先日、弥生会計やFreeeをサポート、爆速で会計入力できる青色申告アプリTaxnoteをリリースしましたという記事を書いたら、想像以上に反響があった。

これは確定申告の時期的なものもあると思うけど、作っている最中は常に”そこまで需要はないかも..”という恐怖との戦いだったので、ニーズがありそうでよかったです。

いつもなにかアプリを作る時は、実際にコード書き始める前に需要があるか少しでも把握できないか考える。

それはもちろん時間かけて作っても誰も欲しがらなかったというリスクを避けたいからに他ならないのであるが、結果的に、今回もほとんど何も分からず作ってリリースすることになった。

時間と効果のバランスでいろいろ選択肢を試したけど、結局リリースまでにほぼ何もわからなかったという過程を書いてみる。

コンセプトページで需要リサーチを検討

まず、去年自分が青色申告するようになって、日々の仕訳入力を素早くできるアプリが欲しくなったのです。

青色申告の本を読みあさったり、流行のクラウド会計や既存の会計ソフトの動向とかを研究して、ニーズもありそうだなと作る気持ちになったのが12月の頃。

ただ、自分が本当に今すぐ欲しいというのは最低限のスタートとしても、自分以外の人でどれだけの数の人が欲しがるかはわからない。

よく新製品を出す前にランディングページだけ作ってそれの反響で作るかどうか決めるとか、ターゲットユーザにお金を払う価値があるか聞いてある程度いけそうだったら作り始めるという、需要がないものを作るリスクを下げるリーンスタートアップ的な手法がある。

これは、一見、夢のような手法だ。

ただ、あれはやろうと思ったら結構難しくて、明確なイメージを聞く相手に持ってもらえるかが重要で、そういうサイト作成や調査のコストをかけても曖昧な情報しか得られない場合が多い。

あと、アプリやサービスのタイプによっても違ってきて、ターゲットユーザとすぐ会えるとか、BtoBですでに代替サービスを使っているところに流れ込むなどの場合にやりやすいと思う。

作る前に顧客が獲得できたらしいOptimizelyのような場合もあると思うけど、もし作る前にニーズを調査したい場合、動画付きのランディングページを作るとか、LaunchRockとかで作ってそれをターゲットの人達に見えるところに拡散しないといけない。

その時になんとも反応がない場合、そのサイトがダメなのか、ターゲットユーザに見られてないのか、アプリのニーズがないのかの判断がまた難しい。さらに、どの数字がリアルなのかの判断も難しい。

これは、なんかアイデアを思いついたらすぐ作るのがいいと言っているわけではなくて、もちろん今回もコードを書く前に、ユーザとなりそうな人に直接意見を聞いたり、自分が本当に欲しいかいろいろなソフトやアプリを研究して、どこに絞るべきかまではコード書く前に時間をかけた。

ただ、どれぐらいの人数の人が欲しがるかは以前としてわからないなと。

ということで、今回は、最も重要な部分に絞ったものを作って、ストアにリリースして、リアルな反応を見た方が時間帯効果が高いと思って作る事にした。

開発ブログを立ち上げる

今年に入ってから開発を始めたんだけど、作ってもニーズがないかもと思いながら作るのは怖い。

TweetMashの時とか、作ってみたものの毎日のダウンロード数が1とかで特に反響もなく自信を喪失した過去がフラッシュバックしてガクブル状態。

技術的な勉強とか他の目的があればそれほど気にしなかったのだけど、お金を払ってもらえる価値のあるアプリを作るというのが目的だったので、自分でコントロールできない予測不可能な部分はどうしてもリスク。

これに対する一番よい対処策は、やっぱり重要な部分に絞って早くリリースすることにつきると思う。

それに加え、なにか新しい事をしたかったので、作る過程を公開する開発日誌ブログを毎日書くことにした。

今回は開発初日からほぼ毎日やった作業を記録してました

そこでTaxnoteのコンセプトを書いておいて、読んだ人で興味がある人はリリース時にお知らせするからメアド登録してねみたいなボックスを作っておいたのだが、それを登録してくれた人は5人ぐらいで、あまり反応はなかった。。

今でもコツコツと書いているけど、あれはマーケティングというより自分の自己満足で続けている感じだ。最近は一応1日に50PVとか行く時もあるけど、まあそんなもんです。

でも、このブログもなんも記事書いてない時の平均は150〜200PVぐらいなので、そこまで悪くはないのかもしれない。

というわけで、ブログ記事を書いても、Twitterでこういうアプリを作っているとか毎日書いてても特にそんなに反響もなく、リリースしたら分かるのかなあと考えながら作ってた。

ちなみに、開発を始める前に、こんな会計アプリはどうだろうという、アイデアだけを書くというブログも書いてたけど、そっちも対して反響はなく、まったくニーズがあるかは不明であった。

あれは白色申告・青色申告どっちを選ぶべき?みたいな、一般的な記事も混ぜて工夫してたのだが。。

リリースされて分かったこと

AppStoreでTaxnoteがリリースされた日に、よし、ランディングページを作るほど時間はかけれないけど、少なくともブログ記事を書こうと思って、出来るだけアプリの良さが伝わるように書いてみた。

これについては、この日の開発日誌ブログの、Taxnoteが一日で承認されたので、短時間で出来る効果の高い宣伝方法で悩んでVine使ったに詳しく書いてる。

そしたら、思った以上に記事がTweetされて非常に嬉しかった。

なんというか、毎日、平常運転なモチベーションで開発してたけど、アプリの事を呟いてくれたり、アプリ内の意見ボックスから要望とかがくると、一気にアドレナリンが駆け巡り、アプリ開発のモチベーションが沸騰する感じです。

そういう意味で、普段の開発モチベーションが圧倒的に上がるので、早くリリースしてよかった。

この記事で、Vineの動画がわかりやすいという意見をたくさんもらったので、実際に動いている動画が乗っていたのがでかいと思う。

そこで思う疑問が、このブログ記事と同じような内容を、アプリが完成する前に書くことができたか?ということ。

まあ、物理的にはできる。ようは、見た目だけ動いているUIを作って、動画とブログ記事でコンセプトを伝えればよいわけです。

しかし、開発期間の間に、あのUIはああでもない、こうでもないと、実際にコーディングしながら変化していったのもあり、その間に動くものを周りの人に見せてアドバイスをもとにコネコネと作っていた。

だから、コーディングを始める前に同じようなブログ記事を書く事は実質できなかったのです。

せいぜい、青色申告の記帳業務が大変で、クラウド会計使っても現金部分は手動だからiPhoneでサクサクやりたい。といった部分を文字で説明するぐらい。

アプリの見た目より、実際に長く使い続けたくなる操作性に力をいれて作るので、やはり動いているものがないと厳しいと思う。なおかつ、すでに使えるものが出来たという状況もプラスだし。

その他、アプリを使ってくれている人がいるか、アップグレードまでしてくれる人の割合などの数字、要望や使いかってのフィードバックなど、一番大事なこともわかった。これはリリースしないと絶対分からない部分。

ついでに、会計ソフトの会社からいくつか連絡がもらえて、これもリリースして反響がなければ無理だった。

こうすればめちゃくちゃ使いやすい会計アプリが出来るというビジョンはあるので、フィードバックを参考にしながらTaxnoteを素晴らしいアプリにしたい。

結論

今回の記事はただの一例で、作る前に需要をリサーチできる部分と、リリースしないと分からない部分は状況によって変わってくる。

リリースまでの開発コストがどのぐらいかによっても、バランスも変わる。

それを前提としたうえで、今後新しいものを作る時は、リリースする前に分かる限界を意識して、ここまできたらもう作り始めてリリースを早めたほうがよいという見極めを大事にしたいです。

Taxnoteの場合は、「作ろうかな、どうしようかな、でも誰も欲しがらなかったら開発時間が無駄になるしな。。」と悩んでる期間が無駄に長かった気がする。その間に青色申告の知識は増えてたけど。TweetMashが悲惨だっただけにビビリが。。

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*家計簿読み上げのアプリ作ってます。自己紹介と過去ログはこちら