最近読んだこの本が凄く面白かった。きっかけは岡田斗司夫のポッドキャストで紹介されてたからなんだけど、この本の何が良いかと言うとAIができないこと、そしてこれからもずっとできないことは何かをはっきりと書いているところ。

僕も一応AI関連で評判の本は何冊か読んできたんだけど、それぞれの本それなりに面白いけど、今までのAI関連の開発の経緯とか、それぞれの歴史とか、deepラーニングでどういったことが可能になるかといった話が多かった。

でも、すごく重要なのは、AIが今のままどんどん進化していっても、絶対にできない事は何かということを論理的にはっきりと説明してくれる部分で、その点この本はそこがなかなか分かりやすくて面白い。

AI関連の話って、どうしてもここ数年のdeepラーニングとかの飛躍的な発展によって、将棋でも圧倒的に負けるようになったし、囲碁でも負けるようになった。だから、あと5年、また10年経ってしまったらもうあんなこともこんなことも全部AIでできちゃうんじゃないかって単純に考えちゃう。

しかし、この本の説明によると、何かとんでもなく新しい技術的な進化や発見がない限り、今後いくらビックデータが途方もない量を扱えるようになっても、今後いくら量子コンピューターなどでコンピューターのパワーが上がってもできない事は絶対できないから今までと変わらないと言うところをはっきりと区別して説明してくれている。

ちょっと前置きが長くなってしまったけど、結論から言うと、論理的に考える必要のある事はAIにできないということらしい。

つまりどういうことかというと、現在のAIの技術では、とにかくデータを検索して統計的に1番確率が高いと言う答えを出すことしかできない。

だから、AIに、「近くでおいしいカレー屋さん見つけて。」と聞くと、かなりの精度で近くの人気のカレー屋さんの統計データを出してきて、1番人気のカレー屋さんを教えてくる事はできる。

でも、同じAIに、「近くでまずいカレー屋さん見つけて。」と聞くと、同じように近くでおいしいカレー屋さんを答えとして出してしまう。これはほとんどの人がまずいカレー屋さんを検索なんかしないから、統計データから1番確率の高い答えを持ってくるAIでは対処できないということらしい。

ポイントとしては、統計データと確率で処理できるものはAIに対処できるけれど、意味を理解して論理的に考える必要があるものに関しては今後いくらデータが揃ったりコンピューターのマシンパワーが上がってもAIにはお手上げになってしまうと言うところです。

正直、僕はこの本のここまでわかりやすい説明を読むまでは、今後AIに出来るようになることと、いつまでたってもできないことの区別がそこまではっきりとできなかったんだけど、この本を読んだらかなり明確に判断しやすくなるんじゃないかなと思う。

例えば、ほとんどの人が関心事項となる言語の自動翻訳は数十年後にはAIがほとんど出来るようになってしまうのかという話。

これは、直訳をそのまま訳すと言う作業ならビッグデータと確率的に1番使われている言語を持ってこれば良いのでGoogle翻訳でも訳すことができる。

でも、情報だけを表示すれば良いと言う文章ならばいいんだけれども、その時の時事ネタや、歴史やマニア向けの小ネタを挟んだギャグや、わざと文章の言い方を変化させて笑いを取るといったような文章は論理的に考えないと正しく訳せないので、AIには訳すことができないし、今後いつまでたっても訳すことができないことになる。

もちろん、今のAIの進化を飛躍的に向上させるような技術のブレイクスルーが起きるとこういった問題も解決されるかもしれない。でも、これはタイムマシンが技術のブレイクスルーが起きたら可能になるかもしれないと言ってるのと同じことなので、要はそのレベルの可能性として考えておけば良いらしい。

ちなみに、落合陽一先生の本に書いてあったけれども、最近は機械翻訳に訳しやすいように論文を書くようになってきているらしい。だから、できるだけ論理的な文章を書いて、統計的にもよく使われる翻訳が機械にやりやすいような文章書くというのは学術界の論文では当たり前になってきているとか。

でも、これが小説とかお笑いとかの分野になってくるとそこはただ情報を表示すれば良いだけではないので、全く別世界の話になってきますな。

このブログも、ひたすら情報だけを書くと言う技術ブログとかなら、将来的には日本語で書いた文章を自動的に英語に機械翻訳して英語版のブログも表示するように出来るような話なるかもしれない。

でも、自分なりの独自の文体とか、その時の時事ネタを織り込んだ小ネタに関するちょっと凝った文章などを書いた瞬間に一気に機械翻訳は破綻してしまうということですね。

このことから、当然のように、いつまでたっても論理的に考えることができる人間を超えるコンピューターと言うものはできないのでシンギュラリティーと言うものも来ない。

この、今後機械学習やらdeepラーニングやらそれぞれのAI技術やらといろんなワードが出てきているけれども、技術が発達していってどういったことができてどういったことができないか区別できる羅針盤があると言うのは、サービス開発においてもすごく有用だし、もっと言えば投資家の人にとってめちゃくちゃ重要なことかも。

さらに言うと、今自分がやっている仕事、もしくはこれから勉強しようとしている仕事は将来AIにとって変わられるかと言うことも結構簡単にわかる。

データと、統計と確率によって正しい判断ができることならばそれはもうソフトウェアに代替されちゃう。

逆に、論理的に考える必要があって、新しい状況に常に対応する必要のある仕事なら今後も安泰だと思う。

例えば、新しいデザインを作ったり、新しい物語を作ったり、新しい問題を解決したりといったような仕事。

音楽とか絵画を書くAIと言うのも出てきているけれど、あれは全部統計的に何かの学習データを食わせて、それに似たようなものを出力しているだけで、これ以上研究を続けても、似たようなコピーを作ること以上の事はできないらしい。

そこで、あーそうかコンピューターには論理が理解できないからあんまりAIに仕事を奪われる事は恐れる事は無いのかなって思うとそういうわけでもないのが難しいところ。

というのは、世の中のほとんどの仕事は結構ルーチンワークでできているというのは事実だからです。実際、統計とビックデータや確率を使って処理できる仕事を突き詰めていくと結構な量の仕事はコンピューターに代替されてしまう。

そこで、この本の最後のほうの結論として、AIにできない仕事を自ら作り出すと言うものがこれからの職業人には重要だということを書いております。

例えば、世の中の不便なことを見つけてそれを解決する仕事だったり、何かにストーリーを持たして、それに価値をつけて売ると言うような仕事です。

しかし、これって凄く難しいことというかほとんどの人はこんなことしたくないと思うんですよね。たいていは、時間が決まっていて、予測可能で、ある程度決まりきった仕事をやって、余った余暇の時間で家族や友達と楽しいことをする人生と言うのを望むんじゃないだろうかと思ったりする。

みんながみんな起業家精神に溢れているってわけでもないと思うんで。むしろそんなことしたくねえよって言う人が多いんじゃないだろうか。

そういったことを考えると、ベーシックインカムしかないんじゃねーかとか、やっぱりAIにいろんな仕事がどんどん奪われていくから将来はどんどん格差が広がるのは不可避なのかなぁとか思ったりもするけど、特にこれに対する解決方法とかは思い付かない。

ちなみに、この文章は全てiPhoneを使って、音声入力で書いてみた。なので、キーボードで書くよりも文章の構成が適当だし、それぞれの文字も音声認識で理解できるような言葉しか使ってないから結構無味乾燥な文章になってると思う。

本当は、キーボードでちゃんと文章書いて、何度も段落とか作って書き直したり、最初に結論とかを書いて構成としても読み易い文章書きたいなぁと思っていたんだけれども、そういうことを考えているとなんだかめんどくさくていつまでたってもこのブログの文章書かないと言うことになり、2ヶ月ぐらい経ってしまったのでちょっと実験的に音声認識でもいいから書いてみた。

この音声認識で書くと言うのは、とにかく楽だから、質の高い文章は書くことができないけれども、とりあえず何かのものをアップすることに意味があるとか、とりあえず量が重要なんだ!って言うときには有効かもしれない。

よくよく考えると、AIができることの限界はあるけれども、こうやって、質はある程度でいいからとりあえずスピードと量が確保できる方が重要だという分野はどんどん人間が駆逐されちゃうかも。

例えば、文章の翻訳だって、ビジネスである程度言ってることが理解できればいいわって言う場合はもうGoogle翻訳で間に合いますからね。

論理的に文章を理解できない機械には、文芸翻訳とかはいつまでたっても翻訳できないと言うのは事実なんだけども、質の高い翻訳を人間に頼む必要があると言う場面は意外と少ないのかもしれない。

例えば、アプリのスクリーンショットでアプリのヘルプだって、お金のない個人開発者とかはとりあえず機械翻訳をぶちこんでそのままアップしたりもする。

これって、作ってる側も質は低いだろうし間違いもあるだろうとはわかっているんだけど、人間にやってもらうお金は無いから、とりあえずないよりかは全然マシと言う理解でやってるんですよね。

そして、使う側のユーザも、あーこれ機械翻訳だなと分かっていても、とりあえず意味が通じればそのアプリは使うことができるのでまぁこれでも我慢できますと言った世界がある。

なので、「AIには意味が理解できねえから、こんなん使いもんにならないわ。だから大丈夫大丈夫。オモチャだあんなもん。」と思っていたものが、ある程度のミスや間違いはあっても、圧倒的なスピードと安さに駆逐されてしまうという分野はたくさんありそうで、そこはガクブルした方が良さそうだ。


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