以前から聞いてるエンジニア向けのPodcast Rebuildfmの169回が神回だった。
なんと、このPodcastでは、ゲストの@omoさんが「達人プログラマー」やら「リファクタリング」やら「デザインパターン」など、エンジニア向けの有名な本をことごとくディスるという、とても勇気あるテーマに挑戦していまして、それがかなり納得のいく話でめちゃくちゃ面白かった。
*リファクタリングに関して指摘を受けたので修正させてもらいます。僕の曖昧な記憶で重要な部分をさらっと書いてしまったのを反省。。
@umekun123 「リファクタリング」をDISるのは宗教上無理、という話をしてたとおもいます。森田さんはリファクタリング奉行なので。
— Tatsuhiko Miyagawa (@miyagawa) January 3, 2017
@umekun123 デザイン・パターンは古くて役に立たないのも多いよといったのは僕ですが😉
— Tatsuhiko Miyagawa (@miyagawa) January 3, 2017
ちなみに、僕もプログラミング二年目ぐらいの時に、これらの本をざっと読んだ気がするんだけど、もう内容はほとんど忘れてました。
ポッドキャストの内容としては、当時は有効だった手法も、現代のスタンダードからすると時代遅れの手法が多かったり、現代では当たり前になってることをドヤ顔で書かれているだけなので、そういうエンジニア向けの古い古典本を有難がって新人に勧めるのはいかがなものか。という内容です。
もちろん、omoさんは頭からこれらの有名な本をけなしているわけではなく、執筆当時の時代性も説明し、なぜこれが当時は有効だったかも具体的に解説しながらも、現代ではあまり意味のない内容になっている部分をビシバシと切っていって面白い。
これこれこういう理由で、この内容はすでに古くなっているから現代ではあまり意味ないですねと説明しながら、最後に付け加えるのが、「まあ、いい本なんですけどね。」とか、「まあ、(技術が進んだということで)いい話なんですけどね。」というフォローが笑った。
このPodcastは単純に内容が面白かったんだけど、個人的にツボだったのは、今でも評価の高い昔の本(いわゆる古典)の中から、現代でも読む価値のあるものと、ないものとを見極める方法はなんだろうかと考えるきっかけになったからです。
でも、これって簡単なようで難しいからどうしたらいいんでしょうね。
読み続けられたものは生き残ってきたもの
基本的な考え方として、時間がたっても評価が落ちていない本は内容の質が高い可能性が高い。ずっと生き残ってきたという意味で。
ノンフィクションなら、いろいろな人の反証に耐えてこないとダメだし、フィクションなら、現代の人にも読み続けられないといけない。
今読むと、内容が古くなっているもの
変化の早いエンジニア業界の本だと、先進的なノウハウがどんどん陳腐化するのは常に下克上の世の中を作りだしているので、面白くもあり、厳しい部分でもあります。
科学とか技術の分野では、技術革新がどんどん起こるから、以前の常識が今では当てはまらないことが多い。
例えば、最近の車の塗装技術は昔と比べて圧倒的に優れているから、ワックスなんて半年に一回で十分すぎるらしい。毎月かけてたら、元の塗装にダメージがいって逆効果だとか。この意味では、「こまめにワックスかけて車を大切にしよう」っていう、一般的に伝えられてきている昔の常識と現実が乖離している。
これは、ワックスのメーカーと自動車雑誌のパワーバランスとかの関係で、真実が浸透しない理由もあるらしいが。この場合、昔の通説が現代でも当たり前だとまだ信じられているけれど、現実には違うというケースで、事情を知っている人じゃないと見極めにくい。
現代でも通用しているケース
「風の谷のナウシカ」なんて、何年もテレビで再放送され続けていて、なおかつ視聴率も高い。これは、明らかに時代を超えて楽しまれていつつ、現代でも通用している証拠になると思う。
正直、僕もナウシカは何回も楽しめる。今見たとしても、「ああ、当時はこのシーン画期的だったけど、今見るとたいしたことないなあ」とかはあまり思わず、普通に楽しめる。
映画が面白いかどうかというのは、その人が見て判断することだからあまり専門知識もいらず、未だに視聴率がとれているということは、現代でも十分通用しているというハッキリとして証明にもなる。
明確な尺度がハッキリしていて判断も簡単であれば、昔から人気あるもので現代にも通用するというものは判断しやすい。そういう意味で、小説、漫画、音楽などはわかりやすいのかも。
歴史本となった割合
当時は賞賛された内容でも、現代になって読んでみると70%は内容が古くて実践では使えないという本があったとする。この場合、この本は、70%の内容が当時の時代背景を知ることができる歴史的価値を持っていて、30%は現代でも役に立つ知識ということになる。
難しいのが、この割合は時間がたつごとに常に変化していくだろうから、この昔から有名で崇められている本の、それぞれの割合はどれぐらいかっていうのがなかなか分かりにくい。最近読んで、詳しく説明してくれる人が出てこない限り、よく分からない。
ちなみに、時がたっても陳腐化しないことにこそ価値があると言っているわけでもないのです。僕自身、アプリ開発で役立つサービスTOP10とかは、数年後には参考にはならないだろうけど、今は価値があるから書こうと思って書いたわけだし。
この話は特にオチがあるわけでもないんだけど、最低限できることといえば、昔自分が読んでよかったお気に入りの本でも、誰かに薦める時は、今読んでその人に役立つかとか、その人が楽しめるかとか、ちょっとだけ考えてから勧めたほうがいいなってことぐらいですかね。
*家計簿と読み上げのアプリ作ってます。自己紹介と過去ログはこちら。