投稿者: umemoto

リーンスタートアップの落とし穴とよくある反論について書いてみる

リーンスタートアップという、出来る限り少ないコストで仮説検証を繰り返していく新規事業の手法があります。

この方法論は、バズワードを作るのが上手なアメリカ人によって、数年前瞬く間に広まり有名になりました。スタートアップ界隈で流行り始めの頃は「リーンスタートアップはすごい重要!」という雰囲気だった。

でも、あまりに有名なバズワードになると、ちょっとみんな口に出すのが恥ずかしくなったり、「あれは前々から〇〇では常識で当たり前のようにやってたことであり。。」とか、「あれはダメだよ。なぜなら。。」という言説が増えていったのを覚えてる。

そして、僕自身は、当時Dropboxの事例やら、いろいろ参考にして、自分のアプリ開発に取り入れて大いに参考になったのです。

実は、この方法論を最初に知った時に陥りがちな落とし穴とか、悩みとかについて書いたメモを先日発見しまして、せっかくだからブログ記事にすることにした。

なんでメモのままだったかというと、「うーん、これ書いてみたものの、今更この話題はどうなんだろ。。」といった気分でお蔵入りになってた気がする。

というわけで、話を進めたい。

まず最初に、このリーンスタートアップ、本を読んで、ふむふむ、じゃあこんな感じで新規事業やってみるかと実践に移すとき、よくある落とし穴があります。

製品を作る前に顧客を探す仮説検証をして、需要を見極めてから作るというのがリーンスタートアップのキモなんだけど、いつまでも仮説検証し続けてしまい、なかなかプロダクトを作り始めないという落とし穴。

というか、リーンスタートアップを勉強した時に僕自身がハマった落とし穴で、リーンスタートアップあるあるなんじゃないかと。

スティーブブランクもブログで、生徒でこの落とし穴にハマった人がいたよと書いてたし。

この落とし穴にハマる最大の原因は恐怖が関係してる。

需要があるかわからない恐怖


リーンスタートアップの本を始めて読んだ時は、「おお、この手法通りにやれば簡単やないか。素晴らしい!」と気分が乗ってくる。

というのも、アプリやサービスを作る時、一番の心配事は苦労して作っても誰も使ってくれないんじゃないかという恐怖です。人間誰しも無駄なことはしたくないもんです。作る過程事態が楽しいからそれ事態が報酬だという気持ちもあるが、結果はまったくいらないと言う奇特な人はまずいない。

やっぱ成功する希望を心にせっせとモノ作りをするはずなんですよ。この誰しもが持つ恐怖感により、いつまでも顧客を探し続け、まだ確証が持てないからもうちょいユーザーインタビュー続けよっか、となってしまうやつです。

僕はLisgo作る前に、自分が欲しいアプリでユースケースもばっちしイメージ出来てたのに、だらだらインタビュー繰り返してた苦い記憶があります。ほとんどの人がいらないと言ったので、ターゲットユーザどこにいるんだよと時間浪費してた。

知り合いの石橋さんに相談後、自分がまず使いやすいようにしてリリースしてみたら、勝手にユーザーが質問や要望送ってくれるようになりました。

ようは、自分が最初のユーザだったり、どういうものが欲しいかを把握していたら、それをバックアップしてくれるユーザを探し続けて安心しようとするのは時間の無駄だと、この時思いました。

作り始めるタイミング

でも、どのタイミングで作り始めればいいのよ?というのが自然な疑問なんだけど、ユーザーの問題とそれを解決する製品アイデアが出来た時がよいと思う。

逆に言うと、問題を十分把握している時は、さっさとリリースする事に時間を使ったほうがいい。

例えば、自分がユーザーである製品の場合、似たような人を探すことに時間を使うより、最低限のプロダクトを作り始めたほうがよい。

実際に何人の人が使ってくれるか、どれだけの人がお金払うかはリリースしないとわからない部分なので。人間、インタビューでは評判よくても、実際に製品を前にするところっと意見が変わる。

ただ、解決する問題をハッキリ理解してない時は、市場調査を先にしたほうが効率いい。

ちなみに、「ユーザーに欲しいもの聞いても意味ない」という市場調査に対する批判があります。確かに欲しいものかどうかはリリースしないとわからないけど、ユーザーの問題は理解してないと誰も使わないもの作っちゃう危険性が凄い高いです。

Taxnote作る前は、自分が確定申告の帳簿入力をアプリでやりたいという明確なニーズを持ってたけど、申告制度や、人気ソフトの使われ方は知らなかったので、アプリ作り始める前に相当研究しました。

時間の投資効果で決めればいい

結局は、市場調査にかかる時間と製品作る時間のトレードオフで考えればいいと思うんです。

ターゲットユーザーを探して、アポ取って、インタビューする時間がまったくかからない環境ならリスクも低い。普通はターゲットユーザー探すのに苦労するから時間かかるけど。

そして、製品作り始める段階では、どの機能が一番早く作れるかではなくて、どの機能が一番重要かをまず先に考える。そのプロダクトに需要があるかどうかを検証するにはどの機能が最低限必要かを考え、その最低限必要な機能からリリースして、仮説検証するまでの時間を可能な限り短くする。

結果的に、その他のナイスな機能は後回しになると思います。その時一番重要な検証部分を決めて、小さく進んで行く。

向き不向き

リーンスタートアップが向く製品と向かない製品があるので、応用できないものに無理して応用しようするのも落とし穴。

例えば、ガンの特効薬とか痩せる薬に市場調査なんていらない。需要があるのは明白だから。重要なのは、副作用なく効果のある薬を開発できるかどうかであり、そこに時間使えばいいわけです。

逆に、プロダクトハントみたいな、メーリングリストから小さく始められたサービスは、まさに、ぴったりハマった事例。

偉い人がディスってたよ?

ピーターシールとかマークアンドリーセンが、「リーンスタートアップが流行してるけどいかがなものか」的なことを少し前に言ってたりする。

でも、あれはよく聞くと、早く失敗するという風潮が大きくなりすぎて、失敗することが目的になったり、すぐ諦めて方向性を変えることに対していかがなものかと言ってるわけで。

言動の一部分だけ切り取って、「そっかー、リーンスタートアップなんてただのバズワードで意味ないんだー」と早合点し、振り回される必要はないと思います。

仮説検証を小さく区切り、フィードバックを聞きながら、トライアンドエラーを繰り返す。単純にこれを忠実にやるだけなので。

現代では、最初から完成度ないとダメじゃない?

よくある悩みとして、これもある。

ようは、「第一印象がとても重要だから、競争の高い現代では、最初から完成度の高いものをリリースしないとダメだ!」という意見です。これも、モノによりまして、例えば、人の命に関わるハードウェア、車とかなら、最初からある程度の完成度は重要です。

ただ、ソフトウェアやアプリでそこまで考えると、逆に自分の首を絞めることになると思う。

というのも、ユーザのフィードバックを参考に改善していくレールにいかに早く乗るかがキモなので、これを遅らせると、完成度の高いアプリが出来上がるまでの時間がその部分遅れる。

さらに、どんなものでも、一度作ったものを完全に破棄したり、やり直ししたりするので、そのやり直しリスクも遅らせるほど高まります。

そうは言っても第一印象が重要は重要だよ?というのは直感的に思うけど、別に、一目惚れしたたった一人の女の子に渡すわけではないんですよ。将来、たくさんの人に届ける予定のサービスを作っているなら、たくさんの初回ユーザーがいるから大丈夫。

それに、最初からたくさんの人が群がってこないもんです。最初に来るのは、本当にその製品が刺さる人だけなんで、そういう人こそ、長い目で見ながらフィードバックをしてくれます。

ちなみに、最初から宣伝にお金かけたり、テククランチに乗らない方がいいのは上記の流れが阻害されるからでもあります。

さて、これこれの理屈が分かっていても、宣伝も最小限に抑え、小さくスタートすることがままならないケースがあると思う。思いつく限りでは、会社のブランドが傷つくから、小さくスタートできない場合とか。

これは大きな組織のデメリットなので、失うブランドがない、小さなスタートアップや個人開発者はスタート地点から有利に立っているということになる。

小さな組織が大きな組織と戦うには、相手が真似できないことで競争有利になることを、トライアンドエラーでやりまくればよいと思います。


*家計簿読み上げのアプリ作ってます。自己紹介と過去ログはこちら

gengoとScreenshotBuilderとfastlaneで、AppStoreのローカライズがめちゃくちゃ楽になった

最近はiPhoneアプリ開発周りの便利ツールがたくさんありまして、この度、AppStoreの翻訳をしてみました。

この記事では、翻訳しようと思った経緯と、最終的に使った便利ツールで、こうすれば効率的に翻訳出来たよといった経験を書いていきます。

さて、今回翻訳したのは、世界にパタパタと羽ばたいてくれないかなと期待しているListTimerです。

当初、めちゃシンプルなタイマーアプリだから、英語だけに翻訳しておけばいいやろと思ってたんです。

でも、この記事を読んでから、「なるほど、ローカライズしないとそもそも検索に引っかからないのか。。」と考え直したのがきっかけ。

「約3年で1,180万円を稼いだ、いま広告収入は月100万くらい」地味だけど寿命は長い「電卓アプリ」実際に効果があった5つの施策。

ListTimerと同じく、電卓アプリなんて、翻訳しなくても誰でも使えるだろの領域のはずなんですが、ローカライズしないと引っかからないと成功者が言っているので、ものは試しにやってみようと。

まずはアプリ内部も翻訳しようと

そこで、僕のアプリの中で一番楽そうなListTimerでやってみるかと思い、Xcodeを開き、ローカライズの準備を始めました。

そんな折、lokali.se/っていう、アプリのローカライズ専用サービスを発見してたので、これを使って見ることに。なんと、iPhoneの翻訳ファイルそのまま読み込んで、翻訳してくれまっせっていう楽チンなサービス。

それに、アプリ開発に特化した翻訳サービスなら、アプリの翻訳のイロハ的なものに詳しい翻訳者が揃っているんじゃないか。。という淡い期待も重なり使ってみた。すると、なんと、びっくりしたことに、このサービスで、日本語の文字数カウンタがバグっておりまして、アプリまるまる翻訳しても6ユーロとか安すぎる結果に。。

なんだ、これは。バーゲンセールじゃないかと。気づかなかったふりをしてそのまま注文してみようと思い、ポチッと注文ボタンを押して1日待ってみました。

そしたら、翻訳完了予定日の1日を過ぎても結果がこない。。

二日後ぐらいに、来ました返事が。

「ソーリー、ちょっと日本語からの翻訳はクリティカルなバグがあって、今受け付けれてないんだ。お金は返金しとくよ!」

そうか・・・。やっぱ、そうですよね。。気づかないふりして注文していたのはこの僕だ。

ちなみに、lokaliの人に、「このサービス便利だから頑張って下さい、ブログでも書きますんで。」とかやりとりしてたんだけど、翻訳部分はこの後説明する、gengoのapiを使っているみたいです。だから特に、アプリに慣れてる翻訳者がやるってわけでもなさそう。

AppStoreだけ翻訳することに

実は、この過程で考えたんだけど、アプリ内部のローカライズってやっぱり面倒なんですよね。

特に、タイマーの画面でStoryboard使ってたから、文字だけじゃなくて、そのフォントの大きさとか変更したり、横に長くなったら画面に収まらないボタンが出るとか。。ああ面倒だ。面倒なことはやりたくない。

その時考えました。

いや、ストアで引っかかる目的なら、まずはAppStoreのアプリ名、スクリーンショット、説明文、キーワードだけを翻訳すればいいんじゃないかと。

でも、これストア説明文だけ翻訳して、アプリ開いたら英語でしたってなってたらユーザに怒られないかなと心配になった。試しに検索したら、アプリがダウンロードしたら英語だったから星1とかつけられて嘆く開発者のツイートも発見された。

どうなんだろう。そもそも、ストアだけ翻訳したらアップルにリジェクトされないのかとも疑問に思いました。そこでFacebookのiOS開発者のフォーラムで質問してみたら、先駆者に人達から死ぬほど有益なアドバイスがもらえました。

「ストアだけの翻訳は規約違反じゃないよ。アップルがWWDCの発表でも、まずはストアだけでも翻訳しましょうって言ってるぐらいだし。」

おお、これで安心してストアの翻訳ができる!

しかし、こんな意見も。

「僕も自分のアプリで多言語化してみましたが、特にダウンロードに変化はありませんでした。。」

まあ、世の中そんなもんですよね。。実は、僕のアプリも英語化してるけど、英語圏からのダウンロードは全体の15パーセント以下です。一年以上経ってもそんなもん。

でも、アプリがヒットするのってなんかのきっかけで突然だし、そのラッキーチャンスの土台を伸ばすためにも翻訳するぞと、前に進みました。というのも、昔と違い、今回はアプリの翻訳を圧倒的に効率化してくれる、二つのツール、ScreenshotBuilderとfastlaneを知っていたからです。

人間、魅力的なツールを知ると、いろいろ理由を作って使ってみたくなるんですね。

ちなみに、ScreenshotBuilderの便利さはこちらの記事で。
AppStoreのスクショ作成には、Screenshot Builderが便利

そして、翻訳サービスには、評判の良いgengo.comを使うことにした。

gengoが速くて便利

今回、gengoは初めて使ったんだけど、これ、凄くよく出来ている。

サイトも使いやすいし、何より、翻訳スピードが速すぎる。今回、ストアの説明文の文章は三行程度だったので、全部やっても、5時間以内で納品とか出てくる。で、実際には30分ぐらいで出来上がるとかザラ。速すぎる。納品が速いだけで作業がやりやすい。

ちなみに、gengoでは、ネイティブとプロという、二つのレベルを選べて、プロ翻訳者の方がちょっと高い。今回は、ストアに出すものなので、念のためプロのレベルを選んだ。そして、このgengoで翻訳者とやりとりする時、ScreeshotBuilderのシェア機能がすげえ役立つ。

例えば、これがListTimer日本語のスクショをリンクにしたところ。
https://launchkit.io/screenshots/gpIoxApCBY0/

このスクショの上にある文章を英語化したとして、gengoで翻訳してもらった文章を写真に簡単にはめられるわけです。

さらに、ScreenshotBuilderでは、文字が収まりきれなかった時も、フォントサイズを変えたり、フォントの種類を変えたりすると、iPhone4、iPhone5、iPhone6、iPhone6Plus、iPad、iPadProのすべてのスクショのフォントが自動的に切り替わる。

で、こちらが英語化したリンクなんだけど、このリンクと一緒に、

「写真にはめてみたけど、いい感じですか?https://launchkit.io/screenshots/0kPE3Dk_VH0

とかgengoで翻訳者に確認するわけです。そしたら、

「ちょっと三枚目の文章を変更してみたわ!」

とか、修正してくれたりするし、何よりも、

「すいません、ドイツ語だと長すぎて、こんな感じで二段落に収まらなかったんだけど、短くできないもんでしょうか?https://launchkit.io/screenshots/3BnyTfxnyUs

とか、スクショのリンクと一緒にお願いできる。gengoとScreenshotBuilderの相性良すぎる。オススメ。

英語から翻訳すると安い

gengo.comを使ってみるとわかるけど、同じボリュームの文章を翻訳しようとしても、日本語 => フランス語 より、 英語 => フランス語の方が安い。これ、多くの言語を翻訳しようと思って、ボリュームが増えてくると、結構な違いになる。

今回は、アプリ名、三行ぐらいのストア説明文、キーワード、スクショの文章ぐらいのボリュームだけど、それでも、5つぐらいの言語に翻訳したら、80ドルぐらいになって、それが、英語からだと50ドルぐらいに下がったりする。これは、日本語の文字数カウントが高くつく仕組みだからかもしれない。

なので、英語でのやりとりが問題ない人は、まずは、日本語 => 英語にして、そっから英語 => ヨーロッパ言語にすると安くなる。特に、英語 => ヨーロッパ言語 は文字も似ているので、スクショの文章やキーワードの文字数がフィットしやすい感じがした。

でも、中国語と韓国語は日本語からにしました。というのも、この二つの言語は日本語と同じで圧縮されるから、キーワードも日本語の感覚でかなり詰められる。中国語なんて、日本語のキーワード100文字制限で送ったら、70文字で帰ってきた。

日本語で130文字ぐらいキーワード考えてちょうど良いぐらいだったので、「時計、時間」とかキーワードもう考えられんわと、逆に大変でした。ある程度まで行くともう思いつかないんですよね。。

iPhoneアプリはどの言語から翻訳すべきか

当然考えたこととして、iPhoneアプリではどの言語から翻訳するのが費用対効果が良いかってことでした。話者の人口が多くても、その言語を使っている国でiPhoneが普及してなかったら意味ないわけで。

そこで、参考にしたのがこちらのリンク。
The Importance of Localization in App Stores – App Annie Blog

2011年のデータなのがアレですが、無料ダウンロードだと、英語、中国語、ドイツ語、フランス語、韓国語の順。以外に韓国が重要みたい。

こちらのリンクは、2014年Q1のiOSダウンロード。第5位にロシアが入っている。
http://blog.appannie.com/app-annie-index-market-q1-2014/

こっちも参考にしました。
世界で最も影響力のある25の言語ランキング

例えば、ポルトガル語に翻訳すると、ポルトガルの人口は1000万人だけでなく、約2億人の人口を抱えるブラジルにもリーチできると。まあ、ブラジルでのiPhone普及率はすごく小さいけど。

結論から言うと、

英語、中国語(簡体)、フランス語、ドイツ語、スペイン語、ロシア語あたりをまずはやっとけばよいんじゃないでしょうか。iPhoneの場合。今回はテストという意味も含め、これに加えて、中国語(繁体)、韓国語、ポルトガル語、インドネシア語なんかもノリでやってみました。

AppStoreでは、スペイン語はスペインとメキシコで使えて、ポルトガル語はポルトガルとブラジルでも使える。

念のため、gengo.comの翻訳者に、

「このスペイン語、メキシコのストアでそのまま使ってもいいかな?」

と聞いたら、

「この文章はどっちでも通用する文字しか使ってないから問題ないよ。」

という返事が来た。一応確認するのが精神安定上良いかもしれません。

アップロードはfastlaneで

アプリの説明文やスクショをアップロードする最終兵器がfastlaneです。

これは真面目に便利すぎて感動する。

以前から名前は聞いていたが、

「そうか、まあ便利そうだな。でも、僕はそんな対してアップロードする機会もないし、一回アップすればまず変更しないからいいや。」

とスルーしてた。

しかし、今回、ここまでたくさんの言語にローカライズして、スクショの数だけでも膨大な数。fastlaneがなければ詰んでた。むしろ、fastlaneがなければやろうと思ってなかったと思う。ありがとう、fastlaneを作ってくれた人。

具体的にはfastlaneのdeliverっていうツールを使う。ターミナル経由で、全部の言語のスクショ、説明文などを一気にアップロードしてくれる。

そして、gengoで翻訳された、説明文などをtextにコピペして、ScreenshotBuilderで生成されたスクショをfastlaneのスクショロルダに突っ込む。そのあと、ターミナルから一気に全部アップロードしたら、サクッと全部反映されてました。素晴らしい。

fastlaneのセットアップはこれ読んだら簡単にできた。
iOSアプリの継続的デリバリーに便利なfastlaneのご紹介

まとめ

さて、今回、調子に乗ってAppStoreの文章を必要以上にローカライズしてしまいましたが、重要なのは、それでダウンロード数が増えたかってことです。

ちなみに、gengo.comに、9言語ぐらい翻訳依頼して、全部で150ドルぐらいかかった気がします。多分、大してダウンロード数も増えず、このコストは回収できない気がするので、とりあえずブログを書きました。

まだサブミットしてないので、しばらくして結果が出たら、また記事にでもしようかと。


*家計簿読み上げのアプリ作ってます。自己紹介と過去ログはこちら

Parseが亡くなると聞き、枕を濡らしながら、代替候補のAWS Mobile Hubを勉強してみた

昨日、ずっと枕を濡らしながらAWS Mobile Hubについて調べていたので、AWSとかさっぱりわからない人の視点で、Parseとの比較をしてみる。

そもそも僕はAWSを本格的に使ったことがなく、Voicepaperの音声ダウンロード先にS3を使っているぐらいだ。つまり、AWS童貞と言っても過言ではありません。

さらに、一応CakePHPでWebサービス作ったことはあるものの、そんなのは3年以上も前でもう忘れたし、その時のサーバはサクラのレンタルサーバである。つまり、バックエンドなんてわからない、残念なプログラマという位置付け。

そういう人だからこそParseをこよなく愛し、Taxnoteに自動同期つけようと4か月近くCoreDataとの連携をせっせと準備し、UIもいろいろできた、リリースするかといったところで、Parseご臨終の悲報を聞いたのが先日だったわけです。

いやあ、僕は自分のコードでバグないかとすごい心配してたけど、サービス自体がなくなるとは想定外でしたね。つい最近までダッシュボードをリニューアルとかしてて、そんな気配は微塵も感じなかったし。

いつものようにParseのダッシュボード開こうとしたら、悲しい告知文がでかでかとあり、ショックなんてもんじゃなかったですね。

ザッカーバークも育児休暇から帰ってきたら、気分が変わったのかな。

というわけで、AWSとかよくわからない人が、Parseからつい最近出たAWS Mobile Hubを数時間勉強した感想を書いてみます。

AWSマスターの人は全く役に立たないけど、似たような境遇の人にはちょっと役に立つかもしれない。

なぜAWS Mobile Hubなのか

いや、実はまだどれに移行するか、そもそもバックエンド自分で頑張るかなども含め、検討中なんですよ。

でも、正直、この分野はParseが圧倒的に使いやすく、有力な他の選択肢はいなかったという認識なんですね。偏見ですが。

さらに、バックエンドみたいな依存度の高いサービスで、またParseみたいな事態が起こったら怖すぎる。たくさん、似たようなサービスあるけど、3年後に生き残ってそうな安心感があるものはといえば、難しい。

と考えたところ、FirebaseかMobile Hubを触ってみようかと思い、Mobile Hubの方が、AWSのツールだからまだ安心感あるわと思って、こっちから勉強することになりました。

ちなみに、Parseの代替は?っていうリンク。いろいろあるんですね。
https://github.com/relatedcode/ParseAlternatives

AWS Mobile Hubの情報源

最近発表したばかりでベータなのもあり、日本語の情報源は少ない。英語の情報源も少ない。

日本語で、情報が多かったのはコレでした。
AWS Mobile Hubで超かんたんモバイルアプリ開発 (Android / iOS)

そして、英語も入れると、一番良いのは、Amazonの解説動画を見ることです。これを見たらだいたい概要つかめました。

そして、何より、Mobile Hubは実際に触りながら分かるという具合にできていて、自分が使いたい設定を選んでサンプルコードを生成してくれる。

だから、ざっと上記のリンクで概要掴んだら、いきなり触ってみるのが一番良さげ。

AWSのいろんな単語に戸惑う

まず、最初に戸惑ったのが、AWSのいろんな単語です。

やれ、Cogniteだ、Lamdaだ。初めての自分にはツールがありすぎて、どれがどれだかわけわかめ。

サービスの名称を見ても、何をしてくれる機能なのかはわからないものが多い。まるで、アプリを開いたら、アプリ独自のアイコンや名称ばかりで、どのボタンもタップするまで動きがわからないみたいな。

今思うと、なんでAWS DataStorageじゃなくて、S3っていう名前なんだろうか。

そして、説明を読んでもAWS童貞にはあまりピンとこないのも多い。

昨日わかったことは、AWSはいろんな便利ツールがあるけど、それをモバイルアプリ開発で、簡単に扱うツールというのがMobile Hubらしい。

Parseみたいなサービスを作るぜ!ってAmazonが新規に開発したという感じではなく、これ使うとAWSのツール群と簡単につながりますよみたいな。

Mobile Hubで出来ること

ユーザ認証 (Facebook、Googleなど)、プッシュ通知、S3使ったコンテンツ配信、ユーザのデータ保存(写真とか)、解析ツール、クラウド側のロジックを書く。

この6つが簡単に設定できると。

ユーザ認証はParseみたいに、洗練されたUIを使えるわけではなく、シュールなWebっぽいUI。そして、悩ましいのは、Facebook連携とかしない、メアドで独自のアカウント作成してもらう時は、自動でやってくれないみたいだ。

多分、何かと繋げればやれるのだろうけど、そのままだと出来ませんみたいな印象。

S3使ったコンテンツ配信は良さげ。何と、全世界のサーバ使ったCDNか、一つのポイントから配信するかの選択もできる。これはいい。

ユーザのデータ保存は、写真とか、そういうものを保存できる。

で、僕が最初に探したのは、CoreDataと連携して、データベースの自動同期をしたいので、このUser Data Storageというデータ保存機能はそういうことできるのかと。

調べた結果、できないみたいだ。それはDynamoDBというデータベースツールを使うらしい。それはMobile Hubには入ってないから、自分で設定してなみたいな位置づけらしい。

どう繋げるかは、まだよくわかってない。

AWS Mobile SDK

Amazonさんは、だいぶ前からAWSとモバイルアプリ開発を繋げるSDKを出していたようだ。調べて初めて知った。

それがAWS Mobile SDK! これは、リレーショナルデータベースを使えるDynamoDBとか、S3とか、そういうものもiOS SDKから使える!

じゃあ、これ、Mobile Hubとどう違うのと。悩ましい。おそらく、Mobile Hubは連携の面倒な部分を一気にやってくれるんだろうけど、この二つをどう区別したらいいかが分かってない。

サンプルコードを見てみたら、メソッドとかがParseで慣れていると使いにくそうだというのが印象でした。Blocksの書き方とか、SaveEventuallyとか、そういう便利なメソッドはなさそうだ。

僕みたいな人がここで疑問に持つのは、じゃあ、AWS Mobile Hubって一体なんなのかっていうことだと思う。AWSのツール全部と繋げるわけでもなさそうだけど、やろうと思ったらAWSのツール全部使えるみたいな印象だし。Mobile SDKとの位置付けを説明してくれよと。

Amazon Mobile SDKのリンクがこちらなんだけど、飛んだら、なぜかMobile Hubのボタンが中央にあるぞ。この困惑のUXは如何なものか。
https://aws.amazon.com/mobile/sdk/

親切な人が教えてくれるかもしれないので、その時はこの記事をアップデート。

*親切な人が教えてくれました!

Mobile Hubは、環境構築 + テンプレートソースコード自動生成するものらしい。AWSのリソースは複数のサービスを連携して使用する必要があるため(例えば、LambdaとIAMを設定等)、それをサクッとやってくれると。

となると、Mobile Hubで環境構築して、AWS Mobile SDKを使うことになりそうなので、SDKの使いやすさがキモとなりそう。

AWSだけあって

AWSだけあって、いろんな有名サービスがアプリのバックエンドとして使ってるし、使いこなせば最強っぽい。

AWS Mobile Hubで最初から連携できることは限られているけど、AWSのいろんなツールに連携したら、いろいろできるみたいだし。

しかし、その使うための導入部分のUXとか、分かりやすいドキュメントとか、SDKの出来などがParseの強みだったんだけど、そういうのに慣れていると、結構頑張って、わかりづらいジャングルを突き進まないといけないイメージ。

多分、一発もののアプリならFirebaseとか使った方がサクッとやりたいことはできそうではあるが、長期的にやりたいプロジェクトとかなら、AWS使った方が良さそう。

いやあ、勉強しないといけないことは多そうだ。。でも、AWSはそんな簡単に亡くならないだろう。。多分。。

こういうインフラ依存とか、プラットフォーム依存って、ITビジネスの難しい問題ですね。全て自前でやるのは非合理な場合が多いし、依存したら一気に崩壊する危険性もあるし。

飛行機は乗りたくないけど、旅行するには、他の現実的な選択肢がないみたいな。ベルカンプさんは別だ。


*家計簿読み上げのアプリ作ってます。自己紹介と過去ログはこちら

AppStoreのスクショ作成には、Screenshot Builderが便利

iPhoneアプリをAppStoreに出す時、スクリーンショット作成は本当に面倒なお仕事です。

iPhone4、iPhone5、iPhone6、iPhone6Plusのサイズをそれぞれ5枚用意しないといけないし、iPadも対応してたら、最近はiPadとiPadProまで用意しないといけないんですよ。

さらに、ローカライズしたら、それが2倍、3倍、4倍と増殖する。。

さらに、せっかく作っても、「このpngの形式はダメだ。」とかiTunesConnectに文句言われて、形式をチマチマ変更したり。

もう嫌だ、俺はこんなことはしたくないという方は、ScreenShot Builderというサービスが便利。

このサービスは使い勝手がよくて、文字の変更、バックグラウンドの変更など、必要最低限のことがやりやすい。

競合のDavinciAppsも使ってみたけど、サイトは綺麗だけど、こっちは出来ることがあまりに少なすぎて、ちょっと使えなかった。

ListTimerはしょぼいスクショ2枚だけで、真面目にやってなかったんだけど、なぜか一年経ってから人気が出てきたから、こんな感じで作ってみました。


iPhone4、iPhone5、iPhone6のサイズでどう変わるかのデモはこちら。

いいですね、こんな簡単に小綺麗なスクショができて。

気になるお値段

一つの写真セットで、iPhone版だけでよければ無料で使える。スクショ使ったら、削除して、また作り直すというやり方もできるので、iPhone版だけでよければ無料で結構使える。

英語版、日本語版とか、複数のアプリのスクショを作りたかったり、iPadのスクショも作成したかったら、一年99ドルのお値段。ちょっとお高い。

さらに、このサイト、サイト内では「Pro版は49ドル」とかいうポップが表示されたんですよ。で、それをクリックすると、99ドルの画面に。

おいおい、どう言うことだと。ちゃんと値上げするんだったら、全部のページで反映しておいてくれよと。以前の値段見ちゃったら、高く感じるだろうと。

自分のコントロールできないアプリレビューサイトで、以前の価格が紹介されているならともかく。。ほんまに。。最近値上げしたところなんだろうけど。

まあ悩んだ末、すごくよくできているので購入してみた。せっかく購入したから、ブログでも紹介してみました。

ソフトエアがソフトエア開発を食らう

最近、感じるのは、アプリ開発のエコシステムがどんどん出来上がってきて、便利なサービスがいっぱい出てきているということ。

昔だったら、こんなスクショ作成を作るサービスなかったから、自分でちまちま作らないといけなかった。

アプリを作っていて思うのは、可能な限り自分しかできないコアな部分に集中して、その他の部分は楽にやりたいという思いなんです。

今なら、いろんなオープンソースがあるし、ParseやMixpanelみたいなサービスもあるし、Helpshiftもある。アプリのアイコンも凡庸性の高いのがセットで売ってる。

Gigsterなんて、もう、プログラミングと、プロダクトマネージメントまでアウトソースしちゃうサービスだ。

自分の苦手だったり、やりたくない分野をフリーランサーにアウトソースするできる時代ですが、それはそれで面倒なので、どんどん面倒な部分をサービスにする部分にビジネスチャンスがあると思う。

*参考リンク
フィードバックしやすい状況を作るHelpshift
Parse Local Datastore for iOSがやっと出た
Mixpanelでアプリ内に告知ポップを出す


*家計簿読み上げのアプリ作ってます。自己紹介と過去ログはこちら

「iOSってなんですか?」という質問が来てハッとした

アプリのUIデザインで一番重要なのは、ボタンやメッセージに使われる言葉だと思う。

ここでは、他の文章と違い、権威付けや、自分を賢く見せるためにあえて難しい言葉を使う人は皆無だと思う。とにかく分かりやすく、できるだけ短い方がいい。

でも、これが簡単なようで、本当に難しい。

アイコンで代替できないか

まず最初に考えるのが、文字ボタンをアイコンに変更できないかということ。アイコンに変えられるなら、世界中の人がわかるし、翻訳の手間も減る。

でも、一般的に普及しているアイコンと、していないアイコンがある。例えば、進む戻るの矢印アイコンならば分かりやすいけど、あまり見慣れないアイコンになった瞬間、押してみないとわからない状態が発生する。

アイコンを使う時は、本当に誰でもわかるアイコンかを何度も考える必要がある。押してみないとよくわからない状態は良くない。

短くするのは難しい

まず、メッセージは短くないと誰も読まない。例えば、長い長い利用規約は99パーセントの人が読まない。

かといって、短くしすぎても情報が足りなく、説明不足になりかねない。この兼ね合いが難しい。

例えば、iPhoneのアプリ内課金の説明文、ポップアップなどは、お金を払う前の不安でいっぱいなユーザを前に、とてもとても重要な文章になる。

一回買い切り、ユニバーサルアプリ(iPhone/iPad共通)の課金の場合を例に考えてみる。

例1
「購入ご検討ありがとうございます!購入すると、有料の機能がアンロックされます!」

これは、最初の文章が削れるし、アンロックという言葉もわかりにくい。できれば、有料の機能とは何なのかも教えて欲しい。

例2
「有料版では広告がなくなります!」

これは完結で、はっきりしていて、例1より良い。でも、これだけだと、いっぱい質問がきました。

一度買い切りのアプリ内課金に対して、「月額課金ですか?」というのが一番多かったのですが、この不安は想像以上に多いです。

多分、月額課金じゃなさそうだけど、そうだったら怖いから確認しようという心理だと思う。

例3
「有料版では広告がなくなります。購入は一回限り、機種変更時は無料で復元が出来ます。」

例3は、買う前に、しっかり明示するようにしてみました。

ただ、ここで、復元という文字がありまして、これ意味がわからない人が多いです。リストアも意味わからない人多いです。悩ましい。

さらに、iPhoneで購入したら、iPad版は別に再購入必要ですか?という質問も多くきました。

すると、こうなります。

例4
「アップグレードでは広告がなくなります。iPhone版を購入すれば、iPad版は無料です。購入は一回限りで、機種変更時も無料でアップグレード出来ます。」

こんな感じでしょうか?長い。。

どこまで説明するかは、状況によっても変わり、アプリのユーザ層によっても変わります。正解がない。

でも、ベストな状態に少しでも近づくためには、ユーザからの問い合わせやレビューが、大切なヒントになります。

例えば、「復元って何ですか?」という質問が一件あれば、その裏に50人以上は同じ疑問を持った人がいるはずです。

わざわざ質問する人は50人に1人だろうし、それ以下かもしれない。

分かりやすい単語を使う

分かりやすい単語を使うのも大切です。

この分かりやすい単語というのは、まず、その世界での一般的な単語が基準になります。iPhoneアプリだったら、アップルが使っている単語とか。

しかし、しかしですよ。iPhoneの日本語版で使われいる単語だからといって、みんなが分かるというとは限りません。

例えば、iPhoneを日本語版で使い、設定画面に行ってみましょう。平気で横文字がたくさん出てきます。

フリック、ストレージなどなど。これがわからない人は結構多いです。

だから、アップルの日本語の説明文で「リストア」とか使われていても、そのまま使うと分からない人が大量に出現する。

アプリ開発していると当たり前の単語とかも要注意。僕は、こんな質問が来てハッとしました。

「iOSってなんですか?」

なるほど、確かにiOSはわかりづらいかもしれない。。それからというものの、iOSという単語を使うのは止めました。

「iPhone/iPad本体のバージョンを最新にしてください。」とか、こういう風に書くようにしました。

サポートでも分かりやすい単語を使う

サポートでも出来る限り分かりやすい単語を使うのが無難です。

SNS、リストア、iOSなどの横文字を使って返事すると、知らず知らずのうちに、こんな状況になるかもしれない。

「うわ…なんか分からない単語が混ざった返答がきた。。今日は疲れてるし、意味をググるのも面倒だ。もういいや。。」

そもそも、詳しい人は自力で解決することが多いので、周りのIT関係者との会話で使っている単語とは切り替えて、分かりやすい言葉を使っているか再確認するのかがいいかもしれない。

とここまで、書きましたが、簡単なようで難しい話なので、自分もなかなかうまくできません。

でも、頭の片隅に置いておくだけで全然違うし、プログラミングするよりコストは低いので、分かりやすい言葉を使うのは費用対効果からもオススメ。


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世紀の空売り、ブロガー上がりの投資家バーリが想定できなかった要素が面白い

先日、マイケルルイスの傑作、世紀の空売り原作の映画がそれはもう面白かったので、数年前に読んだ原作を読み直してみた。

日本では、マネーショートという微妙な名前で3月公開らしい。

そしたら、一度読んだ本のはずなのに、もうほとんど細かい内容忘れていて、かなり楽しめた。映画見た後に、登場人物の顔とかを検索したりしてたのもあり、イメージがあったのも良かった。

世紀の空売りは、サブプライムローンで相場が崩壊する方に賭けて、数十億、数百億を手にしたヘッジファンド達のノンフィクションですが、なんといっても一番魅力的なのは義眼のバーリです。

映画でも、こいつだけずっとシャツと短パンで、トレーディングフロアで苦悩したり、ドラム叩いたり、ヘビーメタル聴いてストレス発散したりしてるんだけど、ひたすら孤高なんですよ。

で、金融崩壊で大金稼いだ他のヘッジファンド達と違って、バーリだけが、一番最初に、自分一人に力でその投資手法を発見した。

話の内容をちょっと説明すると、サブプライムローンが崩壊する方に賭けるアイデアをウォール街に吹き込む、ドイツ銀行のリップマンという人物がいるんです。

で、この人が、「ああ、このままだと住宅市場が崩壊するぞ。そして、住宅市場が崩壊する方に賭ける方法を見つけた!この商品をヘッジファンドに売りまくるぞ」と考え、ウォール街のヘッジファンド達に売って回ったんです。

だから、この金融危機で大儲けし人達は、直接的、間接的に、このリップマンの話からアイデアを得た。

じゃあ、何でリップマンはそんな儲け話を他人に教えてあげたかというと、自分でヘッジファンド設立して投資するには時間が足りないからという理由だったらしいが、本当のところはわからない。

自分の読みには自信を持っていたけど、銀行員という立場の方が、儲けは少ないけど最悪のケースのリスクは低いと考えたのかも。

ただ、バーリだけは、自分の調査で崩壊を予測し、どうすれば住宅市場に空売りできるかも発見したんですね。

だから、バーリさんすげえな、リスペクト。

っていうことを書きたいわけじゃないんですよ。

逆に、そんな頭のいいバーリも想定できない出来事がたくさん起こる。そこが、この本の面白いところで、自分の予想が当たっても、上手くいくとは限らなかったというところです。

まず、バーリがなんで株式投資に入ってきたかも面白いので、そこから書いてみる。

ブログ書いたらスカウトされる

バーリのバックグラウンドは、ウォール街でもなんでもなく、研修医。ここがまず面白い。

小さな頃に片目を失い、もともと内向的な性格だったんだけど、何かに対する集中力だけは特筆すべきものがあり、簡単に医者の試験に合格する。

でも、あまり医者の世界に興味を持てず、株式投資に関するブログを書いてた。その時、学費ローンの借金は1000万ほど。

そしたら、そのブログが評判になって、投資会社のやつに見出され、突然ファーストクラスのチケットと一緒に投資会社のオフィスに呼ばれ、いきなり数十億円規模のファンドを任されることに。

いやあ、ブログの力ってすごいですね。(笑)

最終的にバーリは数百億円稼ぎ出すけど、業界経験0の人が、ブログ書いてここまで成り上がった話はなかなかないんじゃないか。

そんなバーリが想定できなかった事態

さて、バフェット信者でバリュー投資家のバーリさんは、そのあと、順調に成績を伸ばして顧客の信頼を勝ち取るわけですが、サブプライムローンが崩壊することを予測し、一点空売りのポジションを取ることになる。

空売りっていうのは、市場が下がる方に賭けるんですよ。

で、何がしんどいかというと、市場が下がり始めるまでは、ずっと損をし続けるんです。だから、精神的に辛いと言われる。

バーリは自分の投資に確信を持っていたから、もちろんそれは覚悟の上だったんだけど、彼が十分想像できなくて、最も辛かったのが、信頼されてたはずの顧客からの猛反発だった。

いくらバーリがメールで自分の投資戦略を説明しても、年に18パーセントとか下落するファンドに我慢できない投資家達が、「お前いますぐこのポジションを辞めろ。」とか、「お金を返せ」とか、猛攻撃してくるわけです。

この辛さが、原作では細かく書かれてあって、ここが一番の見所。

予測が当たっても綱渡り

ファンドの投資家達のプレッシャーは実際のところ、バーリの賭けを崩壊させる危険性を十分持っていた。

というのも、バーリが買っていた金融商品の規約の中で、買い手のファンドの規模が大きく下がってしまった場合、契約は破棄になるという条項があった。

そして、バーリのファンドの顧客達が、損を出していくファンドに耐えられず、お金を引き上げるとプレッシャーをかけてくる。

そこで、バーリは、自分のファンドにある、「特定の取引に関しては、長期的な視野が必要だから、顧客は2年間は解約できない。」という規約を盾にして、ファンドを守ろうとする。

これまた、顧客達が怒る燃料になってしまい、2年間の期限がきたらすぐ解約しようとする人達が大勢。

このままでは、住宅市場が崩壊して自分の賭けが成功する前に、顧客離れによって全ての計画が崩壊する危険性が出てくる。

そして、また違う規約を見つけて、「特殊なポジションの賭けの場合、顧客が引き出せない別口座にお金を預けられる。」という裏技を実行し、また顧客がお金を引き出せないようにする。

それに激怒した、バーリのファンドの顧客は「訴えるぞ!」とメールが殺到し、バーリを見出して、ファンドマネージャーにした産みの親みたいな人物もバーリを批判し始め、バーリさんは大変ショックを受けるわけです。

誰も俺のことをわかってくれない。。ってやつですね。

頭で想像できない部分の不確実性

まあ、後から振り返ったら、ちゃんとコミュニケーションとって、こういう事態も想定しておけよとか、やっぱ頭良くてもコミュ障の人はこうなるよね、とか言うのは簡単なんです。

これは市場崩壊に対する保険みたいな取引だから、何かあるまで損し続けるのは当然なんですみたいなイメージで売ればよかったとか。(実際、バーリの1年後に同じ賭けを始めたジョン・ポールソンはそうしたらしい。)

でも、自分が想定できない、後からじゃないとわからない分野の不確定要素がガンガン出てきて、自分の予想が当たっていても、最後まで上手くいくかはわからないのが世の常。

そこが、この本は臨場感たっぷりで書かれていて面白い。

スタートアップのアイデアも、「これからはこういう世の中になる。こういうものが流行る。」という予測が正しかったとしても、それを実現するまでの障壁はまず想像できないんだろうなと思った。

ちなみに、最終的に住宅市場は崩壊して、バーリのファンドは大儲け、顧客も儲かるんだけど、今まで批判してた人たちからの弁明は何もなく、静寂が訪れたとか。


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マイケルルイス・世紀の空売りの映画 「マネーショート」がめちゃ面白かった

マイクルルイス原作の世紀の空売りの映画、ケアンズのガラガラの映画館で見てきた。タイトルは原題と一緒でThe Big Short。

ちなみに、ガラガラすぎて指定席さえもなかった。値段は1000円ぐらい。安い。

原作が面白いから、かなりの期待を持って見たんだけど、期待以上の出来でめちゃくちゃ面白かった。

リーマンショック引き金になった住宅バブルで空売りして、何百億以上を儲けたヘッジファンド達の話なんだけど、映画はうまいことエンタメになってるし、崩壊を招いた腐敗や金融業界の腐敗に対する描写も面白い。

CDOとか、サブプライムローンとか、複雑な金融商品も、わかりやすく、なおかつ笑えて楽しく説明していたのが印象的。

ちなみに、詐欺金融商品を作って儲けてた金融業界の詐欺師達への怒りもしっかりと映画では表現している。本当は複雑な世界なんだろうけど、映画なので悪者をはっきりとさせている感じ。

ヘッジファンド達はリスクを取って一世一代の勝負に出るからまあフェアなんだけど、詐欺商品を作って、失敗したら国民の税金で救済される金融業界に対する怒りを表現しつつ、面白いエンタメになっている。

義眼の孤高の投資家マイケル・バーリが、ゴールドマンサックスに行って、ものすごい金額の空売りのポジション取りに行くところが面白かった。

ゴールドマンの人たちは、「こんなディールするなんて、こいつ正気か?」みたいな顔でバカにしてて、バーリが「万が一の時もちゃんと払えるのか?」と確認して本当に購入して帰った後に、みんなで、「あいつ本当に大間抜けだよー」みたいな態度の描写。

他にも、空売りという性質上、本当に市場が暴落するまで顧客に「訴える」とかひっきりなしにメールが来て、それに精神的に耐え続けるバーリの描写とかも最高だった。

他の登場人物として、性格がめちゃ悪くて口の悪い、Mark Baumというやつが出てくるんだけど、こいつがひたすら金融業界の腐敗に怒りを燃やして、言いたいことを言ってくれるというキャラで、エンタメになってる。

あんなに複雑な金融商品と、どうやって儲けたかの空売りの仕組みを、短い映画の時間で上手いこと、楽しく説明しながらエンタメにしていた監督の手腕に脱帽でした。原作は史実をもとにしたノンフィクションだけど、映画は原作をもとに、結構いろいろな部分を脚色したり、変えたりしてる。

タレブが最近書いたエッセイによると、ヘッジファンドのおかげで、現代の金融業界は以前ほど崩壊しづらくなっているとか。むしろ危険なのは、オイルに頼りきっている中東の国経由の経済危機らしいです。

世紀の空売り原作に関しては、この解説がわかりやすい。
ついに文庫化! 『世紀の空売り』世界経済の破綻に賭けた男たち、マイケル・ルイス、東江一紀(翻訳) – 金融日記

そういや、最近のポールグレアムのエッセイで、「優秀な若者が金融業界に行くのは、金融業界が好きだからじゃなくてお金が好きだから。スタートアップする若者はお金もあるけど、世の中を変えたい気持ちがあるから。」というようなことを言ってて、金融業界を目指すより、スタートアップしたがる若者が多い世界の方が望ましいというようなことを書いてた。

こういう映画って、メッセージとしては腐敗した金融業界を批判してるんだけど、皮肉なことに、ボロ儲けしている人たちが出てくるこの映画を見て、金融業界に入ろうと思う人が増えるっていう現象もあるんだろうなと思いました。


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確定申告を楽にする合理的な方法のまとめ

確定申告はなぜ憂鬱なのか?それは、謎な部分が多く、作業が面倒で苦痛だからです。

僕は10冊以上の本を読んで勉強したけど、重要なことを最初に教えてくれる本が皆無だった。

というわけで、申告に慣れていない事業主の方が楽になる方法を、簡潔に、具体的に、ポイントだけを説明したい。

目次
– ポイント1 複式簿記をしない
– ポイント2 複式簿記でいくら得になる?
– ポイント3 帳簿作業を楽にする方法
– ポイント4 勘定科目で悩む理由
– ポイント5 専門家に聞くべき部分
– ポイント6 青色申告申請の罠
– ポイント7 確定申告にこれ必要?
– 最後に

ポイント1 複式簿記をしない

最も効果あるのは「複式簿記をやらない」です。これ。

申告の方法は3つある。

白色申告/青色申告(簡易簿記)/青色申告(複式簿記)

ここで参考書がこぞって勧める複式を選択せず、簡易簿記を選択します。すると、面倒さはレベル100から5ぐらいまで下がります。

どれだけ簡単かというと、会計ソフトもいらないレベル。アプリとかで、日々の儲けと経費をカテゴリごとに記録しとけばいいだけです。複式じゃないからそれでいいんです。

青色申告(複式)は節税効果高いんでしょ?という声があるかもしれない。そうなんだけど、複式は一気にレベル100にあがっちゃうし、儲けが少ない時は、お得になる金額が労力に合わないかもしれないのです。

複式を選択する前に、どれだけ苦労して、いくら得するかの具体的なイメージが重要です。

複式の面倒さは最後にまとめてるので、ここでは、難解さ(専門家に相談する費用や時間含む)が飛躍的に増大するとだけ言っておき、いくら得するかに進みます。

ちなみに、簡易簿記(この記事では現金式簡易簿記を指す)は、前々年度の所得(儲け)が300万以下であること、という要件があります。事業始めたばかりの人や、まだそこまで儲かってない人なら、ぜひオススメ。

白色申告ですが、2014年から白色申告にも帳簿保存義務が課せられたので、青色(現金式簡易)が使えるなら白色を選ぶメリットはほぼ0になりました。青色(簡易)が使えなくて、複式がどうしても面倒だという人は選択肢に入れてもいいかも。

※参考
個人事業主メモ 3種類の青色申告を比較!

ポイント2 複式簿記でいくら得になる?

複式は65万控除ですが、65万控除は最終的に65万得するわけじゃないのですよ。計算は複雑なので、青色(簡易)と比べ、いくら得するかだけ大雑把に書きます。

売上 – 経費 = 所得(儲け)が38万以下
一年の儲けが38万以下なら、基礎控除38万で課税所得0になるので、複式で苦労しても無駄骨です。青色(簡易)か白色でOK。

所得が150万
苦行を選んで得するのは13万程度。

所得が300万
得するのは16万程度。

所得が500万
得するのは21万程度。

実際は、医療などの各種控除、前年の赤字繰り越し、開業費などで実際の課税所得がもっと減る場合が多い。

どうでしょうか。これで、所得に応じて、やる価値あるかの選択のイメージがつきやすくなったと思います。

ちなみに、白色と青色(簡易)の面倒さは一緒と考えてOK。だから、とりあえず青色の届け出を出しておきましょう。複式から簡易には申告する直前でも変えられます。

白色との違いや、具体的な計算方法も知りたい方はこちら。

※参考
青色申告/複式簿記に苦労して、白色申告や青色申告/簡易簿記に比べていくらお得?

事業をする人にとって時間は大切な資源です。その時間を面倒な作業と学習に使う価値があるかの参考に。

ポイント3 帳簿作業を楽にする方法

まず、簡易簿記の楽チンコースでも、所得少ない時期は問題ないと安心してもらいました。次に面倒なのが、帳簿記録、主に売上、経費の記録です。

これは、レシートを保存し、帳簿も保存しないといけない。残念ながら、2016年1月9日の時点で、レシートをスマホで撮影したものは証拠として認められません。ここをどう楽チンにするか。

まず、できるだけクレカで経費は払いましょう。明細が記録になるのでレシート保存の手間が省けます。

発生してしまったレシートの保存は、茶封筒とかに月ごとに分けるぐらいで大雑把に保存。ノートに日付ごとに貼るのが理想とか参考書には書いてるけど、現実的にそれは面倒すぎますよね。

帳簿の記録はアプリがいいと思います。iPhone/iPadな方は、僕が作ったTaxnoteを使えば、家計簿感覚で自動的に複式簿記で記録されます。(簡易、白色にも使えます)

やよい会計、freee、エクセルなどにも出力できるし、何も考えずにこれ使っといてねと言いたいところですが、簡易や白色ならあまり気にせず一番楽な方法で。

ただ、帳簿は7年保存する必要があり、白色でも保存義務ができたので、少なくとも仕分けデータを表計算ソフトに出力できるアプリが望ましい。

レシートを貯めて一気にやると、レシートを探して、日付を入力してと時間がかかるので、理想は毎日、その場でアプリで入力ですかね。その日につける場合、アプリなら日付つける手間が省けるし。

でも、人間、申告前に慌ててやるという性質を持っていまして、そこはしょうがないのかもしれません。

簡易簿記の入力方法の例ですが

日付、勘定科目 (何に使ったか)、金額、(メモ)

これだけでOKです。簡単ですね。クレカ払いは銀行からお金引かれる日付が揃うので楽です。

ポイント4 勘定科目で悩む理由

勘定科目の選択が悩むんだけど?とはじめはよくなると思います。本当に最初だけなので、大して心配いらないですが。

これは参考となる例をネットで検索しよう。でも、大切なのは、厳密な答えがないということなんです。

例えば、出張で飛行機代払ったら旅費交通費でまず迷いません。

でも、出張で必要になったモノを買った時、これは旅費交通費なんでしょうか、日用品費なんでしょうか。それとも出張費なのでしょうか?

誤解を恐れずにいうと、どれでもいいんです。勘定科目にこれはこうという正解はなく、例があるぐらいです。

だから、一般的な書き方をネットでチャチャっと調べて、だいたい合わせておけばOK。額が大きいなら、自分で名前つけて作ってもよし。

例えば、僕はVoicepaper、Lisgo、音声文庫という音声読み上げアプリを作っておりまして、音声エンジンのライセンス料支払いが大きな額なので、「音声エンジン手数料」という科目を作ってます。

もっと重要なのは一貫性です。

つまり、一度、出張で必要になったものを買った時に使った勘定科目を旅費交通費にしたら、その後も、同じような支出は同じ勘定科目を使う。

ポイント5 専門家に聞くべき部分

本をたくさん読んでも、情報が多すぎて悩むので勉強熱心な人以外はお勧めできません。一冊ぐらいざっと読んで、わからない部分はわかろうと努力しなくても良いです。

僕が一番悩んだところ、クレカ仕分けの日付問題とか、複式と簡易、自分ならどっちが費用対効果高いかとか、そういうことは詳しく書いてないんです。

後からわかったのですが、確定申告にはきっちりした正解がない部分も多く、どこまで厳密にするかも事業規模や、個人の趣向によって変わると教えてもらいました。

だから、申告書を出す時の最後は専門家に相談するのがオススメです。これが一番時間の短縮になります。

複式簿記は、銀行口座と数字を合わせるとか、会計ソフト使っても難しさは解消されないので、帳簿始める前の最初に相談するのが吉。

まずは税務署の無料電話相談があります。

次に、青色申告会が年会費2万ほどで、何度でも相談に行けるので安くてオススメです。最後に、税理士さんに申告の時だけ相談する方法もあります。

2年目からは自分でできるように、丸投げじゃなくて、疑問点を学ぶためにお金を払うというのがいいんじゃないかと。

ポイント6 青色申告申請の罠

簿記三級で教えてくれない重要な知識として、青色は、決められた期限に申請が必要というのがある。

申請してないと、その年は残念なことに白色しか選べない。間に合わない人は来年からやろう。大丈夫、これは簡単な一枚の書類で、税務署に行けば誰でもできます。

ここでは、青色(複式)で申請しましょう。青色(複式)で申請すると、後から複式、簡易、白色、どれにでも変化できます。

というか、複式の要件を満たしていないとダウングレードされます。逆に言うと、複式で頑張ろうと思ったけど、やっぱ出来なかったから最終的に簡易で出すとかできる。もちろん白色にも。

※参考
「確定申告の疑問」を税理士にズバリ聞いた!第2回青色申告編

つまり、青色で申請しておくリスクは0に等しい。メリットはたくさん。

ただ、これ申告直前だと全然間に合わないんです。。悔しいことに。
申告年度の3月15日が期限。大抵の人は、申告期限直前に慌てて始めるので、その時は青色の申請期限は去年の3月でしたってなる。

例えば、2016年の年明けに2015年度分の申告の準備を始めるとします。去年の3月15日までに青色の申請をしてないと、2015年度分は残念ながら白色になります。2016年度分は2016年3月15日までに申請しましょう。

ちなみに、2016年度の最初は商売始めてなくて、2016年6月に事業開始したケースだと、事業開始から2か月以内だと青色の申請できる。

ポイント7 確定申告にこれ必要?

帳簿入力代行
簡易簿記なら特にいらない。アプリとかで自分でやれる。専門家に相談するのは、帳簿始める最初と、申告時の最後ぐらいでいいと思う。

ただ、年末にレシートだけ溜まっていて、日付も整理もされてなくて、日付と科目を一つ一つ入力するのが死ぬほど辛くて泣きそうだったら、封筒送りつけて一気にやってくれというのはアリかも。。

僕はアプリを使って、現金で払った経費はその場で、クレカ払いは月に一回明細書を見ながらペチペチやるのでいらないけど、どこまで時間をお金で買うかで考えが変わりますね。

簿記三級レベルの知識
会計ソフトがある今、簿記三級レベルの知識はなくても大丈夫です。ハマる部分は簿記とは関係ない部分というのが自分の感想。主に、日々の帳簿のつけ方。

複式に挑戦するつもりだとしても、簿記の本読むより、確定申告に必要な帳簿の記録方法だけ専門家に聞きながら覚え、決算書作成の時期にもっかいサポートしてもらうのが良い。

会計ソフト
弥生会計、freee、MFクラウドなどの会計ソフト。複式簿記なら貸借対照表など各種の帳簿作成に必須です。白色と青色(簡易簿記)なら、一年の合計値を申告時に書き写すレベルなのでなくてもいいかな。

低所得の年度は複式簿記のコスパは高くない。そして、確定申告の経験がない事業開始年度からガンガン儲かるケースは稀。儲かってるなら専門家に任せる選択肢もあるし。

でも、始めての確定申告する人のための本はみな「会計ソフト使えば複式簿記は簡単、頑張ろう!」というノリなのはなぜだろう。会計ソフト使っても、ハマリどころたくさんなのに。

最後に

ちなみに、確定申告のハマリどころは、やり方さえわかれば次の年からは簡単になります。でも、毎年続く最大の負担は日々の帳簿付けなんです。クレカ明細を自動で仕分けするクラウド会計使っても、修正が必要だったり、現金支出は手動だし。

このストレスをなんとか軽減させるためにTaxnoteを作ったので、もしよければ。

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