先日暇だったので、日本ではまだまだ知名度低いけど、ペイパルとか電気自動車のテスラ、ロケットのスペースXを作ったイーロン・マスクのインタビューを見てみた。

実はなんで見たかというと、Amazonのページを開いてたら、「おい、お前こんなん興味あるんちゃうか」と言わんばかりにAmazonさんが”イーロンマスクの野望”みたいな本を紹介してきたのがきっかけだった。

確かに、イーロンマスクの評判は聞いていて、とにかくスケールのでかい事業ばっかりやってるすげえ人だとか、別れた妻から私をロボットのように扱ったと文句言われたりとかいくつか記事を読んでた。

アイアンマンの主人公のモデルだとか。ちなみに、アイアンマンは凄いくだらなくて面白い映画なので1、2、3と見ました。あれの主人公はひたすら軍事技術で儲けてたから微妙に違うけど。

でも、例の日本語の本のレビューを読んだら凄く評価が低い。もう知っているような情報を集めただけの本とか、著者の勝手な想像が入ってるとか、メタメタに酷評されてかわいそうだった。

まあ、そんなレビューを読んでいたら、ちょっとこの本微妙なのかな。。って思っちゃって、ポチるのを辞めてしまった。自分もアップストアでアプリ出してるけど、レビューって結構影響されますね。特に無料じゃないってのもあるけど。

じゃあ、Youtubeでインタビュー動画探してみたらいいんじゃないかと思い、名前で検索したら英語の動画がいろいろ出てきたので、どれどれと視聴してみた。

Youtubeで動画があった

まず見たのがこれ。ドキュメンタリー番組で一番包括的で面白い。

まず、小さい頃から天才すぎて周りとなじめず、一人で籠ったり、本ばっか読んだりしてたらしい。

10代の頃にはプログラミングがめちゃくちゃできる少年になっちゃって、プログラミングの教室とか行ったら先生より自分のほうが遥かにできるから意味なかったとか、そういう天才エピソードが。

スタンフォード入ったけどすぐ辞めて、ペイパル作った話とかも出てきた。そこで大金持ちになる。羨ましい。

この後、テスラとかスペースXを同時にやっていくんだけど、数年前のリーマンショックあたりは本当にどん底だったようだ。

すごい大金持ちなのに、テスラも当時上手くいってない時期で従業員を大量解雇したり、スペースXも失敗続きでどんどん会社のお金がなくなっていく。

そこで、自分の財産を会社に注ぎ込む事を決心して、周りの人の話によるとあの時上手く行かなかったら破産するところであったらしい。

ここで、「あんなに大金持ちになったのに、それを全部失う覚悟で事業に注ぎ込もうとするのは並大抵のことじゃないヨ。。」とか周りの人が話してた。

日本とかは社長が自分の金突っ込んで、借金して会社が倒産して首つるとかよく聞く話だけど、アメリカは投資社会だからそういうのは珍しいのだなとも思ってしまったが、確かにあそこまで大金持ちになってからあの規模で財産突っ込むのは凄い。

リーマンショック時代の頃は、テスラもスペースXもどっちも倒産しそうで、本当に絶望的で打ちのめされてたらしい。あまりにも辛すぎて、朝起きたら枕が涙で濡れてたとかいう話も。

全体的にインタビュー受けてる時はかなりもの静かな感じで、あまりオラオラな感じではないエンジニアっぽい印象。特にテスラが大量のレイオフしたつらい時期のインタビュー動画とかは結構泣きそうな感じが伝わってくる。

たぶん失敗するだろうと思ってる

次にカーンアカデミーでのインタビュー動画を発見したので見てみた。

このインタビュー自体は淡々としてるんだけど、いくつか見ていた中ですごく印象に残ったのが、いろんなインタビューで、なんでこの事業をやろうとしたんですか?と言われた時の返答。

たいてい、「たぶん失敗するだろうと思ったけど、重要な事だからやることにした。」と言ってる。

ペイパルの時もそうだし、テスラの質問でもそう答えてた気がする。

このたぶん失敗するだろうけどやる意味があるからやるっていう姿勢が一番印象に残った。

というのも、僕はブラックスワンとか書いたタレブの本に影響されすぎいて、ここが凄く新鮮でカッコいい部分でした。

ああいう本を読むと、一回しかない人生の戦略として博打的なものに突っ込まずに確実なものから初めて、成功したらデカいっていう事柄には全力で突っ込まない姿勢になるんですよね。

タレブさんは、自分の人生を賭けて成功したら人類のためになる事に打ち込むリスクテイカーな起業家がたくさん入れば人類全体にとって凄く価値があると言っている。しかし、その成功の確率は運の要素もでかいから、ごく稀にしか成功せず、一個人の戦略としてはおすすめできない。

しかし、それでもやるソルジャーがたくさんいるから、誰かが上手くいき、その一つでも成功したらそれが人類全体に大きな恩恵を及ぼすと。だからリスクを取る起業家は素晴らしいのだとスタンフォードの授業でタレブが話してた。

これは、よくある成功例だけを強調して起業を煽るケースと違い、ある意味やる気をそぐような事を起業クラスで話すという凄いシュールな光景で、それでもやろうとしている君たちを本当に尊敬すると本心から語るタレブやっぱおもしれえと思ったんだけど、確かにイーロンさんみたいな人がいると人類の進化に恩恵がでかい。

ちなみに、タレブが人生のリスクを賭けるソルジャーとして社会システムに貢献する起業家を倫理的に賞賛する動画がこちら。43分頃。

「アントレプレナーシップとは、失敗したとしても、いや失敗した時こそ賞賛せねばならない。なぜならどっかの銀行と違って救済処置がない尊い行為だから。」と語ってる。

こういう事を肌感覚で分かっていたのかどうかはよくわからなけど、たぶん失敗すると思うがこれはやる価値があるからやったというイーロンさんの話に痺れた。

ちなみに、新しい奥さんはナイスバディで若くて、イギリス人の女優で美人です。タレブの話を聞くと微妙にやる気なくなるので、彼の話は無視してイーロンさんの奥さんを見てモチベーションを上げよう。

僕も一日3時間で効率的にやるとか眠たい事を書いてましたが、ちょっとやる気がでました。

※日本語の本
イーロン・マスクの野望 未来を変える天才経営者

※関連ブログ
進化、自由、知識、一粒の麦 – Zerobase Journal

“「仮説検証は、人が生きる上で非常に重要です。それがなければ、人は失敗から学べない」と。無駄死にか、一粒の麦か。自分が失敗しても、人類にとっては<進化>だとすれば、失敗を恐れることはない。”

※更新 2014年6月18日

Kindleで安かったからイーロンマスクの野望っていう本を読んでみたら、これ面白いじゃないか!

Paypalに合併した時の内紛とか、テスラを作る過程でのバッテリー問題とか、BBCのトップギア訴えた話とか、スペースXでロケット産業のコスト構造を計算してた話とか。

僕はたいしてイーロンマスクについて詳しくないので、上で紹介した動画より本のほうが遥かに細かい情報が載ってて楽しめました。特に車とか好きなんで、テスラが加速ではポルシェとタメはるけど、コーナリング性能は重くて微妙だとか、そういう話が面白かった。

スポーツカーってたいていハイオクでガソリン代などの維持費がかかるけど、バッテリーの問題が大きく向上してガソリン代みたいにコストかからないようになったら素晴らしいな。


*家計簿読み上げのアプリ作ってます。自己紹介と過去ログはこちら