている人、子供を寝かせている時に耳でなにか聞きたい人、パソコン作業中にWikipediaの歴史資料を流し続ける人など、いろんな人に感謝されたんだけど、自分にとってのよさを説明するとこんな感じになります。

Voicepaper 2 for iPhone・iPadをダウンロード。


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怠惰の法則とシンプルにしすぎる罠について

先日、UIデザインで有名な深津さんがゲスト出演しているPodcastを聞いた。ここで「怠惰の法則」というなかなかキャッチーで、なにそれと気になっちゃうテーマについて話してたんだけど、これがシンプルながらも強力な考え方でとても面白かった。

サービス設計とかに興味ある人はぜひオススメ。

怠惰の法則とはなんぞやというと、「ユーザは基本的に怠惰であるから、いくつかの新しいサービスが出てきた時、どれだけ使うのに面倒くささがないかが普及の決めてになる。」という考え方でした。

この考えかたを元にすると、VRとかはまだまだヘッドセット用意して、カメラ設置して、高スペックのPC用意して面倒なので、メインストリームになるにはもっとお手軽さが向上しないと厳しいだろうという話をしてた。

このPodcastで話されている内容は、世の中が進むにつれてメインストリームから離れ、必要でなくなったことも、それはそれで文化や趣味として残るという話までしていて、深みがあって面白い。(例えば、移動手段としてメインだった馬は、車が普及しても乗馬という趣味として残ったり)

さて、ここでほうそうかあ、面白いなあとして終わらせるのはもったいないので、アプリ制作という具体的な内容に落とし込んだ時、どうこの教訓を活かせるかというのを考えてみた。

こういう話って、「なるほどなあ。。」と頷いて参考になったあと、じゃあ自分の立場でどう生かせるかって考えると、すぐには具体的なアクションが思いつかないもんです。でも、結果的になにか実行に移せるまで考えることに価値があると思うので。

というわけで、僕もアプリ作る時は、いかにユーザの潜在的な脳みそへの負担を減らすかを常に考えている。こういうとカッコいいけど、単純にユーザの選択肢を増やしすぎないようにしたり、ボタン数や機能を多くしすぎないようにしたり、iOSやAndroid固有の一般的なUIばっかり使うとかそういうことです。

ここからさらに、怠惰なユーザがとにかく面倒でなくなるように突き詰めると、実はいろいろやれることはたくさんある。僕のアプリ、Taxnoteも今後優先しようと思っているのは機能追加よりもヘルプ機能の充実とか、いかにアプリの理解を楽チンにするかに重きをおこうと思ってる。

ヘルプを死ぬほど見やすくする

まず、設定画面にヘルプボタンを置いて、そこにすべてのヘルプ事項を書いていってもユーザは基本的にそこまでたどり着かない。なぜなら、なんかハマった時に設定画面に飛んで、ヘルプを開いて、そこで調べようって思うユーザはほとんどいないからです。

自分がユーザだった場合を考えると簡単で、「あれ、これどうやるんだろ?」って思ったあと、わざわざヘルプを探してそこで自分の解決策を探して見つからなかった時のリスクを考えると、面倒だからいいやってなってそこで諦めてしまうからです。

となると、あまり手間もかからずに効果的だなと思ってやっているのが、いろいろなアプリ内のアクションの中に関連するヘルプを埋め込むというやり方。

例えば、何かのエラーダイアログを出す時に、そのエラーに関連するヘルプへのリンクを埋め込んでおく。そこで、関連する便利な使い方のヒントもついでに書き込めるし、ユーザにアプリ操作を教える大チャンスを見逃す手はない。

以下は現在開発中の読み上げアプリVoicepaper2のUI。写真の左の例だと、テキストをコピーする時、貼り付けできるテキストがない時に表示するダイアログに、追加情報や便利な使い方のヒントを盛り込む予定。こういうのって、設定画面のヘルプに書いていても誰もそこまで飛んで読んだりしないので。

写真右の例だと、Dropboxとかからテキストを取り込むアクションシートの中にヘルプを埋め込む。ここで、「これなに?どうやって使うの?DropboxとかPocketってなんだよ。」というユーザがすぐにヘルプ飛んで理解しやすいようにする予定。

*Voicepaperはテキストを取り込んで耳で聴ける読み上げアプリ

めんどくさくないサービスってこういう細かい楽チンさが決定的だなあと思ったんだけど、これを愚直にやってると感じるのがメルカリです。

メルカリで商品購入されて、そこから発送する時のワークフローは今までのオークションサービスに比べてはるかに使いやすい。以前のヤフオクなら、入金先教えて、住所聞いて、発送しましたとか連絡してとか、もうとにかく怠惰な人には我慢できないほど面倒だったんだけど、そういうのがほぼ全自動でできている。

さらに、ヤマト運輸の集荷まで数タップで終わっちゃう。

この楽チンさに慣れてしまうと、他のサービスで出品するのが面倒になってきて、手数料が多少高くてもいいかとなる。

Airbnbも3タップで予約が完了するというのに徹底的にこだわって設計したと本に書いてあったし、「もっと手間を省けないか。自動化できる部分はもっとないか。」というのを何度も考えると結果的に使いやすいサービスが出来上がるんだと思います。

で、その努力っていうのはわかりやすい料金とか見た目とかではなく、本当に細かすぎて伝わらないレベルの積み重ねなんだけど、その積み重ねこそが「使ってみたらこれが一番使いやすい」っていうのに繋がるんだろうなと。

シンプルさにしすぎる罠

こう考えると、ヘルプなんか読まなくても直感的に使えるのが一番だ!という話にもなるんですが、これは理想と現実というものがありまして、あまりシンプルにしすぎるのもダメという話があります。

これは、ゼロベースの石橋さんがよく言ってることなんだけど、「ユーザは誰も初心者のままではいたくない」という話が根っこにある。

つまり、最終的にユーザは赤ちゃんでも使える単純なアプリをずっと使い続けたいわけではなくて、少なくとも中級者レベルまでは使いこなせるようになりたいわけです。

となると、便利だけど、この機能は絶対に一定のユーザにはヘルプが必要だから却下というのばかりを繰り返していると、あまりにも単純で、この機能があれば便利なのにという機能もなく、物足りなすぎるアプリが出来上がってしまう。

なので、ヘルプが必要すぎるのもダメだけど、ヘルプがまったくいらないアプリを作るというのも本末転倒になってしまう。このへんのさじ加減がすごく難しくて、ジャンルによるので簡単な正解はないし、作りながら自分で考えるしかないんです。

そうなると、やっぱりヘルプはある程度必要になってくる。そして、ヘルプを埋め込むタイミングを工夫するのに加えて最近考えているのが、ひたすら動画も用意するといいなということ。

とにかく、細切れにそれぞれのヘルプや操作方法を説明した動画をYoutubeで用意しておき、それぞれのヘルプページに貼り付けておく。動画は長くしすぎず、短くサクッと確認できるように。テキストで読んでもいいし、動画で確認してもよいと。

もちろん、開発者に直接メッセージで質問できるボタンもわかりやすいところにいろいろ設置して、テキスト、動画、メッセージ質問という3つの選択肢を用意しておけば、怠惰な人でもちょっとずつ学習していってもらえるんではないだろうか。

よいものを作っても誰も使ってくれないと意味がないからマーケティングが重要とはいいますが、まずは、使い方の80%ぐらいはわかってもらえるようにいろいろ努力を積み重ねる必要があるなと思った。

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アプリのランディングページ作成サービスをいろいろ試した結果、機能が少なくシンプルなAppsitesを使ってみた

こんにちは。最近、僕のメインで開発しているアプリ、TaxnoteZenyListTimerのAndroid版がリリースされました。

自分がさも開発したかのように語っておりますが、実際は途中から強力助っ人な方に手伝ってもらい、途中からプログラミングはほぼ全部お任せしちゃいました。

さて、これに伴い、それぞれのアプリのランディングページを作る必要性が高まってしまいました。というのも、今までアプリを紹介する時のリンクはAppStoreだけ貼り付けときゃよかったわけです。

しかし、今後は、iOSもAndroidも対応してるよということを世の中に普及しないといけない。となると、一つのランディングページを作り、その中にAppStoreとPlaystoreのダウンロードリンクを表示する必要がある。

これで、「あ、このアプリはiPhoneでもAndroidでも使えるんだ!」と世の中の人にわかってもらえると思う。

と思って、気合いいれてランディングページを作ろうとしたんだけど、やり始めたら本当に面倒くさい。

「動画とかもいい感じで載せたいな」とか、「スクショも綺麗に載せたいな」とか、「ソーシャルボタンもいい感じに付けたいな」とか、「英語ユーザと日本語ユーザで別サイト表示したいな」とか。

いろいろと頭の中で理想とするイメージはあるんだけど、そのどれもやろうと思うと、結局は既存の「このサービス使うとお手軽にランディングページ作れるよ!」っていうサービスでは実現できないことが発覚。

しゃあないからThemeForestとかで気に入ったテンプレを購入して、カスタマイズしようとしたんだが、これがめちゃくちゃ面倒。やり方はわかるからできるんだけど、面倒すぎて途中でやりたくなくなった。

というわけで、全部実現するのはサクッと諦めて、ある程度のシンプルなサイトを作れればいいや!という方針に途中で切り替えました。

そこで、僕がかねてより愛用していたけどGoogleに買収されちゃってもうすぐ閉鎖するScreenshotsBuilderのサイトで紹介されていたAppsites.comを使うことにした。

その他にもいろいろあるので試してたんだけど、このサイトが一番ダントツで使いやすかった。というのも、極端にやれることが少ない!結果的に、操作がわかりやすくて、圧倒的に使いやすかった。

久々に機能が少ないこととシンプルであるということの大きなメリットを実感しました。他のサイトだともっといろいろできるんだけど、操作覚えるのがすごい面倒そうなんですよね。途中で挫折しちゃうというか、そこまでやる気がないというか。

というわけで、僕のようにめちゃくちゃシンプルに、そこそこのサイトをサクッと作りたいという人にはおすすめです。月9ドルでひとつのサイト、月19ドルで無制限にサイト作れます。

ちなみに、昔の僕だったら「なんでランディングページに月額課金しないといけないんだ!もったいない。一回作ったら自分でアップして放置しとけばいいだけなのに。。」って思ってたんですよね。

でも、一回この簡単に作れるサービスを体験してみたら、「ああ、まあすごく簡単に作れるからお金払っていいか。」っていう気持ちに変わりました。これも、人間は実際に体験してみると気持ちがコロッと変わるというのを久々に実感しましたね。勉強になります。

そんなこんなで作ったTaxnoteのページがこれ。「確定申告を楽チンに」をキャッチにした。

家計簿のZenyはこれです。自分のオカンも続いてるから、「おかんも使えるアプリ」と書いときました。

一番DLされてるListTimerはこれ。爆速セットが売りなんだけど、ここまで人気出るとは意外だった。

しかし、これが圧倒的に使いやすかったから毎月お金払っているんだけど、このappsites.comというサービス、サポートにメール送ってもまったく音沙汰がない。なんか細かいバグらしきものもあるし、大丈夫なんだろうか。

このサービスは、今後もサービスを改良してくれるんだろうか?って心配しちゃうぐらい、なんか作った後に今は放置してます感があります。そんなわけで、あまり声高にオススメできないサービスなんですが、一応僕みたいな境遇の人の参考になれば幸いです。


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