サービスを本当によいものにするには、ユーザからの正直なフィードバックをコンスタントにもらうのがかかせない。とにかく、全方位でユーザの意見をくみ取りやすい仕組みを作るのが重要だと思う。




もちろん、ユーザの意見をそのまま全部反映させようとすると、ブレブレの最悪なモノが出来上がるので、意見を聞いた上で、どうするかは自分で決めないといけない。


まあ、上記の話は前提として、いかにフィードバックをもらいやすくするかをよく悩んでるので、それについて試してる事も含めて書こうと思う。


なんで、これについて書こうと思ったかというと、“自分がボスの時にどうやったら意見してもらうか”という、ハーバードビジネスレビューの記事がもの凄くよいなあと思ったからである。


原文は英語だけど、サービスを作る人なら面白いと思うので、オススメ。サービス開発者はボスというより、ユーザより下の立場な感じではあるけど。



ネガティブな意見は言いにくい



原文では、部下はボスに正直な気持ちを言いにくいことをまず認識しろと書いている。


サービスのユーザの場合、ボスと部下じゃないので、もう少し言いやすいけれど、それでも人間誰しもネガティブな意見は言いにくいもんだ。


ジョブズみたいに相手の気持ちおかまいなしに、ズバズバ言ってくれる人なんてまずいないと思う。


原文では、”意見する側の恐怖を認識しろ”と書いている。


恐怖とか言うと、大げさかと思うかもしれないけど、この認識は本当に大切だと思う。例をあげると、僕はサービスにたいしてなんか言いたい事があっても、以下のような心理状況になる。

“ここが使いにくいけど、Twitter上で開発チームに使いにくいとか言ったら相手が気分悪くするんじゃないか心配だ。Twitterは匿名じゃないし。。やめとこ。。”


“ここが使いにくいというか、よくわからないけど、単純に自分が使い方を理解してないだけかもしれない。偉そうに意見して自分のバカをさらけ出すのが嫌だ。。黙っとこ。。”


“このサービスを作ってる人は知り合いだから、あんまネガティブな事言いにくいなあ。。波風立てないでおこう。。”



まあ、こんな感じでネガティブな事ってのは人間誰しも言いにくい。でも、ネガティブな意見こそが価値があるんですよ!



フィードバックなんてめんどくさい



例えば、このサービスはこういう理由で使うの辞めたとか、ここが分からず使うの諦めた、とかいう意見は貴重度マックスだ。


でも、こういう人達はそもそもめんどいから意見を届けようとは思ってくれない。


こんな状況がよくある。

“このサービス、ここが使いにくいな。横に開発者がぼけーっと突っ立ってたら意見言うけど、わざわざメールするほどでもないや。どこに言えばいいかも調べるのめんどいし。。”


“このサービスのここを改善して欲しい。ぜひ意見を届けたいけど、Twitterアカウントも、ご意見ボックスも簡単に見つからないな。めんどくさいから諦めよう。”


“そもそも文章書くのがめんどくさいわ。”


あと、サービスを好きになってくれてる人は、改善要望とかくれやすいけど、一瞬使ってダメだと判断した人はわざわざ時間使って意見くれないし。


こういう悩みがあった上で、いろいろと施策を書いてみる。



頻繁に、意見を求める



自分からは意見する気はないけど、きっかけがあればフィードバックしてもいいかなという場合は多いはずだ。


なので、コンスタントにチャンスがあれば、ウザくない程度に意見をこちらから聞くのが重要だと思う。


Parse.comという素晴らしいサービスがあるんだけど、最近、突然サポートチームからこういう感じのメールが来た。

“カスタマー様へ、もし何か不満や要望があれば、私 ~がぜひご意見聞きたいので、メールでも、電話でもいつでもしてくださいね。よろしく。”



最後には、電話番号も入ってて、本当に電話かけていろいろ話そうかなって気持ちになった。


さっき思いついたのは、なんかスクリプトでも組んで、定期的にTwitterの公式アカウントで、”サービスについてのご意見あれば、遠慮なく教えてください”みたいなのをつぶやくといいかも。


ただ、この時重要なのが、ウザくならない程度というさじ加減で、ここが難しい。


例えば、Twitterでエゴサーチして、自分のサービスの意見を話してるユーザに突然Replyで “僕達のサービス使ってくれてありがとう!なにかあればいつでもフィードバックしてね!” みたいに割り込んでも、ウザいと思われるだろう。


メールも、興味ない人にとってはスパムだったりと、タイミングがとても難しい。


さらに、解約時にフィードバックくださいフォームとかよく見るけど、あの瞬間は一瞬でも速くこの作業を終わらせたいと思っているから、いつも僕はでたらめにフォームをチェックしてサブミットする。

あそこの数字で統計とっても意味ない危険性がある。



意見しやすい状況を作る



ここは本当に重要だと思う。例えば、サポートメールはこちらと書かれている無味乾燥なサポートページだと、ちょっと意見を送りにくい。


でも、

“ご意見は全部読んでます。すごくタメになるので、ネガティブな意見でも遠慮なくお願いします。”


とか文章がついてると、フィードバックを送りやすいと思ってる。


また、例えば、こういうふうに書いてくださいと例を表示するといいのではないかと個人的に思ってる。

“(例) ~で戸惑った。。 ~が使いにくい。~が不満。など、ご気軽にご意見お願いします。” 



みたいな感じで。


ところが、僕はiPhoneアプリを作っているけど、実際にこういう文章をSettings画面にずらずら書きすぎると、アプリのインターフェイスが汚くなって、全体のデザインが悪くなるという欠点がある。


本当に難しい。。


後は、クックパッドのご意見ボックスみたいに、匿名で気軽に送れるとよいと思う。Webサービスだと、oLarkという素晴らしいチャット設置ツールがある。


oLarkを設置してると、たまにチャットが突然くるので、これでLisgoのHPを見たユーザがどういう疑問を持つかをかなり学べた。
しかし、トップページに設置すると、デザインが悪くなるという欠点もある。

あとは、意見をもらった時に、行間を読むとか、どういうふうに聞くべきかとか、いろいろ考えて試行錯誤してるので、まだまだ書く事があるのだけど、長くなるので、このへんで終わる。


*家計簿読み上げのアプリ作ってます。自己紹介と過去ログはこちら