アプリ作った人の影響力は、売り上げにどの程度関係するか?
こいつは気になりますね。興味深い結果がInstapaperを作ったMarcoさんのブログで書かれていた。
http://www.marco.org/2013/07/31/the-app-store-problem-is-not-price
結論から言うと、最初の数日だけ影響があり、その後は大して関係がないと言っておられます。
最近、MarcoさんがBugshotというよく出来ている、シンプルなアプリを99セントでリリースした。
売り上げグラフが上記ブログで公表されているけど、二日目に1,250個ぐらい売れたのをピークに、最初の大きな勢いはすぐに下がり、最近の平均は一日に47ドルぐらいらしい。
2週間で作ったアプリらしいから悪くない数字だと思うけど、それでも、ネット上の影響力は瞬間的なものだというのが分かる。
ちなみに、MarcoさんはブログもよくHackerNewsで話題になるし、人気のPodcastもやってるし、おそらく個人開発者としは世界一自分のアプリを宣伝しやすいポジションにいると思う。
そうであっても、最終的にはアプリ自体の出来と、口コミで広がってロングヒットになるかどうかが鍵となるみたい。
ちなみに、Bugshotは自分も買った。コンセプトもよくて、シンプルで凄くいい。アプリの出来が悪かったらもっと人気は急降下していたんだろうと思う。
この事実自体は、アプリを作る人にとっては朗報ですね。ようは、アプリの質で勝負して、ロングヒットを狙うのがよいということになる。
ロングヒットを狙うには
じゃあ、ロングヒットはどう狙うかとなると、いいものを作るしかないので近道はないと思う。
とは言っても、小さく早くリリースして、反応を見たり聞いたりしながらコツコツ改善するのが王道じゃないかと。
例えば、別に影響力のない僕みたいなものがアプリをリリースしても最初からダウンロード数は伸びない。
でも、すごくシンプルなものでもリリースする事によって、需要があるか、ダウンロード数に応じて買ってくれた人の割合など、重要な部分が分かる。
例えば、ダウンロード数が最初は少なくても、その中からフィードバックをしてくれる人が数人でもいたら、需要がありそうだとか。
あと、実際にお金を出してくれる人がいるかをリアルに知るのも参考になる。もし、最初に50〜100ダウンロードしか一日にいかなかったとしても、その中から一定数がアップグレード版を購入してくれるか割合を見るとか。
ダウンロード数や売り上げ数単体の数字じゃなくて、いいと言ってくれる人が出てくる割合、コンバージョンなどの割合に注目する。
僕も、昔は、アプリが取り上げられたり、何かの拍子で一気に注目される時にダウンロード数があがるので、その回数をいかに増やせばいいのかなと考えたことがあった。
でも、そんなものは狙ってできないし、そこに時間をかけるのは非効率だと思い直した。
外部要因に影響がない状態、例えばリリースしてしばらく立った落ち着いた状態とか、そういう時の数字こそ重要だなと最近は思う。
あと、特定のグループでのベータテストと、本当のパブリックリリースで分かる事は全然違う。ベータはやっぱり、限られたグループ内での出来事だから。
ビッグローンチは重要か
アプリのリリース時は重要で、ストアで新規リリースとして注目されている間に一気に広めるのが大切だとよく言われる。
でも、疾風のようにリリースして、数ヶ月で回収するんだ!という場合以外は、気にしなくてよいと思う。
つまり、長くやる予定、もしくはリーンスタートアップみたいにテストを繰り返したい場合などは、ビッグローンチはノイズが多すぎて弊害が多いし。
影響力のあるサイトやストアで取り上げられるのは嬉しいし、いい事だけど、一時的に一気に流れてくるユーザが多いほど、オーガニックな成長具合や、重要な指標が分かりにくい。
まあ、投資家の目があるスタートアップの場合や大企業は大人の事情があるかもしれない。そういう事情がない場合は、逆に強みになる。
App Storeだと、ひとたび低評価がつくと後々にも残るからお陀仏だ、最初から一定の質を用意して出さないといけないという考えもあるけど、これもそんなに気にしなくてよいと思う。
低評価は後々、いつ何時、誰にでも、一気につく可能性はあるし、ストアで有名な質の高いアプリも様々な事情で一気に星の数が減ったりすることもよくある。
それを気にしすぎてリリースを遅らせて、たくさんの知見に気づくのが遅れるリスクのほうが遥かに高い。
あと、小さく作ればそれだけバグの可能性も少ないし。
話がちょっとそれたけど、今回のMarcoさんの記事は、例え有名な人が作ったアプリでも思った以上に影響は限定的なんだなとわかり、いい意味で励まされる記事でした。
*家計簿と読み上げのアプリ作ってます。自己紹介と過去ログはこちら。