先日、やっと、やっとのことで日本でもSpotifyが使えるようになったのでさっそく使ってみた感想とか、AppleMusicとの比較を書いてみる。

僕は大昔にRhapsodyっていうサービスから始まり、日本に一瞬上陸して消えたナップスターまで、音楽ストリーミングサービスはいろいろ使ってきたんだけど、Spotifyはサービス設計からアプリまで、さすがの完成度でした。

というか、Spotifyは数年前に日本上陸間近!とかいって、原宿で音楽サービス関連ハッカソンまでやって僕も参加したのに、まさかサービス開始までここまで時間がかかるとは思わなかった。まあ、公式にはまだ招待制だから完全なスタートではないけど。

ここ数年の間に、LineMusicとかが始まり、さらにiOSに組み込まれているAppleMusicまで始まっちゃって、日本での出遅れ感が半端ない。なんでここまでSpotifyだけ遅れたの?っていうのは、どうやらSpotifyは無料+広告でも聞けるサービスだから、そこに日本のレーベルとの交渉が遅れた原因だとか。

詳しくは、NewsPicksの「スポティファイ来襲」って特集が面白い。

関係ないけど、NewsPicksの有料記事が結構レベル高くて面白いので、クーリエジャポンと一緒に購読してる。有料記事はLisgoで連携できないから、テキストで一気に保存してVoicepaperで聞いてるんだけど、長文の有料記事はやっぱレベル高くていい。

ちなみにSpotifyは現時点ではすぐに使えなくて、順番待ちに並んでいると招待コードが送られてくる仕組み。https://www.spotify.com/jp/

Spotifyはチャンネルがクソ多い

音楽ストリーミングサービスって収録曲数はもちろん大事だけど、契約で決まる曲数よりもサービスの違いが出るのって「自分好みの曲がよく流れるチャンネルを見つけられるか」ってとこが最終的に重要だったんですね。

その点、昔使ってみたどっかのストリーミングサービスは「coffee house」とかいう、自分の好みにドンピシャの曲ばっかり流れるチャンネルがあって、もうこのチャンネル聞くためにお金払ってたんじゃないかってぐらい重要だった。たぶん、あれは人がキュレーションしてるんだろうけど。

AppleMusicもいろいろチャンネルがあるんだけど、Spotifyはそれを軽く凌駕する、びっくりするぐらいチャンネル数がある。

例えば、大枠のカテゴリだけでも、Mood、Pop、Partyとか30個ぐらいあって、そこからMoodを選択すると、「秋の気配」「Acoustic Morning Tokyo」「Your Coffee Break」とか、そっからさらに80個ぐらいチャンネルがある。

Workoutっていう運動のカテゴリを選択したら、「ヨガ+瞑想」「Cool Down」「Power Walk」とか、運動用の音楽チャンネルだけでも30個ぐらいある。

Popsっていうカテゴリでも、邦楽中心とか、女性シンガーソングライター系とか、R&Bとか細かいので、なんかちょっと自分の好みとずれてるなっていうチャンネルで我慢することが少ないと思う。

最初、こんなチャンネル多くてもしょうがないだろって思ってたけど、人の好みは結構細かいので、ここまで大量に細分化されているのはある意味正解なのかと思った。

プレイリスト共有が無料でも使えるからやりやすい

実は、Spotifyに期待してたのは、ソーシャルな部分。具体的には、友達が作成したプレイリストとか、自分が作ったプレイリストとかを共有できる機能。

これがAppleMusicや他の音楽サービスだと有料なのでちょっと厳しい。でも、Spotifyは無料でも使えるので、有料ユーザから無料ユーザにプレイリストを送ることができるケースが格段に多いと思う。

もちろん、相手がSpotifyを使ってないと聞くことはできないけど、聞くために無料で始められるのと有料会員にならないといけないのは大きな違い。

音楽ファンって、誰でも俺ベストみたいなプレイリストを作って誰かに無理やり聞かせたいと思うんですよ。相手にとってそれがありがた迷惑かどうかは別として。

さらにカラオケ好きな僕レベルになると、「俺がカラオケで熱唱しちゃう曲」とかいうプレイリストを作って、それを無理やり知り合いに共有して、次回のジャイアンリサイタルに向けて予習しておいてねという荒技まで可能になってくるのです。

フレンドが最後に聞いた曲とかも表示されたりするし、このソーシャル機能の出来がいい。

Mac版のSpotifyアプリを使っていると、自分のプレイリストを作った曲リストのすぐ下に、「あなたにおすすめの曲」みたいなリストが作成されて、作成したプレイリストから推測した曲を選んでくれるので、これも地味に使える。

アプリの出来もいい

世界一のシェアを持つだけあって、アプリの出来もいい。

正直、二年ぐらい前のハッカソンの時に使ったSpotifyのiOSアプリは、無数の機能を詰め込みすぎてて、アプリの使ってたらジャングルに潜り込んで迷ってしまうようなダメダメなUIだったけど、現在のシンプルになってだいぶ使いやすくなっている。

一番びっくりしたのが、「ランニング」というチャンネルをタップしたら、「テンポを計測します!」とか音声が流れて、自分の走っているリズムに合わせたテンポの曲から作成されたプレイリストを流し始めたところ。

確かに、自分の走っているリズムと同じ曲がどんどん流れてきた。まあ、これは自分の好みの曲ではない場合が多かったので、この機能をヘビーに使うかどうかは別として、いろいろよく考えて作っているなあとそのアイデアに感嘆しました。あと、Nikeランニングとも連携できる。

AppleMusicとSpotifyの聞ける曲の違い

どっかの記事を読んだ記憶だと、邦楽はAppleMusicのほうが豊富らしい。洋楽好きならSpotifyは十分あるから問題ないと。

確かに、AppleMusicで聴けていた邦楽の曲がSpotifyで聴けなかったりするんだけど、逆に、AppleMusicでは聴けなかったアルバムがSpotifyで聴けたりすることもあるので、ここは結構悩ましいところ。

正直、聴けない曲やアーティストの穴を埋めるために、どちらも契約するほどの熱量はないし、そもそも音楽サービスが二つに別れてしまうと逆に分散してしまって不便になる。なので、これはそれぞれが共存できない、強力な勝者総取り世界だなと実感した。

普通に考えれば、iOSっていうプラットフォームを握っていて、iOSに組み込むことができるアップルが圧倒的に有利なんで、当初AppleMusicに結構満足してた僕は乗り換える気がほとんどなかった。

でも、サービスのUXとかモバイルアプリとデスクトップアプリの完成度や使いやすさで、だんだんとSpotifyのほうがいいなとなってきて、いつのまにか引っ越ししてた。ここは、プラットフォーム握られている弱みをサービスの出来で克服したってことだから面白いなと思いました。


*家計簿読み上げのアプリ作ってます。自己紹介と過去ログはこちら