こんにちは、皆さんは戸田和幸というサッカー選手をご存知でしょうか?中田とかと一緒にW杯で戦った元日本代表の選手で、ポジションは守備的ミッドフィルダーでした。
W杯では赤い髪とかモヒカンとかで目立ってたんですが、僕の印象としては審判に見えないところでファールで相手選手を止めてた人という印象が強い。なんか、汚いファールをこっそりやってチームに貢献するという、マリーシアを駆使するアルゼンチンの選手みたいだなというのが僕の記憶にあります。
しかしですよ、この戸田さんが、ちょっと前からサッカー解説者として評判になっておりまして、僕もYoutubeとかテレビとかで聞いてみると、めちゃくちゃ論理的でわかりやすく、素晴らしいんですよ。現役時代の印象とのギャップでびっくりしている人も多いと思う。
さらに、赤いモヒカンとダーティーな守備で僕の中では勝手に北斗の拳に出てくる敵キャラみたいなイメージだったんだけど、現在の戸田さんはスーツでビシッと決めて、髪型もシュッとしててめちゃくちゃ渋い、かっこいい、惚れちゃう。
そんな戸田さんのわかりやすく、論理的で密度の濃い解説にハマってしまった僕は、Youtubeで戸田、解説とか検索して、戸田解説であればとりあえず見るという追っかけみたいになってしまっていたんだけど、いいタイミングで初の著書が出た。それも解説者の流儀という硬派なタイトルです。
さて、この本、別に難しいサッカーのフォーメーションを説明しているような本ではないので、実はサッカーファンじゃなくても楽しめる、なんというかプロフェッショナルの流儀的な内容の本となっています。
解説者として、どういう心構えでやっているか、どういう準備をしているか、視聴者にわかりやすいように、いかにサッカーの奥深さを言語化しようと努力しているか、ということを書いてる。かなり面白い。
この本で何度も強調されているけれど、「いかにサッカーの奥深さ、魅力をわかりやすく言語化するか」、この言語化するという部分にものすごくこだわりを持っているというのが読んでいるとひしひしと伝わる。
文章で熱い想いを読んでると、さらに戸田ブランドが高まってしまう
さて、もともとの解説のクオリティが高いのは大前提なんだけど、この言語化するというパワーって思った以上に強いんだなとこの本を読んでいると肌感覚でわかってくる。この本読むと、もう戸田解説がもっと聞きたい、なんなら戸田解説の有料チャンネル開設してくれたらぜひ加入したいぐらいファンになってしまいます。
多分、他の解説者もいい人はいっぱいいるんで、冷静に比べてみると、自分が楽しめる解説者ランクではそこまで断トツトップにはならないのかもしれないけど、この文章を読んでしまうとブランドパワーが上がって、どうしても断トツトップになってしまう。
言葉の魔力とは恐ろしいもんでして、最近読んだ、マツダの魂動デザイン考えた人の本、「デザインが日本を変える」という本でも、言語化のパワーを嫌という程語ってた。
開発者としてなんか言語化パワーを使えないか
さて、これを読んで、そうだなと思っただけでは意味がないので、僕もアプリを作ってストアに出している人間として、どうやってヒントにできるかなと考えてみました。アプリも、どういう思い出作ったとか、そういう細かい部分をひたすら言語化していくというのはコツコツとやるべきなのかもしれない。
というか、アップデートのたびに僕はアップデート欄で、今回のアップデートの意図とか思いとかを結構細かく書いているんだが、これは結構好評でして、レビュー欄で褒めてもらえたりする。
でも、これ、最初は言語化してブランドパワー上げるぜっていう意図よりかは、アップデートの説明文って誰も読んでくれないから、少しでも読んでくれるようにブログのように書いてみようかなと思ったのがきっかけだったんですよね。
しかし、今思い返すと、これはアプリ自体への愛着度はもちろんのこと、僕の作るアプリ全体に対する愛着度も上がっちゃうという副次的効果がありそうだ。App Storeだけで埋もれるのはもったいないから、ちゃんとそれ専用のブログ作ろうかな。
もちろん、そのためには、マツダのように、ブランド価値を毀損させないように、全てのアプリで一貫した価値観やら、哲学やらを統一させて、それを守り抜きつつ、何度も言葉で発信するというのが重要になってくるんだと思う。
これも車関連なんだけど、フェラーリのデザインをしたKen Okuyamaは、なんかブランドに傷がつくようなトラブルがあったら、ブランド価値を守るためなら、海外でも飛行機に乗って行って、間違った誤解を解きに速攻で行くのは当然なんだとか、ドヤ顔で語ってた。あれは結構印象に残ってるセリフ。
フリーランサーにも応用できそう
この、自分の仕事のスタンス、哲学やらを言語化して発信して行くというのは、個人で食っていこうとしている人なら誰でも応用できると思う。
自分が何かの仕事の発注者だったとしたら、その人の仕事のやり方、趣向、どういうことが好きか、どういう部分に力を入れているのか、逆にどういうところは捨ててるか、などなど、その人の仕事感がわかると凄くいい。その人のブランド力が勝手に上がる。これは別に性格がわかるだけでもよかったりする。
自分が何かものを買う消費者だったとしても、作り手の哲学やら、思いやらを読んだあとでは、その作品に対する愛着やら、欲しいと思う気持ちは圧倒的に高まる。
こういうことを意識的にやってて、高いレベルで成功してるのは、アップルのアイブが語るプロダクトの説明ムービーだったり、ほぼ日の紹介文やらインタビューだったりする。
でも、ムービー作るのって大変だから、単純にブログでひたすら語ってるだけで最初はいいと思うんですよね。ネタが増えてきたら、それを後からまとめて、整理した文章を作ってもいいし。
こういうのって、個の人となりがわかればわかるほど強いので、大きな会社になるほどそのモノを作った人が想像しにくくなる。という意味で、小さな組織、もっといえば個人でやっている人ほど有利になる部分であるから、大きな武器であるんじゃないやろか。
解説とりあえず聞きたい人はこのYoutubeチャンネルがオススメ。
https://www.youtube.com/channel/UC7N1aavBc7wAoTsI4eP0BiA/featured
*家計簿と読み上げのアプリ作ってます。自己紹介と過去ログはこちら。