個人事業主として独立するなら、儲かってから確定申告のことを考えるのはとてもとても損である。事業が黒字化せずにあとあと就職したとしても、経費を合算できずにとても損する可能性があるので、そう言うことを書いてみる。
儲かってから確定申告のことを考える?
僕が個人事業主として確定申告のことを勉強する前は、
「確定申告のことは面倒だから儲かってから考えよう。そもそも赤字のまま独立失敗して就職するかもしれないし。」
と思ってました。多分、独立が初めての人、ほとんどは同じように考えているんじゃないだろうか。
なぜかというと、フリーランスやら起業やらでも、最初から株式会社としてやるぜっていう本気モードの人以外は、ちょっとやってみて、うまく行かなかったらまた就職しよかって考えの人が多いからだと思う。
そして、赤字の時は税金も発生しないから申告の義務はない。
「じゃあ、どうせ税金発生するかどうかわからない、そもそも黒字になる可能性の方が低いと思ってるから、確定申告のことなんて儲かってから考えた方が合理的じゃないか。そもそも面倒でストレス溜まりそうだから、仕事にまずは集中したいんだよ。」
と思うのはもっともなことだと思う。実際僕も、こういう考え方だったし。
ただ、こう考えて、仕事に必要だった経費を記録してなかったら、あとあと凄くもったいない。事業が最後まで赤字で就職することになった時にも凄く損する。
なぜもったいないか
まず、赤字の時から経費を記録しておかないと、数年後に事業が黒字になった時に経費を合算できないからメチャクチャもったいないです。これは誰でもわかると思う。
意外と盲点なのが、ずっと赤字で事業を諦めて就職した時にも凄くもったいないという事。
なぜかというと、就職したら会社から税金が自動的に引かれちゃうんだけど、事業をやってた時の赤字分をちゃんと申告すれば、その年の給料と事業してた時の赤字ががっちゃんこされて、税金が安くなるか0円になったりします。
となると、確定申告の時期の後、税務署から、「税金取りすぎてたから返しますね。」って通知がきて、就職した後の給料から天引きされてたお金が帰ってきます。
ざっくり簡単に説明すると、
個人事業主の1年目。 => 売り上げ3万円。経費153万円。(約150万の赤字)
個人事業主の2年目。 => 売り上げ2万円。経費152万円。(約150万の赤字)
となって、2年頑張ったけど、トータル赤字300万で生活できませんわ、もう無理。となって就職したとする。
そして、なんとか年収300万円の職に就いたとします。
年収300万円だと、ざっくり50万が税金で取られるので、手取りは250万ぐらいです。
この時、儲からなかった個人事業主時代の赤字をちゃんと申告していれば、年収300万円と以前の赤字300万円が合体されるので、税金が0円になります。つまり、その年の税金50万円が後から帰ってくるのです。
税務署から、「会社が源泉徴収していた金額をお返ししますよー」って通知がきて、後から銀行に50万円振り込まれます。これはでかい。めっちゃでかい。
確定申告を簡単にする方法
そうは言っても確定申告とか帳簿つけるのめんどいってなるとは思う。
でも、ここを超絶簡単にする方法がある。そして、赤字時代ならこの簡単な方法でデメリットゼロ。
それは、青色申告の10万控除で申告するというやり方。これなら、日々の帳簿付けも、申告時もメチャクチャ簡単。本屋に売っている申告の本に書かれているのは、65万控除の難しい方の青色申告です。
詳しくは、こちら。
確定申告を楽にする合理的な方法のまとめ
後、重要なポイントとしては、白色ではなく、青色の場合は、事業開始時、もしくは税金払う年の前年3月15日までに青色でやりますと税務署に申請しとかないといけない。
例えば、今年から事業始めました!って人なら、とりあえず「この日から事業開始です!」って言って申請しに行けばいい。
悲惨なのは、セコセコちゃんと経費の記録をつけてたのに、青色申請してなかったケース。今年は白色しかできませんねって確定申告になった時に言われる。白色だと赤字を繰越できないので、帳簿つけた意味ないやん!となり、その日の夜は枕を涙で濡らすことになる。
最後に宣伝しておくけど、こういった理由なので、Taxnoteで経費だけでも記録しとこう。事業開始前でも、事業はじめる時に開業費として経費記録できるから、事業やるか迷ってる段階でも記録しておこう。
*家計簿と読み上げのアプリ作ってます。自己紹介と過去ログはこちら。