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英作文をAIで自動校正してくれるGrammarlyが便利すぎる

最近使い始めて感動したサービスの一つにGrammarlyというツールがある。これはいま流行りのビッグデータと機械学習を使って、日本男児である僕が書いた英作文を自動修正してくれるツールです。

Wordとかを使って英作文を書いている時は、基本的に単語の間違いを指摘してくれるぐらいだけど、Grammarlyは文法とか、自然な英語になっているかということまで修正してくれるのが革命的に嬉しい。

この分野で最初に知ったのはGingerというツールなんだけど、これはMacアプリがないのでしょうがなくChromeエクステンションを使って以前使っていた。でも、このChromeエクステンションがえらく使いづらいし、Twitterの書き込みと干渉したりしてそっとアンインストールしてたのです。

しかし、GrammarlyにはなんとMac専用アプリが用意されている。さらに、このMac専用アプリが死ぬほどよくできている。ライティングツールとしてもデザインが整っていて気持ちよくかけるし、右側に表示される英文修正の使いかっても素晴らしく使い易い。

例えば、僕はここ最近、二日に30分だけ使って英語のブログをコツコツと書くようにしているんだけど、自分のアプリの単語であるTaxnoteとかを英文の中で書くと、当然のように、「こんな英単語はないですよ」と最初に赤く指摘される。

でも、一回でも「単語として登録」というボタンを押せば、その後Taxnoteと書いてもこの表示は出ない。こんな当たり前のことなんだけど、この当たり前の動作をするユーザビリティがすごく使い易いのです。

よくできたツールは気持ちを乗せてくれる

僕は、日本語の文章を書く時、MacアプリのiA Writerというツールを使っているのだけど、このツールは最高に気持ちよい。何より,書くことに特化したデザイン、シンプルな機能と、文章を書くことを気持ちよく促してくれるツールなんですよ。

だから、単に英文を修正するのに優秀なツールというだけでは不十分で、Gingerは不満だった。ジョブズがマイクロソフトをディスった時のように言えば、センスがなかった。

その点、Grammarlyのデザイン、操作性、余計な装飾がないMacアプリは文章を書いていて気持ちよくなるようよくできている。だから、iAWriterと同じぐらい気持ちが乗っていける。どんな作業をするにしても、道具というのはものすごく重要で、気持ちを乗せてくれる快適さは機能スペックでは表現できない。

このデザインのよさがまず気に入ったのだけど、英作文をサクサクと修正してくれるというのは、想像以上に作文のハードルを下げてくれた。今までは、「ああ、たぶんこの表現はなんか間違ってそうだな」とか、「ああ、この英単語のスペルはどうだっけ、ググろう」とかなっていた面倒さがなくなる。

スペルがわからなくても適当にパパッと打って書いていけば、自動的に修正案を出してくれるからポチッとボタン押したら綺麗に成形してくれる。便利すぎ。文法とか、aかtheかの、日本男児としては間違いやすいものもバシッと指摘してくれる。

この時、「ああ、よくできて道具というのは使っていて気持ち良いな。気分が乗ってくるわ。」と感動した。今まで苦手で面倒だった英作文のハードルがかなり下がって、最近は結構続いてる。僕もこういう製品を作りたい。

https://www.grammarly.com/


*家計簿読み上げのアプリ作ってます。自己紹介と過去ログはこちら


ツール系アプリに広告つけるのが難しすぎる

InstapaperやOvercastを作った個人開発者マルコさんが、最近になってOvercastに広告をつけた経緯をブログやPodcastで話してた。

Overcast trying ads, dark theme now free

この人はおそらくツール系では世界一有名な個人iOS開発者だけど、いろいろな試行錯誤をブログやPodcastでシェアしてくれてて昔からすごく参考になってる。

最近の経緯も興味深くて、OvercastというPodcastアプリのマネタイズ方法の試行錯誤をシェアしてる。最初は、まずは無料で試せて、すべての機能を有効にするには5ドルの買いきり課金から始まってた。これは一般的なやり方だ。

しかし、初年度は順調だったが、だんだんと収益が下がってきて、買いきりモデルの限界を感じてきたそうな。

その後、Podcast市場が盛り上がってきたのをうけ、まずは一気にユーザ数を増やすことを優先するためにすべての機能を無料にして、サポートしたい人だけ月1ドル払う募金形式に変えていた。これはかなり大胆な試みだったので個人的にかなり経過が気になっていたのです。

募金形式のその後

そして、最新のブログでその結果を公表してた。募金形式での目標は5%のユーザの課金だったが、募金してくれたのは1.9%のユーザにとどまった。そこで、募金ユーザだけに、ダークテーマモードなど一部の機能を追加すると3%に増えたけど、十分な収益は得られず。さらに、一つの機能に月額課金するのはかなり不評だったらしい。

ここは僕もなんども考えたりするからよくわかるんだけど、募金形式って社会的意義が相当あるようなサービスじゃないとなかなか上手くいくとは思えないんですよね。僕自身だって、すごく便利なツールがあっても不便なく無料で使い続けられたらよっぽどじゃないとお金払わないと思うし。

付け加えると、募金形式って、一部の太っ腹なユーザが一般人の何百倍もぽんっと払える仕組みじゃないと、これまたきつい。募金の払う額って一人一人の平均なんて意味がない非線形の世界だから、どかんと払ってくれる個人や企業がたまに出現するのが重要だ。

とはいえ、ネット系のツールでたまに募金形式を導入しているものもあるので、もしかしたら上手くいかないかなと気になってたけど、やっぱり開発を続けられるほど十分ではなかったらしい。というわけで、他のまったく新しいアプリを作るのに時間を使うか、仕組みを変えるかを選ぶことになったと。

悩んだ結果、バナー広告をつけることにしたら予想通りネガティブなレビューがついてしまったけど、当初予想してたよりかはましで、結果的に広告を外すために月額課金への加入者が増えたので結果的にはよかったとラジオで言ってた。

なにより、課金ユーザが増えて継続的な収益が見込めるようになったので、アプリをもっとよくするモチベーションが凄く湧いていると話してたのが印象的。

そうかあと思って僕もOvercastのページを見てみたら、やっぱり広告つけることに対してのネガティブレビューが多かった。そして、アプリを開いてみたら、バナー広告がついていて、やっぱり今までのシンプルなデザインが損なわれているのがすぐわかる。

しかし、最終的には収益性を確保しないとアップデートを続けるのは難しいし、やる気もでないので、このジレンマは本当に理解できる。

広告は邪魔だからつけたくない

アプリを作ってる人なら誰でもそうだと思うけど、精魂込めて開発した大事なアプリにバナー広告とか本来ならばつけたくないんですよね。せっかくシンプルなデザインを目指しているのに、バナー広告があるだけで台無しになってしまう。ただでさえ、スマホはスペースが小さいし。

できることならば、広告は一切つけず、有料機能にアップグレードする人だけ月額課金という一般的なSaaSモデルがやりたい。

ただ、こういうモデルができるのってビジネスに使うサービスじゃないと難しく、一般向けのアプリではうまくいかない。例えば、Dropboxなら採用できるけど、TwitterやFacebookには難しい。

僕も、Zenyという家計簿アプリを二年以上前にリリースしてからこつこつとアップデートしてきたんだけど、いろいろ試行錯誤した結果、マネタイズはバナー広告になった。

ツール系アプリで広告をつけない方法

ツール系アプリで広告がない場合もあるけど、これはいろいろなパターンがある。

例えば、VCに投資されたスタートアップのアプリで、まずはユーザ数を増やすのに注力して、誰かに買収されるか、あとから広告をつけるか他の収益方法を考えるというパターン。これは個人で作っている場合には当てはまらない。

その他には、自分の代表作としてAppStoreにリリースしているケース。この場合、アプリは就活のネタだったり、フリーランスだったら宣伝のためなので、そのアプリは儲からなくてもいいので広告もつけないほうがいい。

他にもいろいろあると思うけど、こういう特殊ケースを除いて、どんなビジネスでも継続的に続けるには収益性が必要になってくるとは思います。

ちなみに、最近では、全画面広告とか、動画リワード広告とかが主流になってきていて、バナー広告は収益性も低いしオワコンになりつつあるんだけど、ツール系だとなかなか導入が難しい。

ゲームアプリのようにいかないツール系アプリ

ネットでは、動画広告や全画面広告を導入してアプリの収益性が倍に増えた!とかいう導入事例をよく聞くけど、基本的にこれはゲーム系アプリの話なんですよね。ツール系アプリに全画面広告はとても難しい。

もちろん、なにかの待ち時間に全画面広告を表示してうまくいくケースも稀にあるんだけど、一般的なゲームアプリのように簡単にはいかない。ツール系アプリでユーザが操作している時、突然全画面の広告を出したらめちゃくちゃ不快なので。

全画面広告って、バナー広告みたいに常にデザインを汚したりはしないから開発側としては導入も簡単だし、できることならば採用したいんだけど。あと、表示される広告はほとんどがゲームアプリの広告なので、そもそも広告の種類がツール系アプリと相性が悪いのも難点。

一番よいのはクオリティの高いネイティブ広告

広告にもいろいろありまして、みんなが好きな芸能人が出てくるクオリティの高いCMを見せられるのと、まったく興味のないエロ系の汚いバナー広告見せられるのでは、全然違うわけですね。

例えば、SmartNewsとかSnapchatぐらい大きくなれば、ある程度クオリティの高い広告をアプリに採用することができてくる。これが一つの理想なんだろうけど、大抵のアプリはやりたくてもできないのが現状です。

TwitterやFacebookで全画面広告なんて出てきたら一気に離脱率高まるからやってないんだろうし、現状のスタンダートはタイムラインや画面上での動画広告ですね。

もうちょっと広告のクリエイティビティが上がるか、現状で出来るとすれば、ユーザにジャンルを選択させる方式がいいかもしれない。

食品、ゲーム、金融、ファッション、読み物、とか10種類以上の選択肢があって、そこから興味あるものをいくつか選んでくださいと設定で指定してもらう形式になるとだいぶマシになりそうだし。Facebookが間接的にやってることって同じことだから、もうアプリ側でユーザにこういう広告は見たくなければ選択肢から外してねっていうのが単純かも。

こういうことを考えているだけに、最近のFacebook対Adblocksの抗争はネットビジネスの未来を占ううえでとても注目しております。


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自動運転で渋滞がなくなるとどうなるか

最近、世間は自動運転とかAIの話題で盛り上がってますが、僕も興味ありありです。僕は車を持ってないけど車が好きで、ロードスターの歴史とか、おぎやはぎの愛車遍歴をひたすらHuluで見る日々なんだけど、最近面白いビデオを見た。

渋滞を無くすシンプルな解決方法

渋滞が発生する仕組みはなんとなく聞いた事はあるけれど、この動画は本当にわかりやすい。英語がわからなくても、動画だけでなんとなくイメージはつかめると思う。

渋滞が発生する時、後ろでイライラしながら待ってる人たちは「うーん、前の方で事故でも発生したのかな」と思っている事が多いと思うけど、大半の渋滞の原因はそうではないらしい。

ほとんどは、単純に前の方の車がちょっと速度を緩めて、それがきっかけとなり後続の車がドミノのように速度を緩めてそれが何台も連なっていくと後ろの方では渋滞が発生する。

自動運転で渋滞がなくなる理屈

動画を見るとわかりやすいけど、渋滞を無くすシンプルな方法は常に車間距離を一定に全ての車が保つことらしい。これさえ全ての車が守れば渋滞は一気になくなると。

これは人間にとっては全然シンプルにできることじゃない。でも、自動運転の時代になれば車同士が相互に情報をやり取りするので可能になる。そうなると、一気に一台あたりの通行が効率化されて、つまりが原因での渋滞が解消されると。

さらに、相互に車が通信する世界では信号もいらなくなる。信号の付近は事故も渋滞のつまりも起きやすい場所だったけど、車同士が相互に距離を計算する自動運転の世界では信号なしで車が移動できる。これも動画で紹介されている。

そして、渋滞を無くすシンプルな解決方法の結論はスバリ、「人間が車を運転しないこと」というくくりで動画が終わる。

人間様は運転禁止の世界

このことから必然的に導かれる未来は、渋滞解消、事故防止などの理由で、「この区間は人間様が車を運転するのは禁止です」みたいな区間が将来的にできそうだと思った。そして、その区間は信号とかもない。

自分みたいなドライブ好きの人間にとってはちょっと、せちがない世の中だ。

最初は先進的な都市の一定区間から始まる可能性が高いけど、自動運転が世界的に普及すればするほどこの区間は広がっていく可能性がある。

今でも、スイスの一部の町では自然環境を守るという名目で車の乗り入れ禁止の区域があるし、ノルウェーでは完全にガソリン車を将来禁止するとか言ってるので、こういう政策は都市の条例などから広がっていきそう。

今後、世界中で都市どうしの競争が激化していく中で、スマートシティとしての魅力を打ち出すために先進国の都市同士がこぞって自動運転を推進していくだろうという予測を書いたブログがこちら。かなり面白い。

Chris Dixon: future of self-driving cars

この記事では、二年後には高速道路は自動運転で動く車でいっぱいになっているだろうとか、自動運転の推進は自治体レベルで活発になるだろうと書かれている。ベバリーヒルズの市長はドライバーレスシティーの構想に興味を持っているとか。

確かに、Uberに慣れているシリコンバレーの人たちが他の都市に来た時、そこでUberが使えないと死ぬほど不便だと感じるに違いない。同じように、一度自動運転が当たり前の都市に慣れてしまって、他の都市に行くと、その不便さに発狂しちゃう未来がくるかも。

自動運転が当たり前になるとどうなるか

最初に書いたとおり、僕はドライブが好きなんだけど、自動運転が当たり前の世界では自分で運転しようとすると肩身が狭くなる世界にならないかとガクブルである。もちろん、自動運転の利便性はそれを遥かに凌駕するので基本的には歓迎なんだけど。

例えば、自動運転が当たり前になると交通事故の発生件数の桁が変わると言われている。オートパイロットが普及して人為ミスによる飛行機事故が大幅に減少したように。(その分、以前にはありえなかった原因での事故も発生するのだけど)

となると、自動車の保険料が一気に安くなる。死亡率における交通事故の割合は高いので、生命保険の保険料も安くなるだろう。こんな時代になると、なにかの原因で事故った時、自動運転を使ってなかったら保険代が満額おりないかもしれない。

お友達と一緒に旅行に行く時なんか、「よーし、俺が運転しちゃうぞ」と意気揚々と運転しようとしたら、以前まではご苦労さんと感謝されてたのが、突然「おいおい、俺たちの命を危険にさらす気かよ。勘弁してくれ。。」という世界になるかもしれない。「お前の自己満足で渋滞が発生するんだよ」とか。

マイノリティールール

こんなことを考えていると、少し前に読んだタレブのマイノリティールールを思い出した。

“The Most Intolerant Wins: The Dictatorship of the Small Minority” by @nntaleb

簡単に紹介すると、「いろいろなルールや慣習が作られる時、直感に反してそれを支持する人が過半数を超える必要はない。2割程度の人が強く支持するとそれがルールになり得る。」という話。

例えば、ある国での給食でピーナッツが禁止されたとする。これは、ピーナッツアレルギーの子が過半数を超えたからそうなったのではなく、全体の2割でもピーナッツが食えない子供で、全体の8割が問題ない時、8割の子供は2割の子供に合わせることができるので、給食で完全にピーナッツが禁止となる。

他の例で言えば、親しい家族同士でパーティーを開催したとする。4人の友人を呼んで、それぞれが家族を連れてくる。その中の一つがベジタリアンの家庭の場合、その他の3つの家庭がそうでなくても、そのパーティーの食事はベジタリアン食になる可能性が高い。(別個のメニューを作るのは面倒だし)

今では自動運転なんてブルって使えないよという人が大半だと思うけど、自動運転じゃない車なんてブルって乗れないよって人が全体の2割を超えるぐらいに進化したら、一気に情勢が変わる可能性があるなと。

自動運転業界に乗り込んだ天才ハッカー

このブログ書いている時、こんな記事を見つけたので付け足してみる。

自動車用AIスタートアップのComma.ai、999ドルの自動運転アドオンを年内発売へ

世界で初めてiPhoneをアンロックしたり、PS3をハックして有名になった天才ハカーが設立した自動運転のスタートアップ。

自分の車に設置して、スマホを使って学習していくらしい。インタビューを見てたら、「とにかく製品を出荷するんだ」ということを強調してたのが面白かった。どの会社も自動運転に取り組んでるとは言っているけど、実際に使えるものをリリースしているのはテスラだけだと。

自動運転は他のテクノロジーと同じように、少しずつ進化していくものだから、まずは使えるものをリリースするということを強調してた。かなり強いものしらずな勢いで。

この動画見たらわかるけど、どこか狂気を感じるというか、クレイジーな感じの匂いが漂う人で映画のキャラみたいだ。

インタビューでも「人が死ぬかもしれないとか思って強くないの?」とかみんなが思うことをガンガン突っ込まれてるんだけど、「車の運転中の不注意で死ぬのは世界中で起こっているし、この自動運転ツールは突然ハンドルを一気に切ったりするわけではない。ある程度のリミットが安全性のためにとられているし、基本的にハンドルを握りながら使うものだ。他のテクノロジーと同じように、白か黒かで突然進化するわけではなく、自動運転も少しづつよくなっていくべきなんだ。」といった感じで堂々と受け答えしてたのがすごい。

ソフトウェアの世界だったら、小さくリリースして改善していくっていう手法が有効だけど、失敗したら人が死ぬ自動運転の世界で、このやり方で突き進むのは相当勇気がいると思う。だからこそ、テスラみたいなベンチャーや、こういう小さいスタートアップで怖いものしらずな人だからこそ出来ることなんだなと。

大企業ならもちろんのこと、小さな会社でも人が死ぬかもしれないからこんな分野なかなか参入しようと思わないけど、人がビビる業界こそ大きなチャンスがあるってポールグレアムが言ってたな。金融業界のスタートアップStripeがその時の例だったけど。

まあ、「製品をリリースするのが大事だ」という主張は、グランツーリスモ作ってる山内さんにも届いてほしいところです。


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Googleの20%ルールを個人で実践してみる

みなさんGoogleの20%ルールってご存知でしょうか?

今はもう廃止されたとかいう話も聞いたりしたけど、グーグルには就業時間の20%は通常業務から離れて好きなものを開発してイイよという有名なルールがある。ここからGmailが出来たのも有名。

この考え方は個人的に好きで、ブラックスワンの著者であるタレブが推奨するバーベル戦略とも近いものがある。バーベル戦略とは自分の資産の90%は超保守的に運用して、10%は超積極的なものに投資するというもの。

以前からこの考え方を個人的に実践したいなあと思ってたので、最近初めて見た。20%じゃなくて10%ぐらいで。

僕の場合、普段のルーチンである既存のアプリのアップデートを90%として、10%程度の時間を当たればでっかい新サービスを考えるのに使うという意味になります。会社勤めの人だったら、週末に当たればでっかいサービスを作ってみるのが近いかも。

僕がファンであるアプリ開発ユニット、クリーニングスの人達もこの考え方で会社員しながら当たればデカイゲームアプリを作ってるらしい。彼らはバカアプリを開発しながらも実は知的な人達だというのを僕は知っております。

ちなみに、この本のタイトルを見かけて、ちょっと意識してやってみるかとなったのがきっかけ。内容はなんとなく想像できそうなので本は読んでないけど。

というわけで、実際にどんな風にやっているか書いてみる。

予想以上にアイデアが出なくて焦る

僕の場合、普段はTaxnoteZenyのアップデートをコツコツやってるけど、10%を新規サービスに使うことにした。

個人アプリ開発者の場合、そもそも既存のアプリのアップデートに時間使うことが全然安定した働き方じゃねえよという考えもあるんだが、まあそこは置いておこう。

というわけで、毎日30分の時間を新規サービス作ることに費やすことにした。その30分は絶対に新規サービスを考える時間とするんだけど、これが予想以上によい。なにがよいかというと、「びっくりするほどアイデアが出てこない」ということに気づく。

実は普段からアイデアノートというもの作ってたんですよ。Evernoteに。「あ、このサービスのアイデアいいんじゃないか?」と思ったら小まめにメモしてた。だから、僕は今のアプリを全部やめても、なにかしら新しいアイデアは出てくるんだろうと普段から思ってたんですね。

それこそK1でタイソンがボブサップに挑発された時ぐらいに余裕かましてたわけですよ。

ところが、毎日30分間、真剣に新規サービスのアイデアを振り返ってみると、実質どれもこれもパッとしないというか、実際にやるほどでもないというか、クソというか、そういうところに結論にたどり着いてしまうんですよ。

この、普段からぼんやりと考えてきたアイデアを本気で実行に移す価値があるかを審査するという意味でとても価値のある時間になる。

まず、10%ルールでやるサービスの基準として、当たればでっかいものをやらないといけない。90%は保守的なものに時間を使って、10%は思いっきり積極的にいくというバーベル戦略からするとチマいものはボツとなるので。

しかし、僕はもともと石橋を叩いて渡る性格なもので、成功確率の高いものに時間を使う傾向があるので、当たればでかそうというアイデアとなると、今までメモしてきたのはどうもしょっぱいなあとなっちゃいまして。

もう一つ難しいのは、思いつきから煮詰めて真剣に考えると、「自分が楽しんだり、わくわくしたり、少なくとも数年は毎日やっても嫌にならないもの」を作らないといけないんですよ。実は当たればでかいサービスよりこっちの方が圧倒的に難しい。

こういうものをやればニーズはあるだろなあと思っても、自分の情熱が続かなかったら絶対途中で諦めてしまうので。

一番リスクの高い部分から始める

さらに言うと、今の自分に実現できそうとか、そういう現実も含めるとどんどん狭まってくる。いやあ、難しい。しかし、この30分でも強制的に考える時間を確保したからこそ、こういうことにハッキリと気づけたのでよかった。

ちなみに、新しいサービスのアイデアを考えている人は、こちらのリンクがいろいろ頭を刺激されてよいと思う。
Y Combinatorデモデイ登壇120社を全部まるっとご紹介

いろいろなパターン

僕と同じような趣向じゃなくても、個々人の状況に応じて気軽に試せると思う。

例えば、会社に勤めている人が自分の小さな時間を確保して、普段からやってみたいなと思ってたことを現実に移すことを検討してみるとか。独立のアイデアでもいいし、新しくやりたかった趣味でもいいし、婚活でもいいし、なんでもいい。

普段から、ぼんやりと思ってたことを真剣に考える時間を、小さく強制的に確保するという感じ。

僕の発見としては、「ああ、これ真剣に考えると大してやりたくないわ」とか、「これ、思った以上に大変そうだけど、それでもやりたいだろうか」とか、ぼんやりしたものを深堀する時間になってよかった。


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iOSアプリを8ヶ国語に翻訳した過程でわかったこと

最近、ListTimerZenyTaxnoteを8ヶ国語ぐらい追加対応したので、その過程とか、使ったサービスとか、結果とかを書いてみたい。たぶん、翻訳を考えている人には役に立つと思う。

なんで多言語化しようと思ったか?

普通ローカライゼーションするとしても、まずは英語、ついでに中国語ぐらいだと思う。自分も、2年ほど前にリリースした時は日本語と英語ぐらいしか対応せず、そのままずっとやってきてた。

で、だいぶアプリがいい感じに出来上がってきたので、そろそろ他の言語にも対応してみるかな、でも面倒だなと思っていた時、まずは様子見として翻訳が簡単なListTimerのAppStoreの説明文とスクリーンショットだけでも他言語化してみようと思ったのが半年ほど前でした。

アプリのAppStoreでの名前や説明を7ヶ国語にローカライズしたらDL数が増えました

その時のレポートが上記の記事なんだけど、後からAppAnnieのデータを見てみたら、自分が勘違いしてたことにそのあと気づいたんですね。

以前は日本語と英語のみ対応してたListTimerを、中国語、ドイツ語、スペイン語、フランス語、ポルトガル語、ロシア語、韓国語と一気に主要言語に説明文とスクリーンショットだけ対応してみたんですよ。

アプリの内部は大変だから、まずは反応を見てからどれに対応するか決めようと思って。

で、やってみたら、韓国語とロシア語のダウンロード数が増えた。特に韓国語が一ヶ月に10ぐらいだったのが一気に600ぐらいなってたと思う。そして、他の言語はあまり変わらず。

この時、人口的には他の言語のほうが多いはずなのになんでだろうなと不思議に思ってたんだけど、あとから気づいたんだけど、実は韓国語とロシア語だけアプリ内部もついでに翻訳してたんですよ。。うっかり忘れててあとから気づいた。なんという勘違い。

で、この時、「ああ、AppStoreの説明文とスクリーンショットだけでは、その言語のダウンロード数がどの程度増えるかわからないんだな。やっぱり内部も翻訳して、アクティブユーザが増えて、口コミで広がるっていう流れが出来ないとダメか。」ということに気づいた。

つまり、ストアの説明文とスクショだけ翻訳して、効果のあった言語を見極めてから内部を翻訳するという当初の計画はあまり使えなかったということでした。

ならば、結局はアプリの内部も翻訳して効果を見るしかないかと思い、まずはどの言語を翻訳するのが優先度高いかを調べることにした。

iOSアプリ翻訳の言語別優先順位

英語の次は中国語をすればいいだろうというのはなんとなくわかるんだけど、3つ目、4つ目、5つ目に優先すべき言語はなにかというのが意外にわからなかった。

というのも、Appleはそれぞれの国でのiOSがどれだけ普及しているか公開してない。そこで、まずは世界中で使われている言語の順位ってなんだろうと思ってググったり検索してみた。でもよくわからんなあとかTwitterで呟いてたら、友人の加藤さんがいい感じのリンクを教えてくれた。

ネイティブスピーカーの数が多い言語の一覧

このリンクによると、中国語、英語、ヒンディー語、スペイン語、アラビア語と続いていく。

しかし、単純に使われている人口が多くても、購買力がある順番とか、そもそもiPhone持っている人がいる割合も考えないといけないから悩ましい。

そんな感じで悩んでまたググってたら、一番参考になるリンクを、また加藤さんが教えてくれた。(笑)

これはアプリの分析ツールMixpanelが発表しているiOSの言語比率なので一番参考になる。2014年のだけど。最近なんかの数字で2015年から2016年にかけて中国語のiPhone販売率がかなり増えたという記事を読んだ記憶があるので、適当に中国の数字を多めに見つめればよいだろう。

というわけで、このデータをもとにすると、日本語以外の優先順位はだいたい以下のようになる。

1 英語
2 中国語(簡体字)
3 スペイン語、フランス語
4 ドイツ語、アラビア語
5 ポルトガル語
6 ロシア語 

しかし、ListTimerの経験では、なぜか世界的な人口では上記の言語より少なめの韓国語と中国語(繁体字)での結果がヨーロッパ言語よりよかった。具体的には、韓国、台湾からの流入である。

ちなみに、中国でメインで使われているのは簡体字(Simplified Chinese)で、香港、台湾、シンガポールなどで繁体字(Traditional Chinese)が使われているらしい。見分け方としては、漢字を省略して簡単にして作り変えたのが簡体字で、日本でも使われている漢字のもとになってる字数が多い難しいほうが繁体字です。

中国政府が識字率を上げるために簡単な漢字を普及させたとか、中国の人民を支配しやすいように昔の書物を読める人間を少なくするためにやったとかなんとか。

話を戻すと、なぜか自分のアプリでは韓国語と繁体字の流入が多そうなので、この二つは翻訳することにした。自分の仮説としては、日本から近いから、アプリの口コミが広がるのに若干有利なんじゃないだろうか。日本への留学生が広めてくれたりとか?

そして、なんだか言語として翻訳難易度高そうなヒンディー語とアラビア語はスルーすることにした。

最初は4ヶ国語ぐらいで様子見しようかと思ったけど、勢いで中国語(簡体字、繁体字)、ドイツ語、スペイン語、フランス語、ポルトガル語、ロシア語、韓国語と8ヶ国語一気にやることにした。

なにがきっかけでヒットするかはわからないので、ついでにたくさん対応しておこうと。

さて、次はどうやって翻訳していくかを考えた。

翻訳の質が心配

まず、一番の懸念事項が翻訳を頼んでも、アプリとして変な翻訳になってしまわないかということでした。

英語だったらだいたいわかるけど、他の言語だとそもそも合っているかどうかもわからない。翻訳をテキストで頼んでも、翻訳する人はアプリを操作しながら考えるわけではないので、翻訳されたテキストをアプリ内で使用した時にどうなるかというのが一番心配だった。

完璧を目指すならアプリを翻訳した後に、Upworkとかでネイティブの人にアプリを操作しながらチェックしてもらおうかなあとか、iPhoneアプリのチェックも前提でやってくれる人を探そうかと考えてた。

結果的にはお金かかるし面倒だから断念したんだけど、スマホアプリに特化した翻訳サービスとかすごい需要あると思う。UIちゃんとわかってる人が翻訳してくれるなら余裕でプレミアム払うよ。

ということで、今回は前回も使ったGengo.comを使うことにしました。

アプリ翻訳する時に便利なサービスと使い方

iOSアプリをローカライズする時に便利なサービスがいくつかあります。

まず、スクショを編集するにはScreenshotBuilder。これがあるとフォトショップとかいらないし、多言語に翻訳するならめちゃ効率あがる。

さらにfastlaneというツール群のDeliverっていうツール。これは一度に大量のスクショやテキストをiTunesにアップロードしてくれる。これがないとiTunesで手動でやることになるので死んじゃう。

詳しくは昔まとめたので、こちらを参考にしてもらえれば。
gengoとScreenshotBuilderとfastlaneで、AppStoreのローカライズがめちゃくちゃ楽になった

さて、今回は実際に翻訳を依頼しないといけないのだが、実はスマホアプリの翻訳用のWebサービスがいくつかあったりする。

昔いくつか試してみたんだけど、よさげだったのはlokaliseというサービス。

ただ、結局これは使わないことにした。localiseはgengo.comのAPIを使っていて、localiseで翻訳依頼したテキストはgengo経由で翻訳されるんだけど、localise経由だとユーロでしか払えないとか、日本語からの翻訳ができないとか不便で、それなら直接gengo経由で依頼すればいいじゃねえかとなった。

ちなみに、iPhoneアプリの翻訳テキストの形式はこんな形になっている。

“Watch” = “見る”;
“Cancel” = “キャンセル”;

localiseを使うと、iPhoneのローカライズファイルを読み込んで、Web上で編集できたり、そのまま翻訳依頼できたりするのがウリなんだけど、gengo.comに慣れてきたら普通に自分でテキストを一括で変換して依頼したらいいなという結論になったのです。

gengoを使う上で一番重要な作業が、iOSアプリの翻訳ファイルで翻訳しなくてよい部分を[[[]]]で囲むこと。[[[]]]で囲まれた項目は、翻訳者には見えるけど翻訳はしなくてよいテキストになって、料金のカウントからも省かれる。

ちょっと面倒だけど、テキストエディタの置換機能を使って、こんな感じに変換する。

[[[“Watch” = ]]] “見る”;
[[[“Cancel” = ]]] “キャンセル”;

このようにすると、翻訳者は下記のように翻訳したファイルをアップロードしてくれる。

[[[“Watch” = ]]] “观看”;
[[[“Cancel” = ]]] “取消”;

あとは[[[]]]]をエディタで一気に消して、Xcodeにそのまま貼り付ければいいので楽チン。gengoでは[[[]]]の使いかたと、テキストエディタの置換を工夫する必要あり。

さらに、重要な点として、gengoで翻訳依頼する時、「Tell us the purpose of your translation」という項目があるので、アプリの場合はここで、「App/Web localization」を選んで、「Business」を選ぼう。

翻訳者の中にはiOSアプリの翻訳とか慣れている人もいて、僕はやりとりしてたらたまたまCSの学位持っててアプリの翻訳何回もやってるって人もいた。こういうアプリに詳しい人に割り振られる可能性が高まると思う。

お値段と時間

gengoはインターフェイスがすごくよくできていて使いやすくて素晴らしんだけど、一番いいのはとにかく翻訳結果が爆速で出来上がるってところ。

20文字ぐらいの短文をサクッと7ヶ国語に翻訳したいって時でも、数分ぐらいで出来上がったりする。このスピードがいちばん嬉しい。

料金体系は、英語からの他言語への翻訳でStandardで$0.06/word、Businessで$0.12/word。よっぽど簡単な文章以外はアプリの翻訳はBusinessを選ぶのが無難。これが日本語からの翻訳になると結構高くなる。

なので、自分はまず英語に翻訳してから、その英語を他の言語に翻訳していった。さらに、英語 => ロシア語は可能だけど、日本語 => ロシア語はできないとかそういうことがよくある。なので、実質的に英語ベースで他の言語にやらないと厳しい。

ざっくりで申し訳ないけど、あまり翻訳する部分は少ないListTimerみたいなアプリだと、アプリの内部、スクショ、ヘルプとか全部翻訳して、一つの言語につき1万円ぐらいだった。これが、Taxnoteみたいな翻訳料が多いものになると、アプリ、スクショ、ヘルプと合わせて言語につき4万ぐらいかかってしまった。

なんか勢いでたくさんの言語に翻訳してしまったけど、正直ここまでお金かかってたら1年後でも回収できない気もする。

きになる結果

以前のデータとして、Taxnoteのダウンロードは日本語圏が7割、英語圏が2割、その他が1割といったところ。ListTimerは日本語圏が6割、英語圏が2割、その他が2割といったところでしょうか。

まだ、翻訳してから1ヶ月ぐらいしか立ってないからはっきりとした効果がなんともわからない。こういうのって突然増えるより、じょじょに増えたりすることが多いので。一気に増える場合は、タイトルとかキーワードがハマった時かな。

中国語、ドイツ語、フランス語とか、今まで翻訳してなかった言語を翻訳することによりAppAnnieの分析をみたら、それぞれの言語で100パーセントの上昇率とかになるんだけど、これはそもそもに数字が小さいから。

例えば、翻訳する前、ドイツからの流入は1ヶ月に3ダウンロードぐらいだったので、30になったとか。そういう形です。まあ、翻訳すると底上げされるのは間違いない。僕みたいな個人開発者だとかけたお金に対してのコストパフォーマンスがどうなるかが大事なんだけど。

多言語に翻訳するさいの注意

当たり前だけど8ヶ国語も対応してしまったら、今後アップデートでちょっとどこかの文章を変えるたびに、対応しないといけなくなる。これがめちゃ面倒になる。幸いなのは、短い文章であればgengoに依頼すると1時間以内に納品してくれるというとこでしょうか。

ついでにいうと、英語以外での問い合わせもやってくる。僕はHelpshiftというサービスを使ってアプリ内部から気軽に問い合わせできる仕組みを入れてるので、韓国語とかでメッセージが来た時に「おお、どうしよう。。」と最初なった。

フィードバックしやすい状況を作るHelpshift

こういう時は、google翻訳使ってる。まず、自動翻訳で文章に意味がわかったら、それへの返信を英語で書いて、なおかつその下に韓国語に自動翻訳した文章を貼り付けてる。

とりあえず今回は翻訳するまでの過程やどうやったかを書いたけど、数ヶ月ぐらいしたら翻訳の効果もはっきりしてくるので、その時はまた記事を書こうかと。


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環境変化で新しく発生した問題からサービスを考える

僕はサービスやアプリのネタを考えるのが好きなんですが、考え方のフレームワーク的なものを最近考えてみた。

その中でも、「最近新しくできた問題、もしくは増えてきそうな問題をネタにサービスを考える」という方法が個人的には精度高いんじゃないかなと。

なんでかという理由を書く前に、新しいサービスを考える上でのいくつかの切り口をまず考えてみた。

新しい技術で可能になるものから

これが一番よく思いつくパターン。

最近だと、AIの進化とか、ARやVRが普及したらこういうことが可能になるから、こういうサービスが受けるんじゃないかっていう考え方です。

でも、これはみんなが最初に考えるパターンなので競争率が高い。そして、一番難しいのが、その新しい技術が本当に普及するかどうかが誰にもわからないところ。

そうはいっても、ある程度普及してからやろうかと考えると、すでに便利なサービスが普及している可能性が高かったり。

ついでにいうと、ポールグレアムが言ってるように、未来の当たり前にできる限り早く近くには、自分自身が最先端の技術に詳しい人にならないといけない。例えば、ブロックチェーンや仮想通貨関連のサービスを立ち上げるなら、仮想通貨業界の専門家ぐらい詳しいのが一番よい。

ただ、よくあるのは、新しい技術で可能になったサービスを作っても、誰も欲しがらないっていうパターン。

普遍的な人間のニーズから

これはジェフベゾスの考え方。

10年後のテクノロジーの進化や、社会環境の変化を予測するのはすごく難しい。でも、10年後でも、人間の普遍的な欲求は変わらないと予測するのは簡単。

ベゾスさんは「10年後にも、人々は注文した商品ができるだけ早く届いて欲しいと思うだろう。」と考えて、そこに注力するらしい。

この先変わることを予測するよりも、変わらないことを予測するほうが簡単。

10年後にARやVRや自動運転や、人工知能が今騒がれてるように普及しているかは定かではない。でも、10年後にも、人々は美味しいものを食べたいと思ってるだろうし、移動は速いほうがいいだろうし、健康への関心もあるだろうとは思います。

この考え方はBaseCampのJason Friedが、自身の会社の出資者であるベゾスからもらったアドバイスで一番影響を受けたとブログで書いてた。

新しく発生した問題から

今回の記事のメインなんだけど、技術進化や環境変化で新しく発生する問題から、それを解決するサービスを考えるやり方。

技術進化でいえば、インターネットが普及してなかった頃には、ウイルス対策ソフトとか誰も欲しがらなかったけど、今はとてもニーズがある。

SnapchatはアンチFacebookという精神から生まれたらしく、SNS疲れを感じてたユーザに一定期間で消えるものを、なんでも情報を収集しようとするFacebookへのストレスから真逆のサービスを作ろうと思ったらしい。

*関連記事
新しい便利なモノは新しい問題も作る

僕としては、新しい技術をモトに考えるよりも、問題を軸にしている点で、こっちから考えるほうが外れが少ないんじゃないかなあと思ってます。

例えば、情報化社会でなんでも収集される世の中なので、最近は暗号化技術を使ったメッセージアプリが人気になってたり、最近の画像認識技術の進化で、顔写真と画像検索が一発でできるようになると、今後ますますプライベートを守ることが難しくなってくると思う。

昔からあった問題の場合だとすでに解決方法は考え尽くされていてる可能性が高いけど、最近発生してきた問題なら、まだ世の中には出てきてないけどニーズはある可能性が高い。

というわけで、以前はなかったけど、最近の環境変化によって発生してきた問題はなにかを考えて、それを解決できるアイデアを探すのは結構いい切り口なんじゃないかと。

世の中は合理的に発展するとも限らない

ついでに僕が気をつけていることを付け加えると、世の中は必ずしも合理的に発展していくとは限らないという点です。

例えば、キーボードの配列は一番効率的な並び方じゃないけど、最初に普及した現在の配列が市場を奪った時点で、もっと効率的な配列が普及する可能性は駆逐されてしまった。

英語は世界で圧倒的に普及している言語だけど、世界で一番よくできている言語では全然ない。単純に歴史の過程で大多数の人が使い始めたので、普及した言語を使うのが一番便利だからさらに普及するというフィードバック効果が発生してる。

だから、この技術が一番優れているからとか、この仕組みが一番理にかなっているからとかいう理由だけで、それが発展するとは限らないということを常に意識してます。

例えば、数年前にスマホが普及し始めた頃、ネイティブアプリより、HTML5がスマホの未来だという考えがあった。

ユーザーからしても、アプリをインストールしなくてもよいし、iPhoneでもAndroidでも使えるし、開発者側からしても別々のプラットフォームにアプリを開発しなくてよいから、将来的にHTML5が普及するに違いない!っていう理屈。

Facebook初のiPhoneアプリを作った有名なエンジニアもこの考え方で初期のFacebookアプリを開発してたし、Instagramの創業者も「これからの時代はHTML5だから、HTML5をモトにアプリを作ります」とプレゼンして、マークアンドリーセンも「うんうん、その通りだ」とうなづいていたらしい。

でも、残念なことに今現在もHTML5はメインになってないし、ユーザにとっても開発者にとっても面倒なのに、未だにiPhoneとAndroid別々のアプリを開発しないといけない。

論理的に考えると、マルチプラットフォームな仕組みのほうがみんなが幸せになる可能性が高いので、将来的にはそういうものが普及するのかもしれない。

でも、大事なのは、いつの時点でそうなるかなんですよ。3年先にそうなるか、5年先にそうなるか、10年先にそうなるかがわからないと、なにもわからないのと同じなので、戦略の立てようがない。

というわけで、「この技術が優れているから勝つだろうとか、この仕組みがよいから普及するだろう」と考えないようにすることを肝に銘じております。

困っている問題の専門家であること

ただ、サービスを考える上では、新しい技術に詳しいのも重要だけど、一番重要なのは、不便だったり面倒だったりする問題に対して詳しい、もっといえばその問題に困っている当事者であるっていうのが一番だと思ってる。

なんといっても、問題を本当にわかっていてそれに困っている当事者なら、考えついた解決方法が本当に役に立つかどうかを見極められる。

というわけで、比較的最近の、新しく発生した問題の当事者であり、それを解決するアイデアを思いついた場合、そのアイデアは小さく試してみる価値があるかもしれない。

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一番リスクの高い部分から始める


*家計簿読み上げのアプリ作ってます。自己紹介と過去ログはこちら


アフィリエイトの営業メールがよく来るので真面目に読んでみた

1年ほど前からちらほらとアフィリエイトの掲載営業メールが来るようになりました。

どんなメールが来るかと言えば、僕のブログではアプリの事やウェブサービスのことが話題になることが多いので、プログラミング講習とかプログラマーの副業サイトを紹介してくれませんかと言う営業メールがよく来る。

例えばこんな感じだ。

管理人様

株式会社RのTと申します。

弊社はアフィリエイトサービスを運営しております。

下記サイト拝見いたしました。
「できるプログラマーからペアプロで習う勉強方法をUpworkで試した」

是非、弊社アフィリエイトサービスに参加いただきたく、ご連絡させていただきました。

早速で大変恐れ入りますが、
貴サイトにおすすめの案件をご紹介させていただきます!

================

◆プロモーション名
ほにゃららプログラミング学習サイト

◇LP確認用URL
アドレス

◇報酬:
コース申込後入金確認:11,880円(税込)
説明会動画視聴完了:1,080円(税込)

最短4週間で未経験からプロを育てるオンライン完結のスクールです。

まぁこーゆーメールがよく来るんだけれども、いつもめんどくさいからスルーしてたんですよね。でも、先日暇だからちゃんと読んでみたらできる営業マンの方は上記のようにちゃんと報酬金額も書いてるんですよ。

やっぱり人間ちゃんとギャラを最初に示してくれると面倒だなぁモードから、ちょっとやってみっかモードに変わるわけです。

このブログは文章を書くのが好きなのもあり、ほとんど趣味みたいなもので、ついでに自分のアプリを宣伝できたらいいかなぐらいの位置づけです。

でも、ちゃんとお金が儲かるようになれば僕もポルシェ911を買えるようになって、湾岸ミッドナイトばりに首都高を夜な夜な走って、ブラックバードと言うあだ名が漫画のようにつけられてしまうかと思うと悪くないなと思ってきました。

ちなみに話は戻るけど、誰かに仕事を営業する時は出来る限り情報を小出しにしないで可能な限り重要な事を先に伝えるのがいいと思う。

というのも、こういうお仕事があるんですけれども興味ありませんか、もしありましたらご連絡ください。(具体的な情報は無し)

というのはものすごく面倒臭いと思うんですよね受け取る側からすると。まず最低限ギャラを示してくれよと。情報量が少ないと返信率がぐっと下がると思う。

というのをいつも思っていたので、僕がアップワークでプログラマーを募集するときは、これでもかと言う位実際にどういうことをするか、どういうことは必要ないか、こーゆー状況でもちゃんとお金は払いますとか、いつも自分が不満に思っていたことを逆に考えて書きまくった。そしたら結果的にミスマッチもなくなって良かったとは思います。

さて話がそれたけど、アフィリエイトの話に戻ります。

これ実際に何かを掲載するとなるとやっぱり広告なので読んでいる方からすると、すごいあーうざいなぁめんどくさいなこのサイト、ってなるリスクは大いにあるんですよね。

最悪のケースになると、このサイトは何かアフィリエイトを紹介するサイトなのかよ。このブログで書いてる事は信用できんわ死ねみたいな。

僕も今までGoogleのバナー広告をつけたりしたことがあるんですけど、どうもサイトの内容とそこまで関係ない広告が表示されてブログの見た目的にも読者的にはあんまり良くない見栄えになって、その割にはポルシェが買えるほど収益も無いのでそれなら外すかなと言う結果になってました。

しかし、今回今までスルーしてきた営業メールをちゃんと読むと、まぁそこそこ記事の内容に関連する広告もあるし、紹介されているサービスもまあまあ面白いのがあったのでこれなら悪くないなぁと思った。

僕のイメージするいい感じの広告を出しているメディアといえばPodcastのRebuildとか。このラジオはスポンサーをちゃんと選んでるし、ある程度スポンサーの感想や話題を自然に話すので聞いてるほうも面白い。

でも、1番重要なのはスポンサー広告をちゃんとメディア側がしっかりと審査して選んでいると言うとこだと思う。

さらに言うと、僕が購読しているメーリングリストのiOS Dev Weeklyでは、毎回メールの中に出てくるスポンサーサイトは同じではなくて、いつもiOSプログラマならすごく興味の出るようなサービスが紹介されている。

正直に言うと、このメーリングリストで紹介されているスポンサーのリンクはほぼ100%の確率で毎回クリックしている。ほんとにあのメーリングリストの紹介する精度は凄い。

となると、このブログで自分が選んで面白いスポンサー広告だけ貼り付けたいってなると、結論としてはそれぞれの記事ごとに自分がいけないと言うことになりそう。

うーむ、これは結構面倒そうだ。

この話に関連すると、ブログを書いている時ってやっぱり自分が興味あって書きたいと思うことを書くのが1番面白いんですよね。

だから、このサービスを紹介してくださいみたいな広告記事とかはよっぽど自分がそのサービスを気にいってない限りやりたくない。

自分が興味あることを自由に書いていって、ついでにあわよくばお金もついてくるって言うバランスが1番面白いんだろうなぁと思います。

ちなみに、営業マンが結構熱心にメールしてきてくれて(ちゃんと記事の内容に沿って広告を提案してくれた)、使ってみようかなと言うアフィリエイトサイトはこれ。登録フローは結構よくできてた。

もしもアフィリエイト

記事ごとにすごくマッチする面白いスポンサー広告を機械学習で提案してくれて、自分が納得したらそれを承認するみたいな仕組みになれば最高なんですけどね。


*家計簿読み上げのアプリ作ってます。自己紹介と過去ログはこちら


音声入力の進化でアプリのUIが変わるかも

ここ1年でiPhoneの音声入力が一気に進化したので、スマホで音声入力を最近よく使ってる。

というのも、僕は数年前に頑張ってフリック入力を練習したんだけどやっぱり入力作業はキーボードが圧倒的に早いから基本的にはキーボードで打つようにしてたんですよね。

それが最近の音声入力の進化で一気に変わった。僕はフリック入力を使うよりキーボードでバシバシ打ったほうがはるかに効率が良いけど、最近は音声入力の方がキーボードよりはるかに早いことに気づいた。

もう何か音声入力に慣れてくるとキーボードを使うのがだるくなってくるぐらいすごい文章入力が楽。実は、最初音声入力を使ってた時はやっぱり音声入力だとちゃんと認識してくれるような日本語しか使えないからやっぱり限界あるなーと思ってたんですよ。

しかし、音声入力何度も使っていくうちにそこまで音声入力で認識できないような変わった文章は使うことがほとんどないってことに気づいた。つまり、90%は音声入力で大体入力できる。自分の場合。

あとキーボード入力との大きな違いはスマホで寝転びながらでも入力できるってことです。パソコンに比べていろいろな時に入力ができる。要はキーボードっていうのはパソコンを開いて少なくともキーボード叩けるような姿勢を作らないといけないけれども、音声入力だったらスマホだから本当に自由度が高い。

自由度が高いって事は文章を入力するときの最初の1歩がいろんな状況で作れるってことなんです。文章を書くときに何が1番の壁かと言うと最初の一歩なんですよ。

最初に書き始めさえすれば後は普通に続くんだけれども、それがなかなか難しい。でもスマホの音声入力を使うと気軽にスタートできるからこれが1番でかいかも。さらに音声入力だとすらすらとどんどん入力が進むから気が付くと長文ができてしまうみたいな。これはマジで凄い。

もう最近はアプリのサポートメールの返信も音声入力でやれてるし、ラインの返信もそうだし、Twitterも音声入力でやってる。

今まではキーボードで打つのが1番早いからキーボードが使えない時は何か効率悪くてめんどいからいいや後でしようってなって結局やらないっていうことが多かった。でも音声入力だとスマホでいつでもさくっとできるので、なんかTwitterでつぶやくのもちょっと多くなっちゃうみたいな現象が起きてしまう。

ここまで読んで音声入力を以前試してみた人はこのように思うんじゃないだろうか。いやー、それでも音声入力使ったら結局それを修正するのに時間がかかって結果的に面倒でダメだってなるんですよねと。

実は以前の僕もそうだったんだけど、なんか最近の音声入力は凄い優秀でほとんど修正がいらない位になってきた。これは僕が慣れてきたって言うよりも音声入力の進出が単純にかなり上がってるだけだと思う。iPhoneすごいな。

そして、音声入力で文章を入力しまくってたらなんか次はSiriをもっと活用したくなってきた。と言うわけでアプリのランチとかいろんなこととかを最近出来る限りSiriを使ってやってみようかなと練習しています。

そんなことをやっているとふと気づいていたことあります。何かアプリを開いていろんなところをタップするのが面倒になってくるんですよ。例えば、音声入力でTwitterを開いたとしてそこから右上のツイートボタンをタップして、そして音声入力のボタンをタップしてと、ここまでのステップ数がすべてだるくなってきた。

もう全部音声でやりたくなる。つまり、アプリの操作が面倒になってくるんですよ。

これを突き詰めていくとどうなるかなぁって想像していくと、今後のアプリのUIは音声入力に標準で対応していかないとこのアプリすごい使いづらいわあって数年後にはなってそう。

例えばヘルプを見るときでもヘルプ開いてって言っただけでアプリのヘルプ画面が出てきたり、なんかこのアプリこういうことできないのって思った時は単純にそういう操作を音声で入力しするようになるかもしれない。

そういう意味では、僕はいつもアプリのUIを考えるときにいかにユーザがボタンなどを発見しやすく、なおかつ押しやすい位置に、わかりやすい表示でつけるって言うのをものすごく気をつかってきたけどこれが変わるかもしれない。

つまり、現在ではユーザが発見しやすくするためにはボタンを少なくしないといけない。なぜならあまりボタンが多すぎると重要な機能が埋もれてしまって見つけられなくなるからです。

でもアプリを音声入力でガンガン操作するような時代になると、基本的な機能はすごいシンプルなUIで絞って表示するとして、その他の細かい機能もいっぱいつけれるかもしれない。音声入力で検索してもらえるように。

これ今までは設定画面もあまりごちゃごちゃたくさん入れると本当に大切な設定項目が埋もれてしまってユーザが発見できなくなるから設定画面のオンオフでさえも慎重に絞る必要があったんですよね。これが変わるかも。

実はそれでも設定の数や機能が多くなるとわかりづらいものにはなるのでそうはならないかもしれないけど、少なくとも音声入力でお目当ての機能に一発でショートカットしやすくなるとそれだけで利便性はかなり変わってくる。

最近はもうスマートフォンがすべてのコンピューターの中でメインのデバイスになってきたけれども、目の前にパソコンがあるのにスマホの音声入力を使うことになるとは思いもしなかった。

まさに入力装置としてのポジションもパソコンから奪おうとしてきてる。これからAIとかがどんどん進化していくとこの流れは加速しそうなので、本当にパソコンがいらないシチュエーションが増えそう。

僕なんかはプログラミングするときはまだまだパソコンを使わないとやってられないけれども、一般人はスマホファーストどころか、完全にスマホオンリーの世界になってきた。

これは僕が作ってるTaxnoteの頭で問い合わせが来るときにだいぶ前からひしひしと感じている。というのもパソコン持ってないんですけども、仕訳帳や損益表を印刷したいですという問い合わせがものすごく多いから。

あーもう完全にスマホ1つだけで全てできないとだめな時代なんだなぁとよく思う次第です。

参考記事
ジョギングしながら3000字!――野口悠紀雄が教える“「超」入力法”


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