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将棋ソフト不正使用疑惑で揺れてる今、不屈の棋士って本がオススメ

最近、トップレベルの将棋棋士が、対局中の休憩時間に将棋ソフトを使用してた疑惑という衝撃のニュースがあったけど、ちょっと前に読んだ最高に面白い本を紹介してみる。

不屈の棋士 (講談社現代新書)

この本は、今年読んだ本の中でトップ3には入る面白さだった。

というのも、世間では「AIに仕事が奪われたらどうしよう!僕の今やってる仕事は数年後も大丈夫かな!」という懸念をよく聞きますが、この本読むと、将棋棋士の人たちにとっては、それが今そこにある危機状態だというのがひしひしと感じる。

この本は、数年後に読むより、今すぐ読むのが一番面白い。

本の中では、ソフト将棋に詳しい棋士から、ソフトを練習にバンバン使ってる若手棋士、羽生さんやら、元名人の森内さんやら、インタビューを受けてるメンツも豪華ながら、それぞれ見解が違っててすごく面白い。

例えば、ソフトをバリバリ研究に使って実力を伸ばそうとしている若手棋士の見解もあれば、ソフトが考えた戦法は絶対に使いたくないと主張するベテラン棋士など、それぞれの見解も全然違う。

羽生を破って名人になった28歳の佐藤天彦名人はソフトを研究に使っているらしいから、時代の流れはコンピュータとの共存なしには強くなれないのかと最初は思ったけど、そう単純ではないのがインタビュー読み進めていくとわかる。

なぜかというと、最初はソフトを研究に使っていたけど、あまりにソフトに局面局面での答えをすぐに教えてもらうようになってしまうと、実際の対人戦の時の読みが鈍ってきてしまい、結果的に弱くなってしまったという棋士のインタビューもあったからです。

個人的にはここが一番面白かった。

さらにいうと、あくまで人間の棋士が対戦するのは人間だから、ソフトと戦う時とは戦法も違う。人間はミスするし、疲労もするし、戦局をわざとぐちゃぐちゃにしてあまり研究されてない局面に持って行くと形成が逆転する可能性も高まる。

だから、こういう対人戦でのみ有効な強さやかけひきは、対人戦でのみ鍛えられる。なんか、昔ストリートファイター2でいくらCPUと対戦しても、ある一定レベルから対人戦での強さが鍛えられなかったことを思い出しました。

かといって、ソフトを使ったほうが研究効率が高い部分も多くあるには間違いないので、本当に強くなるにはどこで使って、どこで使わないか、その見解がそれぞれの棋士で本当に全然違ってて興味深い。

将棋でこの先も食っていけるか

そして、もうひとつ面白いのが、今まさにAIの進化によって、食い扶持がなくなってしまうかもしれないという危機感がインタビューからひしひしと伝わるところ。

いくらAIがいろいろな仕事を奪うと言われていても、実際にそれが現実になるまでそこまで人間は真剣にならないもんですが、将棋棋士の人たちにとっては今そこにある危機だから、みんな真剣に考えている。

もちろん、チェスのように人間の棋士がコンピュータに完全に勝てなくなったとしても、人間対人間の勝負にこそ価値があるから将棋人気は衰えないし、将棋棋士の収入も減らないだろうという考え方もできる。ボルトはバイクより遅いけど、世界一速い人間としてみんなが熱狂するし。

でも、もし自分が将棋棋士だった想像してみたら、そんな論理で安心できるわけがない。

コンピュータに人間がまったく勝てないとわかったら、一般人は将棋棋士同士の戦いに興味をなくしてしまうかもしれない。

対局中の中盤での局面でも、どちらが有利かをはっきりと数値化されてしまい、コンピュータを使っている人がみるとあとは答え合わせという状況になるとする。あとは詰将棋をミスなく終わらせるかだけというのがすぐわかるようになれば将棋観戦の醍醐味はなくなるのではないか、など、いろいろな見解がインタビューで出てくる。

ただでさえ、将棋棋士のメインスポンサーである新聞業界が元気ないわけだし、人気がなくなると、トップレベルで億稼いでいる棋士が数年後に10分の1の収入にならないとも限らない。

逆に、AIとの戦いがきっかけで、将棋への注目が集まり、新しい観戦の仕方、楽しさが発見され、エンターテイメントとして人気が出る可能性もないとも限らない。ドワンゴの電王戦なんかが発展していったり。

AIで仕事が奪われるかもしれないという危機感がめちゃくちゃ高く、なおかつとびきりの頭脳を持った人たちがそれに対してどう考えているかっていうのが面白いので、数年後読むより、今読むのが一番熱い本だと思いました。


*家計簿読み上げのアプリ作ってます。自己紹介と過去ログはこちら

ブログを休まず続ける方法

ブログをコンスタントに書きたいなと思いながら失敗続きでしたが、最近やっと続く方法を見つけた。というのも、1ヶ月半前ぐらいから、毎日30分だけブログ書くのに使うルールを実践したらめちゃ続いてる。

この時間制限をもうけながら毎日かかさずやるやり方は、村上春樹が毎日午前中だけ小説書くってやり方を真似したのがきっかけ。

これをパクって、毎日の開発に応用したらものすごく上手くいったんだけど、これの応用でブログでも実践してみた。

開発を短い時間で集中して毎日やる

そもそも、なんでブログ書いてるかというと、GettingRealで、自分の製品を宣伝するには、自分の経験したことで役立ちそうなことをブログで書くのが一番だと書いてたのが最初。

ついでに、文章を書くのは結構面白かったからというのもある。

でも、なんか書こうと思いついた時にブログ書こうとすると、ひとつの記事に平気で2時間以上かかったりするし、結構疲れる。なので、もっとたくさん書きたいなあと思いながらも、いつのまにか一ヶ月に一回書ければよいほうになっているのが今まででした。

時間しばりを使うと続いた

というわけで、開発時間のように、ブログ書く時間も毎日短時間だけ絶対続けるというルールを適用すると、あれよあれよと、1ヶ月以上も続いた。

もちろん、30分ではひとつの記事は書ききらないのだけど、三回ぐらい続けると、だいたい一つの記事が出来上がる。30分ぐらいなら疲れないし、なんか気がのらない時も一応は続けられる。

さらに、前々から挑戦しては全然続かなくて挫折していた、英語ブログも続くようになってきた。

なんで、英語ブログやりたかったかというと、せっかくだから、英語圏でもアプリを宣伝したいなと前々から思ってたからである。

基本、アプリの宣伝はこのブログ以外してないんだけど、どうしても日本語圏に限定されてしまうから、英語圏にアピールするには、このブログでよさそうな記事を英語に訳していきたいなあと思いつつ、面倒すぎて何年もできてなかったことでした。

具体的には、30分日本語ブログ、30分英語ブログ、30分日本語ブログ、と毎日交互に時間を使っている。たった30分でも毎日続けてるとすぐに書くことなくなってきたので、ちょうどよい感じ。

英語で書くと、バズった時の伸び方が半端ないので結構面白い。

英文は添削してもらってる

僕はネイティブじゃないので、英語の文章を書くとどうしても「小学生みたいな文章だね」っていう言われるものが出来上がるんだけど、最近はテクノロジーが進化して、Grammarlyとかいう勝手に綺麗な英語に修正してくれるエディターがある。

英作文をAIで自動校正してくれるGrammarlyが便利すぎる

で、これを使ったら、基本的な英単語とか文法の間違いを修正してくれるので、これでいいかなあと思ってたけど、やっぱり不安だからネイティブに添削してもらうことにした。

1,000words以内の英文をUpworkで5ドルでやってくれる人を募集したら、イギリス人のめちゃくちゃいい感じに添削してくれる人が見つかって、最近は毎回同じ人にやってもらってる。

Grammarly使って書いた文章をGoogleDocumentにアップして、それをこんな感じで修正してくるので、自分としても英作文の勉強になってすごくいい。

最近思ったけど、日本語でも英語でも、ある程度までは文法的なルールがあるけど、それ以上になると、特にネイティブでも説明できない「厳密にルールがあるわけじゃないけど、こういう言い回しがナチュラルだ」というのがあると思う。

なので、結局は自然に使われているフレーズをどれだけ記憶しているかが肝なんだろうなあと。日本人の自分でも、「て、に、を、は」の使い分けに関して、勝手にこういうフレーズだとこっちのほうが自然で、こっちは不自然だとはわかるけど、厳密に文法的なルールは説明できないし、あっても例外がある。

もし、もう一つの言語を勉強する時になったら、文法の勉強はやりすぎないでフレーズをひたすら記憶することからやったほうが効率的なのかな。


*家計簿読み上げのアプリ作ってます。自己紹介と過去ログはこちら

ツール系アプリにApplovinの動画広告を試した結果

以前、ツール系アプリに広告つけるのが難しすぎるという記事を書いたんだけど、あれから実験的にListTimerに動画広告を設置してみた。

ListTimerは無料ですべての機能が使えるのだけど、画面下にバナー広告がついていて、タイマーが終了した時も完了ボタンの上にバナー広告が表示される。

「バナー広告はオワコンで全画面広告が主流だ!」みたいなのが数年前から言われていて、最近は、「動画広告の時代だ!」と言われています。

でも、以前の記事でも書いたように、こういうのって大抵、ゲームアプリの話なんですね。ツール系アプリは、操作している途中に全画面の広告が出てきたら鬱陶しくてしょうがないし、そんなことをすると一瞬でやる気がシナシナと落ちて、アプリを閉じてしまうと思う。

ゲームだったら、コンティニューのタイミングとかに広告を表示しても、もう一回ゲームがしたいから大抵ユーザは我慢してくれるのが一般的なんだけど。さらに重要なこととして、現在のアプリ用広告はほとんどゲーム系アプリを宣伝するものばかり。

ゲームアプリをやっている人に他のゲームアプリを勧めるとコンバージョン率は高いけど、ツール系アプリを使う人は一切ゲームをしない人も多い。僕もその一人。だから、ツール系アプリにいくらゲームアプリの広告が表示されても、ユーザは興味ないからコンバージョン率は低くなる。

広告のコンバージョン率が低いと、その広告からの収益もどんどん下がっていって、結果的にツール系と広告は儲かりにくい。

ということを前提としつつも、とりあえず最近の主流である動画広告とはどんなものやろと試してみたかったので、なんとかListTimerでも採用できる方法を考えてみた。

動画を見たらバナー広告を一定期間消す

Listtimerはただのシンプルなタイマーアプリなので、ゲームみたいに与えられるポイント的なものがない。唯一考えられるのは追加のタイマー音だけど、これは以前のアップデートで全て無料にしてしまった。さらに、タイマー音が無限に供給できるものでもないし。

現在の有料版との違いはバナー広告があるかないかだけ。

となると、結局、動画広告を見てくれたリワードとしては一定期間バナー広告を消しますよってことぐらいしか思いつかなかったのでこれを採用。

そして、一番難しいのがどういうタイミングでその動画を表示させるかである。これ、タイマー終了時に勝手に表示とかしたら、絶対うっとおしいからゲームアプリのようにはできない。

というわけで、いろいろ悩んだあげく、ユーザの任意選択式にして、バナー広告を一定期間削除したい人だけ、動画を見るのを選択してくださいねという方針にしてみた。

具体的にはこんな感じ。

タイマー終了時、「完了」ボタンの横に、「広告削除」ボタンが出る。

「広告削除」ボタンをタップしていきなり動画を表示させると、誤タップの時に鬱陶しいので、まずは動画を見て広告を一定期間消しますかのダイアログがでる。

OKを押すと、動画広告が流れて。

動画を見終わると、一定期間のバナー広告がなくなる。(一定期間はどの程度の長さがいいか悩み中。今は12時間。)

とまあ、こんな形で、今までの使用感とか操作フローをできるだけ壊さないよう、さらには必要な人はスルーできるように設定してみた。唯一気になるのは、最初の完了ボタンの横幅が「広告削除」ボタンのせいで短くなっちゃったので、ここがタップしにくくなったってところ。

設定画面に「広告削除」のボタンを置いても誰も見ないだろうから、ここは悩みどころです。

気になる収益結果

さて、ここまで面倒なことをやっておいて、たいして収益が見込めないならサクッと諦めようと思ってたんだけど、一週間ほど様子見た結果、びっくりするほど収益が低かった。

423回表示されて、68回広告をクリックされて、合計収益がわずか40円ほど。なんだこれは。想像をはるかに超える低収益。

これならバナー広告だけつけてたほうがましなんだけど、なんかの間違いかなと思って、Twitterで嘆いてたらApplovinの中の人が親切にも返信してくれた。

Realmの岸川さんといい、Applovinのたつおさんといい、海外のスタートアップでも日本人のエバンジェリストがいると全然違いますね。今回Applovinを選んだのも、以前たつおさんのブログで最近の広告業界の話とかを読んでたからだし。

思うに、Applovinってしっかりと広告クリックだけじゃなくて、ちゃんとダウンロードされたとかそういう深い部分まで計測するいけてるAdネットワークだから、アプリとの相性がストレートに収益に反映されるのだと思う。

そもそも動画広告はバナーやインタースティシャル広告より作成するのが面倒だから、広告の種類自体が少ない。そして、少ない動画広告の大半はゲーム関係。

ListTimerのユーザはゲーム広告みても完全スルーの人が多い可能性が高いから、結果的に悲惨な低収益となりやすいのかもしれない。

海外の記事読んでた時も、Applovinが一番収益性高かったとか評判がよかったので、ListTimerはカチッとハマらなかったのかな。

ちなみに、アドフリ君という、いろいろなアドネットワークで収益性の高いものだけ振り分けるというようなツールもあるんだけど、あれもインプレッションが低い段階だと、複数のネットワークで割り振ってもどれも意味のあるデータが取れないから逆効果になるらしい。

インプレッションが低い段階だとひとつのアドネットワークに絞ったほうがいいとかどっかの記事で読んだ。

もうちょっと様子見して改善されなかったら、今回の実験は失敗だということで、諦めようかなと。あんまりバンバン動画広告表示させることもできないし、ListTimerの選択式だとこれ以上インプレッションは上がりそうもないし。

他のアドネットワークを試してみてもいいんだけど、一番評判のいいApplovinでダメならあんまり時間使いたくないなというのが正直なところ。

似たようなことを考えていた人の参考になれば幸いです。


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二年前にアプリ作りたいと相談きた人が会社辞めて起業してた

本日、友人の加藤さんの会社で作ったアプリ、「Smooz」がリリースされたので裏話を書きたい。

元楽天社員が起業してローンチしたのは、賢く賑やかなモバイルブラウザ「Smooz」

加藤さんをざっくりと紹介すると、二年半前にプログラミング初心者からiPhoneアプリ開発を独学で勉強しはじめ、しばらくしたらアプリに集中するために楽天をやめちゃって、いつの間にか資金調達して起業していたアラフォーです。

ちなみに、結構いいポジションで活躍してた会社まで辞めてしまった時は若干びびった。僕と知り合ったきっかけは、二年半前にこのブログを読んだ加藤さんからメールが届いたのが始まりでした。

ブログを読んだ加藤さんからメールがくる

最初は、僕のGmailにこのブログを読んだ加藤さんからメールがきたのがきっかけ。

梅本さん、

はじめまして。加藤と申します。

「モバイルファーストは間違いだったのか」のブログ記事を読んで、面白いなぁと思い、他の記事もいろいろ読ませて頂きました。
(その流れでLisgoやVoicepaperなどもダウンロードしたところです)

私は某IT系企業でビジネス開発系の仕事をしているのですが、
ここ数ヶ月、自分がどうしてもやりたいと思うモバイルサービスがあり、
仕事をしながらでもいいのでなんとかプロダクトを作れないか考えています。

梅本さんのブログを読んで、リーンスタートアップをまさにそのまま
実践されている人がいることに感動して、「お茶したいなどもお気軽にどうぞ」と書いてあったので、思わずメールしました次第です。

プロダクト・マーケットフィットのやり方など、いろいろ話をしたいのですが、私の周りには、なかなかそういうことをお話できる人がおらず。。。

お時間あれば、どこかでお茶させていただけませんか?
早稲田まで伺います!

加藤雄一

こんな丁寧なメールがきた。

あとから聞くと、Webサービスとか大好きなんだけど、自分で作れないといろいろと歯がゆいので自分で作りたいなと思っていたとか。数年前、同じような理由でプログラミング始めた自分に興味を持ってくれたらしい。

まさに昔の僕と同じだと思って、暇だったし、こんな感じで返信した。

加藤さん、
どうもこんにちは、丁寧なメールありがとうございます!
お力になれるかはわからないですが、僕でよければ。

高田馬場駅近くの、コットンクラブという
いい感じのお店があるのですが、平日の夕方以降なんかにどうでしょうか。
http://tabelog.com/tokyo/A1305/A130503/13006166/

今週だと水曜以外は今のところ大丈夫です。

梅本

そしたら、加藤さんからこんな返信がきた。

梅本さん、

さっそくお返事を頂き、ありがとうございます!
生憎今週は水曜しか早く上がれなそうです。。。

ちなみに、週末はお忙しいですよね?
来週の平日は水曜、木曜、金曜なら大丈夫そうです。
ご都合を教えてくださいませ。

加藤

この時痛烈に感じたのが、「ああ、僕みたいな暇人と違って、大企業の一線で働く人は夕方なんかにあがれないですよね。すいませんでした。」ということである。夕方以降というのも、当時の僕は昼夜逆転してたからだったんだけど、それは秘密にしておいた。

そんなこんなで、日曜の夜に会うことになりました。ちなみに、Gmailの数年前のメールとかあらためて読むと、今では考えられないお互いの距離感とかが面白い。

アプリ開発のアドバイスをすることに

高田馬場で初対面した時にいろいろ話をしたんだけど、あんまり詳しく何を話したかは覚えてない。昨日電話で話したら、iPhoneアプリのネイティブ開発やろうか悩んでいた加藤さんに、こんな感じで話してたらしい。

「アプリ作るのは簡単ですよ。文系の僕でもできたんだからできますよ。」とか、えらく軽い感じで。本当は、プログラミング自体、最初の2回ぐらい挫折してたんだけど。

とはいえ、僕も最初は聞く人がいなくてハマりまくってたのを覚えているし、加藤さんはえらくいい感じの人柄のナイスガイだったので、週一ぐらいでアドバイスしますよと言って、それがきっかけでまた会うことになった。

僕はちょっとでもアプリ開発に興味がある友達には、適当なこといってやってみるようけしかけるんだけど、本とか買っても実際に続く人はほとんどいないんだけど、加藤さんは始めて続いた人だった気がする。

とりあえず最初は、「これとこれは重要だけど、これは別に今必要ないからやらなくていい」とか、プログラミングって範囲が膨大なので捨てるべき部分を話してたと思う。

そしたら、働きながらなのに、えらいスピードでできるようになっちゃって、結局は数回ぐらい、馬場のカフェで詰まってるところをアドバイスしただけだったと思う。土日はずっと開発やって、平日も会社の昼休みと仕事終わりにずっとやってると言ってて、びびったのをよく覚えている。

僕自信、本当に最初のスタートぐらい教えられるんだけど、だいぶできるようになってネットで独学できるよう乗ってきたら、もう教えられることすぐなくなるんですよね。僕の知識も自分の作ったアプリで覚えたことしかないし。

あと、ピカピカしたキャリアを歩いている頭のよい人が本気だすとスゴイなと思った。

その後

そっから、一緒に勉強会行ったり去年は一緒にAppleのイベントWWDCまで行ったりした。シリコンバレー行った時は、加藤さんのソニー時代の同僚がAppleで働いててカフェテリアに入れてもらえたり、シリコンバレーで起業してる他の元同僚のお家に一緒に泊めてもらったりと、びっくりするほどお世話になったりしております。

いやあ、このブログはまったくお金にならないけど、こういうプライスレスな出会いがあるからやっててよかった。実は、他にもブログきっかけで、いろんな人に出会えたり、勉強会行った時に声かけられてその後仲良くなったりした人もいるので、素晴らしい。

加藤さんはTennisCoreっていうテニス用アプリとかいくつか作って、ちょっと前からブラウザアプリをこつこつ作り始めて、えらく洗練されてきたなと思ってたら起業してた。

スタートアップはいろいろと大変だろうけど、成功したら叙々苑おごってもらったり、エンジェル投資家とかなってほしいと思ってる。

リリース前日の昨晩は興奮して寝られなかったらしい。この気持ちはよくわかるな。僕もでかいアップデートの時とか数日そわそわして、最後のリリースボタン押す直前も30分かかった。

モバイルブラウザ Smoozeのページ
http://smoozapp.com/


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英作文をAIで自動校正してくれるGrammarlyが便利すぎる

最近使い始めて感動したサービスの一つにGrammarlyというツールがある。これはいま流行りのビッグデータと機械学習を使って、日本男児である僕が書いた英作文を自動修正してくれるツールです。

Wordとかを使って英作文を書いている時は、基本的に単語の間違いを指摘してくれるぐらいだけど、Grammarlyは文法とか、自然な英語になっているかということまで修正してくれるのが革命的に嬉しい。

この分野で最初に知ったのはGingerというツールなんだけど、これはMacアプリがないのでしょうがなくChromeエクステンションを使って以前使っていた。でも、このChromeエクステンションがえらく使いづらいし、Twitterの書き込みと干渉したりしてそっとアンインストールしてたのです。

しかし、GrammarlyにはなんとMac専用アプリが用意されている。さらに、このMac専用アプリが死ぬほどよくできている。ライティングツールとしてもデザインが整っていて気持ちよくかけるし、右側に表示される英文修正の使いかっても素晴らしく使い易い。

例えば、僕はここ最近、二日に30分だけ使って英語のブログをコツコツと書くようにしているんだけど、自分のアプリの単語であるTaxnoteとかを英文の中で書くと、当然のように、「こんな英単語はないですよ」と最初に赤く指摘される。

でも、一回でも「単語として登録」というボタンを押せば、その後Taxnoteと書いてもこの表示は出ない。こんな当たり前のことなんだけど、この当たり前の動作をするユーザビリティがすごく使い易いのです。

よくできたツールは気持ちを乗せてくれる

僕は、日本語の文章を書く時、MacアプリのiA Writerというツールを使っているのだけど、このツールは最高に気持ちよい。何より,書くことに特化したデザイン、シンプルな機能と、文章を書くことを気持ちよく促してくれるツールなんですよ。

だから、単に英文を修正するのに優秀なツールというだけでは不十分で、Gingerは不満だった。ジョブズがマイクロソフトをディスった時のように言えば、センスがなかった。

その点、Grammarlyのデザイン、操作性、余計な装飾がないMacアプリは文章を書いていて気持ちよくなるようよくできている。だから、iAWriterと同じぐらい気持ちが乗っていける。どんな作業をするにしても、道具というのはものすごく重要で、気持ちを乗せてくれる快適さは機能スペックでは表現できない。

このデザインのよさがまず気に入ったのだけど、英作文をサクサクと修正してくれるというのは、想像以上に作文のハードルを下げてくれた。今までは、「ああ、たぶんこの表現はなんか間違ってそうだな」とか、「ああ、この英単語のスペルはどうだっけ、ググろう」とかなっていた面倒さがなくなる。

スペルがわからなくても適当にパパッと打って書いていけば、自動的に修正案を出してくれるからポチッとボタン押したら綺麗に成形してくれる。便利すぎ。文法とか、aかtheかの、日本男児としては間違いやすいものもバシッと指摘してくれる。

この時、「ああ、よくできて道具というのは使っていて気持ち良いな。気分が乗ってくるわ。」と感動した。今まで苦手で面倒だった英作文のハードルがかなり下がって、最近は結構続いてる。僕もこういう製品を作りたい。

https://www.grammarly.com/


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ツール系アプリに広告つけるのが難しすぎる

InstapaperやOvercastを作った個人開発者マルコさんが、最近になってOvercastに広告をつけた経緯をブログやPodcastで話してた。

Overcast trying ads, dark theme now free

この人はおそらくツール系では世界一有名な個人iOS開発者だけど、いろいろな試行錯誤をブログやPodcastでシェアしてくれてて昔からすごく参考になってる。

最近の経緯も興味深くて、OvercastというPodcastアプリのマネタイズ方法の試行錯誤をシェアしてる。最初は、まずは無料で試せて、すべての機能を有効にするには5ドルの買いきり課金から始まってた。これは一般的なやり方だ。

しかし、初年度は順調だったが、だんだんと収益が下がってきて、買いきりモデルの限界を感じてきたそうな。

その後、Podcast市場が盛り上がってきたのをうけ、まずは一気にユーザ数を増やすことを優先するためにすべての機能を無料にして、サポートしたい人だけ月1ドル払う募金形式に変えていた。これはかなり大胆な試みだったので個人的にかなり経過が気になっていたのです。

募金形式のその後

そして、最新のブログでその結果を公表してた。募金形式での目標は5%のユーザの課金だったが、募金してくれたのは1.9%のユーザにとどまった。そこで、募金ユーザだけに、ダークテーマモードなど一部の機能を追加すると3%に増えたけど、十分な収益は得られず。さらに、一つの機能に月額課金するのはかなり不評だったらしい。

ここは僕もなんども考えたりするからよくわかるんだけど、募金形式って社会的意義が相当あるようなサービスじゃないとなかなか上手くいくとは思えないんですよね。僕自身だって、すごく便利なツールがあっても不便なく無料で使い続けられたらよっぽどじゃないとお金払わないと思うし。

付け加えると、募金形式って、一部の太っ腹なユーザが一般人の何百倍もぽんっと払える仕組みじゃないと、これまたきつい。募金の払う額って一人一人の平均なんて意味がない非線形の世界だから、どかんと払ってくれる個人や企業がたまに出現するのが重要だ。

とはいえ、ネット系のツールでたまに募金形式を導入しているものもあるので、もしかしたら上手くいかないかなと気になってたけど、やっぱり開発を続けられるほど十分ではなかったらしい。というわけで、他のまったく新しいアプリを作るのに時間を使うか、仕組みを変えるかを選ぶことになったと。

悩んだ結果、バナー広告をつけることにしたら予想通りネガティブなレビューがついてしまったけど、当初予想してたよりかはましで、結果的に広告を外すために月額課金への加入者が増えたので結果的にはよかったとラジオで言ってた。

なにより、課金ユーザが増えて継続的な収益が見込めるようになったので、アプリをもっとよくするモチベーションが凄く湧いていると話してたのが印象的。

そうかあと思って僕もOvercastのページを見てみたら、やっぱり広告つけることに対してのネガティブレビューが多かった。そして、アプリを開いてみたら、バナー広告がついていて、やっぱり今までのシンプルなデザインが損なわれているのがすぐわかる。

しかし、最終的には収益性を確保しないとアップデートを続けるのは難しいし、やる気もでないので、このジレンマは本当に理解できる。

広告は邪魔だからつけたくない

アプリを作ってる人なら誰でもそうだと思うけど、精魂込めて開発した大事なアプリにバナー広告とか本来ならばつけたくないんですよね。せっかくシンプルなデザインを目指しているのに、バナー広告があるだけで台無しになってしまう。ただでさえ、スマホはスペースが小さいし。

できることならば、広告は一切つけず、有料機能にアップグレードする人だけ月額課金という一般的なSaaSモデルがやりたい。

ただ、こういうモデルができるのってビジネスに使うサービスじゃないと難しく、一般向けのアプリではうまくいかない。例えば、Dropboxなら採用できるけど、TwitterやFacebookには難しい。

僕も、Zenyという家計簿アプリを二年以上前にリリースしてからこつこつとアップデートしてきたんだけど、いろいろ試行錯誤した結果、マネタイズはバナー広告になった。

ツール系アプリで広告をつけない方法

ツール系アプリで広告がない場合もあるけど、これはいろいろなパターンがある。

例えば、VCに投資されたスタートアップのアプリで、まずはユーザ数を増やすのに注力して、誰かに買収されるか、あとから広告をつけるか他の収益方法を考えるというパターン。これは個人で作っている場合には当てはまらない。

その他には、自分の代表作としてAppStoreにリリースしているケース。この場合、アプリは就活のネタだったり、フリーランスだったら宣伝のためなので、そのアプリは儲からなくてもいいので広告もつけないほうがいい。

他にもいろいろあると思うけど、こういう特殊ケースを除いて、どんなビジネスでも継続的に続けるには収益性が必要になってくるとは思います。

ちなみに、最近では、全画面広告とか、動画リワード広告とかが主流になってきていて、バナー広告は収益性も低いしオワコンになりつつあるんだけど、ツール系だとなかなか導入が難しい。

ゲームアプリのようにいかないツール系アプリ

ネットでは、動画広告や全画面広告を導入してアプリの収益性が倍に増えた!とかいう導入事例をよく聞くけど、基本的にこれはゲーム系アプリの話なんですよね。ツール系アプリに全画面広告はとても難しい。

もちろん、なにかの待ち時間に全画面広告を表示してうまくいくケースも稀にあるんだけど、一般的なゲームアプリのように簡単にはいかない。ツール系アプリでユーザが操作している時、突然全画面の広告を出したらめちゃくちゃ不快なので。

全画面広告って、バナー広告みたいに常にデザインを汚したりはしないから開発側としては導入も簡単だし、できることならば採用したいんだけど。あと、表示される広告はほとんどがゲームアプリの広告なので、そもそも広告の種類がツール系アプリと相性が悪いのも難点。

一番よいのはクオリティの高いネイティブ広告

広告にもいろいろありまして、みんなが好きな芸能人が出てくるクオリティの高いCMを見せられるのと、まったく興味のないエロ系の汚いバナー広告見せられるのでは、全然違うわけですね。

例えば、SmartNewsとかSnapchatぐらい大きくなれば、ある程度クオリティの高い広告をアプリに採用することができてくる。これが一つの理想なんだろうけど、大抵のアプリはやりたくてもできないのが現状です。

TwitterやFacebookで全画面広告なんて出てきたら一気に離脱率高まるからやってないんだろうし、現状のスタンダートはタイムラインや画面上での動画広告ですね。

もうちょっと広告のクリエイティビティが上がるか、現状で出来るとすれば、ユーザにジャンルを選択させる方式がいいかもしれない。

食品、ゲーム、金融、ファッション、読み物、とか10種類以上の選択肢があって、そこから興味あるものをいくつか選んでくださいと設定で指定してもらう形式になるとだいぶマシになりそうだし。Facebookが間接的にやってることって同じことだから、もうアプリ側でユーザにこういう広告は見たくなければ選択肢から外してねっていうのが単純かも。

こういうことを考えているだけに、最近のFacebook対Adblocksの抗争はネットビジネスの未来を占ううえでとても注目しております。


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自動運転で渋滞がなくなるとどうなるか

最近、世間は自動運転とかAIの話題で盛り上がってますが、僕も興味ありありです。僕は車を持ってないけど車が好きで、ロードスターの歴史とか、おぎやはぎの愛車遍歴をひたすらHuluで見る日々なんだけど、最近面白いビデオを見た。

渋滞を無くすシンプルな解決方法

渋滞が発生する仕組みはなんとなく聞いた事はあるけれど、この動画は本当にわかりやすい。英語がわからなくても、動画だけでなんとなくイメージはつかめると思う。

渋滞が発生する時、後ろでイライラしながら待ってる人たちは「うーん、前の方で事故でも発生したのかな」と思っている事が多いと思うけど、大半の渋滞の原因はそうではないらしい。

ほとんどは、単純に前の方の車がちょっと速度を緩めて、それがきっかけとなり後続の車がドミノのように速度を緩めてそれが何台も連なっていくと後ろの方では渋滞が発生する。

自動運転で渋滞がなくなる理屈

動画を見るとわかりやすいけど、渋滞を無くすシンプルな方法は常に車間距離を一定に全ての車が保つことらしい。これさえ全ての車が守れば渋滞は一気になくなると。

これは人間にとっては全然シンプルにできることじゃない。でも、自動運転の時代になれば車同士が相互に情報をやり取りするので可能になる。そうなると、一気に一台あたりの通行が効率化されて、つまりが原因での渋滞が解消されると。

さらに、相互に車が通信する世界では信号もいらなくなる。信号の付近は事故も渋滞のつまりも起きやすい場所だったけど、車同士が相互に距離を計算する自動運転の世界では信号なしで車が移動できる。これも動画で紹介されている。

そして、渋滞を無くすシンプルな解決方法の結論はスバリ、「人間が車を運転しないこと」というくくりで動画が終わる。

人間様は運転禁止の世界

このことから必然的に導かれる未来は、渋滞解消、事故防止などの理由で、「この区間は人間様が車を運転するのは禁止です」みたいな区間が将来的にできそうだと思った。そして、その区間は信号とかもない。

自分みたいなドライブ好きの人間にとってはちょっと、せちがない世の中だ。

最初は先進的な都市の一定区間から始まる可能性が高いけど、自動運転が世界的に普及すればするほどこの区間は広がっていく可能性がある。

今でも、スイスの一部の町では自然環境を守るという名目で車の乗り入れ禁止の区域があるし、ノルウェーでは完全にガソリン車を将来禁止するとか言ってるので、こういう政策は都市の条例などから広がっていきそう。

今後、世界中で都市どうしの競争が激化していく中で、スマートシティとしての魅力を打ち出すために先進国の都市同士がこぞって自動運転を推進していくだろうという予測を書いたブログがこちら。かなり面白い。

Chris Dixon: future of self-driving cars

この記事では、二年後には高速道路は自動運転で動く車でいっぱいになっているだろうとか、自動運転の推進は自治体レベルで活発になるだろうと書かれている。ベバリーヒルズの市長はドライバーレスシティーの構想に興味を持っているとか。

確かに、Uberに慣れているシリコンバレーの人たちが他の都市に来た時、そこでUberが使えないと死ぬほど不便だと感じるに違いない。同じように、一度自動運転が当たり前の都市に慣れてしまって、他の都市に行くと、その不便さに発狂しちゃう未来がくるかも。

自動運転が当たり前になるとどうなるか

最初に書いたとおり、僕はドライブが好きなんだけど、自動運転が当たり前の世界では自分で運転しようとすると肩身が狭くなる世界にならないかとガクブルである。もちろん、自動運転の利便性はそれを遥かに凌駕するので基本的には歓迎なんだけど。

例えば、自動運転が当たり前になると交通事故の発生件数の桁が変わると言われている。オートパイロットが普及して人為ミスによる飛行機事故が大幅に減少したように。(その分、以前にはありえなかった原因での事故も発生するのだけど)

となると、自動車の保険料が一気に安くなる。死亡率における交通事故の割合は高いので、生命保険の保険料も安くなるだろう。こんな時代になると、なにかの原因で事故った時、自動運転を使ってなかったら保険代が満額おりないかもしれない。

お友達と一緒に旅行に行く時なんか、「よーし、俺が運転しちゃうぞ」と意気揚々と運転しようとしたら、以前まではご苦労さんと感謝されてたのが、突然「おいおい、俺たちの命を危険にさらす気かよ。勘弁してくれ。。」という世界になるかもしれない。「お前の自己満足で渋滞が発生するんだよ」とか。

マイノリティールール

こんなことを考えていると、少し前に読んだタレブのマイノリティールールを思い出した。

“The Most Intolerant Wins: The Dictatorship of the Small Minority” by @nntaleb

簡単に紹介すると、「いろいろなルールや慣習が作られる時、直感に反してそれを支持する人が過半数を超える必要はない。2割程度の人が強く支持するとそれがルールになり得る。」という話。

例えば、ある国での給食でピーナッツが禁止されたとする。これは、ピーナッツアレルギーの子が過半数を超えたからそうなったのではなく、全体の2割でもピーナッツが食えない子供で、全体の8割が問題ない時、8割の子供は2割の子供に合わせることができるので、給食で完全にピーナッツが禁止となる。

他の例で言えば、親しい家族同士でパーティーを開催したとする。4人の友人を呼んで、それぞれが家族を連れてくる。その中の一つがベジタリアンの家庭の場合、その他の3つの家庭がそうでなくても、そのパーティーの食事はベジタリアン食になる可能性が高い。(別個のメニューを作るのは面倒だし)

今では自動運転なんてブルって使えないよという人が大半だと思うけど、自動運転じゃない車なんてブルって乗れないよって人が全体の2割を超えるぐらいに進化したら、一気に情勢が変わる可能性があるなと。

自動運転業界に乗り込んだ天才ハッカー

このブログ書いている時、こんな記事を見つけたので付け足してみる。

自動車用AIスタートアップのComma.ai、999ドルの自動運転アドオンを年内発売へ

世界で初めてiPhoneをアンロックしたり、PS3をハックして有名になった天才ハカーが設立した自動運転のスタートアップ。

自分の車に設置して、スマホを使って学習していくらしい。インタビューを見てたら、「とにかく製品を出荷するんだ」ということを強調してたのが面白かった。どの会社も自動運転に取り組んでるとは言っているけど、実際に使えるものをリリースしているのはテスラだけだと。

自動運転は他のテクノロジーと同じように、少しずつ進化していくものだから、まずは使えるものをリリースするということを強調してた。かなり強いものしらずな勢いで。

この動画見たらわかるけど、どこか狂気を感じるというか、クレイジーな感じの匂いが漂う人で映画のキャラみたいだ。

インタビューでも「人が死ぬかもしれないとか思って強くないの?」とかみんなが思うことをガンガン突っ込まれてるんだけど、「車の運転中の不注意で死ぬのは世界中で起こっているし、この自動運転ツールは突然ハンドルを一気に切ったりするわけではない。ある程度のリミットが安全性のためにとられているし、基本的にハンドルを握りながら使うものだ。他のテクノロジーと同じように、白か黒かで突然進化するわけではなく、自動運転も少しづつよくなっていくべきなんだ。」といった感じで堂々と受け答えしてたのがすごい。

ソフトウェアの世界だったら、小さくリリースして改善していくっていう手法が有効だけど、失敗したら人が死ぬ自動運転の世界で、このやり方で突き進むのは相当勇気がいると思う。だからこそ、テスラみたいなベンチャーや、こういう小さいスタートアップで怖いものしらずな人だからこそ出来ることなんだなと。

大企業ならもちろんのこと、小さな会社でも人が死ぬかもしれないからこんな分野なかなか参入しようと思わないけど、人がビビる業界こそ大きなチャンスがあるってポールグレアムが言ってたな。金融業界のスタートアップStripeがその時の例だったけど。

まあ、「製品をリリースするのが大事だ」という主張は、グランツーリスモ作ってる山内さんにも届いてほしいところです。


*家計簿読み上げのアプリ作ってます。自己紹介と過去ログはこちら

Googleの20%ルールを個人で実践してみる

みなさんGoogleの20%ルールってご存知でしょうか?

今はもう廃止されたとかいう話も聞いたりしたけど、グーグルには就業時間の20%は通常業務から離れて好きなものを開発してイイよという有名なルールがある。ここからGmailが出来たのも有名。

この考え方は個人的に好きで、ブラックスワンの著者であるタレブが推奨するバーベル戦略とも近いものがある。バーベル戦略とは自分の資産の90%は超保守的に運用して、10%は超積極的なものに投資するというもの。

以前からこの考え方を個人的に実践したいなあと思ってたので、最近初めて見た。20%じゃなくて10%ぐらいで。

僕の場合、普段のルーチンである既存のアプリのアップデートを90%として、10%程度の時間を当たればでっかい新サービスを考えるのに使うという意味になります。会社勤めの人だったら、週末に当たればでっかいサービスを作ってみるのが近いかも。

僕がファンであるアプリ開発ユニット、クリーニングスの人達もこの考え方で会社員しながら当たればデカイゲームアプリを作ってるらしい。彼らはバカアプリを開発しながらも実は知的な人達だというのを僕は知っております。

ちなみに、この本のタイトルを見かけて、ちょっと意識してやってみるかとなったのがきっかけ。内容はなんとなく想像できそうなので本は読んでないけど。

というわけで、実際にどんな風にやっているか書いてみる。

予想以上にアイデアが出なくて焦る

僕の場合、普段はTaxnoteやZenyのアップデートをコツコツやってるけど、10%を新規サービスに使うことにした。

個人アプリ開発者の場合、そもそも既存のアプリのアップデートに時間使うことが全然安定した働き方じゃねえよという考えもあるんだが、まあそこは置いておこう。

というわけで、毎日30分の時間を新規サービス作ることに費やすことにした。その30分は絶対に新規サービスを考える時間とするんだけど、これが予想以上によい。なにがよいかというと、「びっくりするほどアイデアが出てこない」ということに気づく。

実は普段からアイデアノートというもの作ってたんですよ。Evernoteに。「あ、このサービスのアイデアいいんじゃないか?」と思ったら小まめにメモしてた。だから、僕は今のアプリを全部やめても、なにかしら新しいアイデアは出てくるんだろうと普段から思ってたんですね。

それこそK1でタイソンがボブサップに挑発された時ぐらいに余裕かましてたわけですよ。

ところが、毎日30分間、真剣に新規サービスのアイデアを振り返ってみると、実質どれもこれもパッとしないというか、実際にやるほどでもないというか、クソというか、そういうところに結論にたどり着いてしまうんですよ。

この、普段からぼんやりと考えてきたアイデアを本気で実行に移す価値があるかを審査するという意味でとても価値のある時間になる。

まず、10%ルールでやるサービスの基準として、当たればでっかいものをやらないといけない。90%は保守的なものに時間を使って、10%は思いっきり積極的にいくというバーベル戦略からするとチマいものはボツとなるので。

しかし、僕はもともと石橋を叩いて渡る性格なもので、成功確率の高いものに時間を使う傾向があるので、当たればでかそうというアイデアとなると、今までメモしてきたのはどうもしょっぱいなあとなっちゃいまして。

もう一つ難しいのは、思いつきから煮詰めて真剣に考えると、「自分が楽しんだり、わくわくしたり、少なくとも数年は毎日やっても嫌にならないもの」を作らないといけないんですよ。実は当たればでかいサービスよりこっちの方が圧倒的に難しい。

こういうものをやればニーズはあるだろなあと思っても、自分の情熱が続かなかったら絶対途中で諦めてしまうので。

一番リスクの高い部分から始める

さらに言うと、今の自分に実現できそうとか、そういう現実も含めるとどんどん狭まってくる。いやあ、難しい。しかし、この30分でも強制的に考える時間を確保したからこそ、こういうことにハッキリと気づけたのでよかった。

ちなみに、新しいサービスのアイデアを考えている人は、こちらのリンクがいろいろ頭を刺激されてよいと思う。
Y Combinatorデモデイ登壇120社を全部まるっとご紹介

いろいろなパターン

僕と同じような趣向じゃなくても、個々人の状況に応じて気軽に試せると思う。

例えば、会社に勤めている人が自分の小さな時間を確保して、普段からやってみたいなと思ってたことを現実に移すことを検討してみるとか。独立のアイデアでもいいし、新しくやりたかった趣味でもいいし、婚活でもいいし、なんでもいい。

普段から、ぼんやりと思ってたことを真剣に考える時間を、小さく強制的に確保するという感じ。

僕の発見としては、「ああ、これ真剣に考えると大してやりたくないわ」とか、「これ、思った以上に大変そうだけど、それでもやりたいだろうか」とか、ぼんやりしたものを深堀する時間になってよかった。


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