*2018年7月6日更新
現在、AppStoreでダウンロードできるVoicepaperで青空文庫に対応しております。詳しくは下記のリンクから。

太宰治から夏目漱石、宮本武蔵の吉川英治なんかも聞き放題。iPhone・iPadで使える音声読み上げアプリVoicepaperが青空文庫に対応しました。

-過去の記事-
青空文庫を読み上げるiPhone/iPadアプリ、音声文庫がやっとリリースできた!

青空文庫の小説をLisgoやVoicepaperで聞いているという人が予想以上に多かったので、すごくシンプルな青空文庫専用アプリを作ったという経緯。

簡単に紹介すると、夏目漱石や太宰治など、著作権切れの青空文庫にある作品12,000以上を、通勤中や洗濯中などに、ながら聞きできるアプリ。

ライセンス契約しているAcapelaの品質が結構いい音声エンジンを使っているので、iOS標準より音声の出来がいいです。

とりあえず無料で試せるので、ダウンロードしながら、以下の記事を読んで頂きたい。

ちなみに、音声の品質とか、アプリの動きを見たい人は、とりあえずVoicepaperの動画を見ればイメージできると思う。

おかんでも使えるアプリ

このアプリはVoicepaperのスピンオフで、見た目も一緒なんだけど、重要なコンセプトが「おかんでも使えるアプリ」でした。

僕はLisgoをまず作って、次にVoicepaperを作ったんだけど、どちらもなんだかんだいって玄人さん向けなんですね。

例えば、LisgoはPocketに保存したWeb記事を読み上げるアプリ。もちろん、Pocket使ってない人だと使えない。その分、刺さる人には死ぬほど刺さって感謝されるんだけど。

「こんなの作ったよ!」って周りの人に紹介しても、「いや、Pocketってなんだよ。。」とか、まあ、そんな感じです。

次に作ったVoicepaperでは、Evernote、Dropboxというメジャーなサービスに対応していて、なおかつ貼付けたテキストを読み上げることができるようになった。

これで、かなり敷居は下がったんだけど、それでも、まあ、EvernoteとかDropboxとか使わない人には使えないし、取り込むものがないとか、いろいろ障壁が多い。

まあ、自分はLisgoもVoicepaperもほぼ毎日使っているし、気に入っているからいいんだけど、一回、おかんでも使えるぐらい敷居の低いアプリを作ってみたかった。

そこで、青空文庫専用アプリですよ。

僕の広めたいのは、「目で読みたい時は目で読み、移動中など、目で読めない時は続きを耳で聞く新しい読書体験」なんだけど、なかなか共感してもらえない。

「いや、目で読んだ方が早いし」とよく言われる。

いや、これはとても素晴らしいから、一度体験してみたら絶対ハマるよと常に思っているんだけど、たくさんの名作が無料で楽しめる青空文庫を使えば、より多くの人に試してもらえるのではないだろうか。と思いつつも、後回しにしてたけど、ようやっと出す事ができた。

おかんを悩ませないアプリ

最初は、Voicepaperの追加機能として、青空文庫ダウンロード機能をつけようかとも考えたんですね。

でも、懸念したのがVoicepaperがどんどん複雑になるということ。

Voicepaperは10カ国語に対応しているんだけど、この機能が必要なのは日本だけだし、サイズも増えるし、追加機能だと青空文庫専用のアップデートはごちゃごちゃしていって将来的にやりにくくなるし。

別アプリにしたほうが利益が出るか、ダウンロード数を一つに集めたほうがいいかは、よくわからないけど。

あと、個別アプリにしたら、ファイルサイズを日本語のみにできるから、最初のダウンロード時間が凄く短縮できる。小さく用途を絞るというのは、びっくりするほどメリットがでかい。

紹介する時も、「名作小説を耳で聞けるアプリ」とシンプルに紹介できる。それだけに特化してるとUIがシンプルになるから、おかんみたいな素人が使っても、選択肢が少なくて悩まない。

というわけで、開発している時も、あれもやりたい、これもやりたいという誘惑を振り切って、とにかく本当に必要な部分だけに絞って素早くリリースしてみた。

青空文庫のオススメを紹介する

作っていて思ったんだけど、大多数の人って、青空文庫でどの小説を読めばいいか、そこまで詳しくないと思う。

だから、細かい機能付けるより、こんな作品がありますよという、初めてアプリ立ち上げてどうしよって悩んでる人が参考になるような部分、ここが重要かなと思っているので、アップデートでそこを変えたい。

とりあえず、現時点で、オススメ教えろ!という方は、今人気の「風立ちぬ」の原作とかいいんじゃないでしょうか。後は、太宰治の人間失格はやっぱり面白かった。短編ならヴィヨンの妻とか。

詳しい人がちゃんと紹介してくれているまとめがこちら。
【忙しい人のための】超短編!5分で読めるあおぞら文庫【おすすめ】

※追記 2013/08/17

今朝しったのですが、音声文庫がApp Storeで承認されたその日に、青空文庫の呼びかけ人である富田さんが死去されたことをしりました。

富田倫生さん死去 「青空文庫」世話人

数ヶ月前に、「青空文庫の読み上げアプリ作りたいなあ」とツイッターで僕がつぶやいたのを見つけて、csvのデータリストがあるので使ってくださいとReplyしてくれたのが富田さんでした。

つい最近、音声文庫関連でMentionしたんだけど、最近はTwitterでつぶやいてないな、どうしたんだろうと思っていたところだったのですが。。音声文庫できましたよとTwitterで報告したかっただけに、本当に残念です。

ああ、こんなことなら、もっと早い段階で、TestFlightとか使ってベータ版でも触ってもらいたかったなあ。。

こちらで、青空文庫の歴史が読めます。
青空文庫ものがたり


*家計簿読み上げのアプリ作ってます。自己紹介と過去ログはこちら