最近、TaxnoteZenyのAndroid版を作ろうと思い、Androidを勉強してます。

この場合、Android開発のコストと見込まれる収益性が一番気になるところだけど、それについて書いてみる。iOSアプリ開発者で、Androidも作ろうかなって思ってる人の参考になれば。

iOSとAndroidのシェア比較

kantarworldpanel.comによると、2016年8月のデータで、日本におけるiOSのシェアは31.9%でAndroidは66.7%。2016年1月にはiOSが50%ほどだったので、半年ほどで結構変わってる。あまりこういうニュースは聞かなかっただけにちょっと驚き。

日本で人気の無料アプリもiOSはAndroidユーザの二倍ぐらいって言ってたから、なんか実感値と違うのでちょっと疑ってしまうが、一応数字がこちら。

アメリカではiOSが30.9%で、Androidが65.2%。
中国ではiOSが13.5%でAndroidが85.9%。
ドイツではiOSが14.2%でAndroidが81.3%。
オーストラリアではiOSが32.6%でAndroidが62.5%。

ざっと重要そうなマーケットのシェアを調べてみたけど、予想どおりシェアではAndroidが優ってる。これだけみると、未だになんでみんなiOSファーストで開発するのが主流なの?って思うかもしれないけど、シェアだけでは測れない部分もあるので、もうちょっと詳しく書いていきたい。

一般的によく言われるのは、iOSユーザは金持ってる人が多くて、Androidユーザは新興国中心でお金を使わない人が多いという話。これは課金アプリはもちろんのこと、広告アプリの収益性にもダイレクトに響く。

次に、iOSのほうがアプリのアクティブユーザが圧倒的に多いという話。これは実際にアプリを使ってもらうアクティブユーザ数が重要なアプリだと重要。

iOSとAndroidの課金収益比較

Apple’s iOS App Store now generating 4x revenues per app vs Android Google Play

AppAnnieの2016年第二四半期レポートを元にしたこの記事によると、一番重要な収益性はiOSがAndroidの二倍あるようだ。

このレポートによると、アプリのダウンロード数はAndroidはiOSの2倍多い。でも、収益性はiOSがAndroidの2倍多い。

まず、全世界のAndroidのシェアはiOSに比べて圧倒的なんだけど、アプリのダウンロード数は実質iOSの二倍という数字からみると、iOSユーザのほうが積極的にアプリを使っているというのがよくわかる。

そして、iOSアプリはAndroidアプリのダウンロード数の半分しかないのに、収益性は2倍あるという数字から、上記の記事では、1ダウンロードごとのiOSアプリの収益性はAndroidの4倍あると書いています。

これだけ読むと、相当違う。iOSで10万円儲けるのに10万ダウンロード必要なアプリだと、Androidで10万儲けるには40万ダウンロード必要な計算になってしまう。本当だろうか。僕は実際、iOSアプリしか出してないのでどちらも出している人に教えてほしいぐらい。

しかし、ここで気になるのが、このレポートでは収益のことをレベニューと表記しているが、このレベニューとはアプリ内課金のことだと思う。なぜなら、AppAnnieで基本的に収益しているのはアプリ内課金のデータだから。

AppAnnieの便利なところは、AppStoreのデータと連携すると、ダウンロード数とアプリ内課金売り上げを紐づいて取ってくるところだから、アプリ内課金の売り上げに関しては漏れがないはず。

そして、AppAnnieはAdmobなどと連携して、広告売り上げのデータも引っ張ってこられるんだけど、広告売り上げデータは広告会社の画面で見ている人が多いだろうとも思う。

というわけで、広告収益がメインのアプリも考慮にいれると、上記のレポートの収益性比較はまた違った話になると思われる。なので、iOSとAndroid、広告売り上げの比較データを探してみました。

iOSとAndroidの広告収益比較

アプリの広告収益で参考になりそうな記事がこれ。

Android finally inches past iOS in mobile ad sales

2015年第一四半期のOpera Mediaworksによる調査によれば、この時はじめてAndroidデバイスの広告収益がiOSを少しだけ上回ったらしい。

Androidが全体の広告収益の45.77%。
iOSが全体の広告収益の45.44%。

ちなみに、この時までは全体の広告収益でもiOSが常に上回ってたけ逆転したということで、今はもうちょっとAndroidが優勢なのかなと予想。

僕は広告収益全体ではAndroidがiOSを圧倒的に上回っているのかなと思っていただけに、あまり差はないというこの結果はちょっとびっくり。やはり、ユーザーあたりの滞在時間と単価が違ってくるからだろうか。

ちなみに、このデータで注目したいのが、モバイルとタブレットのデータ。

AndroidのPhoneタイプは全体の広告収益の42.46%。
AndroidのTabletタイプは全体の広告収益の3.31%。
iPhoneは全体の広告収益の27.29%。
iPadは全体の広告収益の17.45%。
iPodは1%以下。

iOSアプリ作るならiPad対応は重要だけど、Androidアプリ作るならタブレット対応は優先度低そうです。ちなみに、Android開発では横画面対応がiOSより大変らしいので、Phoneタイプのみで縦画面固定からスタートするのが効率いいとか。

ちなみに、上記の記事で書かれていた、2015年第一四半期のアプリ滞在時間の比較。

Androidアプリの滞在時間率は全体の65.2%。
iOSアプリの滞在時間率は全体の42.8%。

このことからわかるのは、広告メインのアプリならAndroid対応する優先度は課金メインのアプリより高い。でも、思ったより変わらないので、まだまだiOSファーストで開発したほうがよさそう。日本だとiOSのシェアが多いから特にそう。

次は、収益性と同じぐらい大切な、開発コストの話をしてみる。これは最近Androidの勉強を始めて、経験豊富な先輩方にアドバイスもらったりしてわかったこと。iOS開発者として、いろいろ誤解してたことがあった。

Android開発はiOS開発より大変か?

一年ほど前に簡単なAndroidアプリをリリースしたけど、基本的に僕はiOSアプリしか知らないので、Androidへのイメージは開発が大変そうってことでした。

まず、iOSは最新のOSがリリースされてもユーザがアップデートするから昔のOSを切っていくことがAndroidよりできる。Appleの発表ではいつも最新OSへの移行率を自慢してますよね。

iOSなら、リリースして一年ぐらいしたらそのOSへの移行率は9割近くはなる。でも、Androidは一年たっても40%いかないぐらいだった気がする。

このことから、Androidの開発っていろんなOSに対応しないといけないし、さらにいうと無数のデバイスへの対応もすげえ大変そうだなあという印象でした。

ただ、最近Android開発を昔より知ることによって、AndroidではiOSよりいろんなOSに対応するのがそこまで大変じゃないということがわかった。

というのも、iOSの場合、新しいUIとかコンポーネントをアップルさんがリリースしたら、それは基本的に最新のiOS以外は使えない機能となる。さらにいうと、オープンソースのライブラリも、新しいのやアップデートしていくにしたがって、古いiOSには対応しなくなっていくのが多い。

でも、Android開発だとこれとは事情が異なる。Googleさんが新しいUIのコンポーネントを出したとしても、昔のOSでも使えるようになっているので、新しいバージョンじゃないと使えませんってことがiOSよりかなり少ない。iOSから移ってきた僕としてはこれが最初衝撃だった。

また、デザイン部分の開発に関して、iOSはストーリーボードやオートレイアウトを使うのが主流だけど、Androidは基本まだxmlでコードでガリガリ書くのが主流。

でも、これが使ってみると結構使いやすいから、これでいいじゃないかと思った。Webデザインのcssにすごい似てる。余白とかもpaddingでやるし、何回も使うコードはスタイルシートでまとめられるし。

iOSのオートレイアウトもGUIで全部できるようにAppleが作ったのに、全部コードでやろうとするライブラリなんてものを見たことがあるけど、個人的にはcssみたいに単純にコードで書いたほうが謎のハマりがなくてやりやすい気がした。

ついでにいうと、AndroidStudioのリファクタリング機能はXcodeより安定して安心。まだまだシミュレータの速さはXcodeに完敗なので、総合的にはXcodeのほうが使いやすいとは思うんだけど結構いい感じになってました。

というわけで、AndroidアプリはiOSアプリに比べて開発しにくいだろうという僕のイメージでしたが、そこまでじゃなかったという嬉しい驚きがありました。まだ、たくさんのデバイスでの不都合とかは体験してないけど。

補足として、横画面対応はiOSよりかなり面倒らしい。タブレットのシェアが少ないのもあり、スピード優先なら縦画面オンリーの選択肢もあり。

GooglePlayとAppStoreの利便性

ここはまだ経験が浅いので確かなことは言えないけど、一年ほど前にGooglePlay使った限りだと、AppStoreに比べて開発者目線では使いやすい部分が多かった。

一番嬉しかったのが、新しいバージョンをリリースする時、一気に全員にバージョンアップするのではなく、段階的にユーザセグメントを切ってアップデートできる機能。これはAppStoreでもできるようにしてほしい。

レビューに対して返信できるのは賛否両論あるので、ちょっとこれはまだ経験がないのでよくわからん。

AppStore最大のストレスであったアプリレビューの時間は最近大幅に短縮されて、二日ぐらいで審査終わるのでAppStoreは最近頑張ってる。ツール系アプリが自動継続課金使いやすくなったのも大きい。個人的にはここはそこまで致命的な差はないかなという印象。

ここまで書いたけど、結局、iOSアプリとAndroidアプリどちらも出している人、それも自分と似たようなアプリを出している人の意見が一番精度高いと思う。

日本でツール系だと、AndroidでリリースしてもだいたいiOSの半分ぐらいのユーザ数になるのかなとあまり期待しないでいるけど、そんなもんなのかなと。また、実際のリアルなことがわかったらブログに書くかも。

追記

この記事を書いたおかげで、iOSとAndroidどちらも出している人から耳寄りな情報がもらえたりしました。日本ではだいたいiOSがAndroidに対してDL数も収益も二倍ぐらいみたい。(2016年11月8日現在の感覚)

せっかく苦手なAndroidを勉強してるのに半分ってのはちょっとやる気がダウンだ。数年前からAndroidが圧倒的になるなる言われてるけど、結局一番大事なのは投資対効果だから、それが未だにここまで離れているってのはびっくりですね。


*確定申告のTaxnote、家計簿ZenyListTimerなど作ってます。自己紹介はこちら