新しいアプリやサービスを考えついた時は興奮します。
おお、”これは絶対流行るわ、次のザッカーバーグになっちゃうよ!”とか、”うひょひょ、来年の税金対策どうしよう!”とか心の中で思っちゃう。
もうとにかく、誰かが作り始めるまでに早く作りたい、コードを書き始めたいという衝動を抑えられないのです。
しかし、現実は甘くなく、ほとんどのアイデアはすでに誰かが作っていたり、そもそも、3日ほどたったら考えついた時の興奮がびっくりするほど冷めてたりする。
“あれ、俺、なんであんなくだらないアイデアで興奮してたんだろう。。。”
なんだかんだいって、サービス開発で最も時間がかかるのは圧倒的にコーディングの時間だ。だから、コーディングをある程度始めた後に、類似サービスを見つけたり、やる気が一気に消滅するのはできるだけ避けたい。
こういう事はアプリやWebサービス開発してる人なら誰しも経験していると思う。
僕はこれを、新規サービス興奮症候群と名付けたい。
まあ、学習が目的だったり、ハッカソンみたいな短期的なノリとか盛り上がりを重視する場合、興奮度が減少する数日以内に終わらせるという賢いつき合い方もあります。
しかし、一発ものではなく、継続して本気だすもので、この新規サービス興奮症候群に陥らない事は極めて重要だ。このプログラマが抱える現代の病に対抗する驚くほど簡単な処方箋をいくつか紹介します。
しばらくアイデアを寝かせる
すぐにコーディングしたい気持ちを頑張って抑え、とにかくコードをすぐに書かない。
コードを書き始めると、技術的にどう実現するかにマインドがシフトしてしまう。
本来、なぜ自分がやりたいか、本当に使うかどうか、周りが使うか、お金が儲かるか、競合に勝てるか、こういった最も重要な事を考える脳みそのメモリーが占領されて、技術の事ばかり考えちゃうのです。
最低でも三日。数ヶ月以上取り組まないといけない規模だったら、一週間ぐらいは寝かせたほうがいい。
特に、お風呂に入ってる時や、夜寝る前、リラックスしている時に思い出すと、日々の雑多な事柄で処理が追いついてない脳みそのメモリーもかなり空いてるから冷静な判断が出来る。
類似サービスを探しまくる
数日間アイデアを寝かすといっても、何もせずに、ずっとポテチ食って寝てろっていうわけではもちろんありません。
その間に、似たようなサービスがないか調べまくって、見つかったらとりあえず使ってみます。
類似サービスを使いまくっていたら、それで自分はどの程度まで満足できるか、使っていてどこがメンドクサイかなど、使っている自分を第三者の神の目で自分を観察する。
大抵の場合、似たようなサービス、特によく出来ているサービスが見つかった時点で、新規サービス症候群は鎮静に向かいます。ああ、”コーディング始める前に気づいてよかったわ”となる場合が多い。
しかし、もし、”ああ、どれもクソすぎるな。俺だったらもっとシンプルなUIで、使いやすくできるのにな”と傲慢にも思ったら、結構そのアイデアは有望かもしれない。
なぜなら、既に競合サービスがあるということは需要があることで、それをもっと上手くやるアイデアが自分の中にあるからだ。
でも、それでも、とりあえずあと数日は寝かして、本当にそれがやりたいか見極める。
周りの意見を聞く
ある程度、自分で類似サービスを検索し終えて、まだ新規サービス症候群がくすぶっていたら、周りの意見を聞いてみるのがいい。
今ならTwitterやFacebookで呟いてみると、情弱なあなたが見つける事ができなかった、同じアイデアのサービスを誰か親切な人が教えてくれたりする時もある。
この時、”このアイデアを誰かに話すと盗まれるかもしれない。ザッカーバーグに話したばっかりに、アイデア盗まれたウィンブルクス兄弟みたいになったらどうしよう。”と思うかもしれない。
まあ、アイデアだけ知ってもほぼ意味ないし、重要なのはどう実現するか、実現するまで情熱が持つかであるので、ここは気にしなくていいと思う。
話さないデメリットのほうが遥かに大きいので、とりあえず周りに話してみるとよいと思います。
その時、”おお、それはいいね!あったら使うよ!”とか言われて、新サービス症候群が活発に活動するかもしれませんが、実際に使うかどうか、お金を払ってくれるかどうかとかは、モノが出来て、実際に使い始めないと誰にもわからない。
逆に、”それはいらんな。ピンとこないわ”と言われる場合もあっても、実際に使い始めたらハマるケースもある。
周りに意見を聞く時は、参考にするんだけど、そのままみんなの意見を鵜呑みにしないという姿勢がいいと思います。
この3つのステップを踏んでまだ情熱が残ってたら、リーンスタートアップ的に顧客を探してもいいし、プロトタイプ作ってもいいし、次の段階に進むといいんじゃないだろうか。
ここまで書いてて、いつまでたってもモノを作り始めない症候群という新しい現代病もあることに気づいた。
でも、この病は、単純に時間がないとか、すぐ作れる技術がないとか、情熱がないとか、もっと楽しい事があるとか、合理的な理由にもとづいているので、別に気にしなくていいと思う。
*家計簿と読み上げのアプリ作ってます。自己紹介と過去ログはこちら。