先ほど何気なく「App Store Small Business Programを発表」という記事を読んでみたら、めちゃくちゃビッグニュースだった。
簡潔に言うと、来年からAppStoreで提供しているアプリの年間収益の合計が100万ドル以内(約一億円以内)の開発者は、従来の手数料30%から15%になると。
小規模事業者向けのプログラムとかいう発表だからタイトルだけ読んでも、なんだろーなぐらいのテンションで思ってたら、年間一億円以上の開発者なんて個人開発者だと少数だから、ほとんどの個人開発者は来年から手数料15%の恩恵を受けられると考えて良いと思う。なんてめでたいんだろうか。
来年、年間100万の収益ある場合は15万、500万の収益あるなら75万、1000万の収益あるなら150万も戻ってくるようになる。めちゃくちゃデカイですね。
色々AppStoreに抗議していたEpicさんやBaseCampさん達を陰ながら応援していた僕のような個人開発者は少なくないと思うんだけど、恩恵だけ受けてしまいすいません。あの人たちは、AppStore以外の課金システムを使わせてくれっていう訴えを基本にしていたんだけど。
15%プログラムのまとめ
- 2020年の合計収益が100万ドル以内の開発者は2021年から手数料が15%に
- 複数のアプリ提供している人は、アプリ全部の合計金額
- 2021年から新規にアプリ提供する人はみんな15%スタート
- “手数料控除後”の売り上げ金額が100万ドルを超える収益が基準(130万ドルまでグロースで売上可能という意味らしい)
- 100万ドルを超えた場合、当年の残りの期間については、標準手数料率が適用
このプログラムの詳細は後日また発表されるとあるけど、基本的にシンプルな基準で採用すると書いてあるので、「こういうアプリは適用外だ、こういうアプリはOKだ」みたいな複雑な審査システムはないんじゃないかと楽観的に予想してます。
感想
まず、Androidアプリを提供しているGoogleがこの動きに秒速で追従してくれることを切に願ってます。
Appleが「支払い期間が12か月を経過した定期購入者については、アプリやアイテムの取引手数料が15%に減額される」と言うナイスなルールを2018年1月にスタートしたんですが、Appleが発表してすぐGoogleも追従してました。
なんで、今回もGoogleはすぐに真似してくるんじゃないかなと。流石に、この値下げを放置していると、Androidアプリ開発を検討する人にとって大きすぎるんで。
もうちょっと考えると、そもそも、どこの国の税金も累進課税制度が当たり前なんだから、Storeの売上みたいなトラッキングが容易で徴収も自動で可能なシステムなら、もっと細かい累進課税制度にするのもありだと思ったんですよね。
例えば、年間の売上が50万以下の開発者からは手数料取らない。100万~200万だと5%とか。日本の税制度も、青色申告したら80万円ぐらいは控除されるし。
とはいえ、ここまで細かく区切ると、手数料を節約するために複数あるアプリを、複数のアカウントに分けようと考える人が増えてきそう。それはそれで全体にとってよろしくないので、今回みたいな、100万ドル以下という分かりやすい落とし所にしたのかも。そう考えると、シンプルかつナイスな塩梅なのかもしれないなと。
実は、アプリ開発者といっても、儲けがアプリ内課金ベースの人もいれば、広告売上ベースの人もいるので、広告売上の比率が大きい人にとっては今回のニュースはそこまで影響が大きくなかったりもします。
ちなみに、僕のアプリだと、TaxnoteやVoicepaparなどは課金ベースで、ListTimerとかZenyとかは広告の比重が大きい。
なんにせよ、アプリ開発者にとって、この変更は今年最大の嬉しいビッグニュースなんじゃないかと思ってます。最近は、独占禁止法で色々言われたりと、いろんな事柄が絡み合ってこうなったのは間違いない。
*参考記事
- 「フォートナイト」開発元 vs アップル・グーグルの“手数料抗争”は、全世界のスマートフォンユーザーに影響する
- 手数料率30%は本当に高すぎるのか?“バイバス”回避禁止は厳しすぎるのか?フォートナイト対Apple・Google、独禁法の専門家に聞く
- Google、課金アプリから30%手数料徴収&独自ストアをサポートへ
*家計簿と読み上げのアプリ作ってます。自己紹介と過去ログはこちら。