最近、世間は自動運転とかAIの話題で盛り上がってますが、僕も興味ありありです。僕は車を持ってないけど車が好きで、ロードスターの歴史とか、おぎやはぎの愛車遍歴をひたすらHuluで見る日々なんだけど、最近面白いビデオを見た。

渋滞を無くすシンプルな解決方法

渋滞が発生する仕組みはなんとなく聞いた事はあるけれど、この動画は本当にわかりやすい。英語がわからなくても、動画だけでなんとなくイメージはつかめると思う。

渋滞が発生する時、後ろでイライラしながら待ってる人たちは「うーん、前の方で事故でも発生したのかな」と思っている事が多いと思うけど、大半の渋滞の原因はそうではないらしい。

ほとんどは、単純に前の方の車がちょっと速度を緩めて、それがきっかけとなり後続の車がドミノのように速度を緩めてそれが何台も連なっていくと後ろの方では渋滞が発生する。

自動運転で渋滞がなくなる理屈

動画を見るとわかりやすいけど、渋滞を無くすシンプルな方法は常に車間距離を一定に全ての車が保つことらしい。これさえ全ての車が守れば渋滞は一気になくなると。

これは人間にとっては全然シンプルにできることじゃない。でも、自動運転の時代になれば車同士が相互に情報をやり取りするので可能になる。そうなると、一気に一台あたりの通行が効率化されて、つまりが原因での渋滞が解消されると。

さらに、相互に車が通信する世界では信号もいらなくなる。信号の付近は事故も渋滞のつまりも起きやすい場所だったけど、車同士が相互に距離を計算する自動運転の世界では信号なしで車が移動できる。これも動画で紹介されている。

そして、渋滞を無くすシンプルな解決方法の結論はスバリ、「人間が車を運転しないこと」というくくりで動画が終わる。

人間様は運転禁止の世界

このことから必然的に導かれる未来は、渋滞解消、事故防止などの理由で、「この区間は人間様が車を運転するのは禁止です」みたいな区間が将来的にできそうだと思った。そして、その区間は信号とかもない。

自分みたいなドライブ好きの人間にとってはちょっと、せちがない世の中だ。

最初は先進的な都市の一定区間から始まる可能性が高いけど、自動運転が世界的に普及すればするほどこの区間は広がっていく可能性がある。

今でも、スイスの一部の町では自然環境を守るという名目で車の乗り入れ禁止の区域があるし、ノルウェーでは完全にガソリン車を将来禁止するとか言ってるので、こういう政策は都市の条例などから広がっていきそう。

今後、世界中で都市どうしの競争が激化していく中で、スマートシティとしての魅力を打ち出すために先進国の都市同士がこぞって自動運転を推進していくだろうという予測を書いたブログがこちら。かなり面白い。

Chris Dixon: future of self-driving cars

この記事では、二年後には高速道路は自動運転で動く車でいっぱいになっているだろうとか、自動運転の推進は自治体レベルで活発になるだろうと書かれている。ベバリーヒルズの市長はドライバーレスシティーの構想に興味を持っているとか。

確かに、Uberに慣れているシリコンバレーの人たちが他の都市に来た時、そこでUberが使えないと死ぬほど不便だと感じるに違いない。同じように、一度自動運転が当たり前の都市に慣れてしまって、他の都市に行くと、その不便さに発狂しちゃう未来がくるかも。

自動運転が当たり前になるとどうなるか

最初に書いたとおり、僕はドライブが好きなんだけど、自動運転が当たり前の世界では自分で運転しようとすると肩身が狭くなる世界にならないかとガクブルである。もちろん、自動運転の利便性はそれを遥かに凌駕するので基本的には歓迎なんだけど。

例えば、自動運転が当たり前になると交通事故の発生件数の桁が変わると言われている。オートパイロットが普及して人為ミスによる飛行機事故が大幅に減少したように。(その分、以前にはありえなかった原因での事故も発生するのだけど)

となると、自動車の保険料が一気に安くなる。死亡率における交通事故の割合は高いので、生命保険の保険料も安くなるだろう。こんな時代になると、なにかの原因で事故った時、自動運転を使ってなかったら保険代が満額おりないかもしれない。

お友達と一緒に旅行に行く時なんか、「よーし、俺が運転しちゃうぞ」と意気揚々と運転しようとしたら、以前まではご苦労さんと感謝されてたのが、突然「おいおい、俺たちの命を危険にさらす気かよ。勘弁してくれ。。」という世界になるかもしれない。「お前の自己満足で渋滞が発生するんだよ」とか。

マイノリティールール

こんなことを考えていると、少し前に読んだタレブのマイノリティールールを思い出した。

“The Most Intolerant Wins: The Dictatorship of the Small Minority” by @nntaleb

簡単に紹介すると、「いろいろなルールや慣習が作られる時、直感に反してそれを支持する人が過半数を超える必要はない。2割程度の人が強く支持するとそれがルールになり得る。」という話。

例えば、ある国での給食でピーナッツが禁止されたとする。これは、ピーナッツアレルギーの子が過半数を超えたからそうなったのではなく、全体の2割でもピーナッツが食えない子供で、全体の8割が問題ない時、8割の子供は2割の子供に合わせることができるので、給食で完全にピーナッツが禁止となる。

他の例で言えば、親しい家族同士でパーティーを開催したとする。4人の友人を呼んで、それぞれが家族を連れてくる。その中の一つがベジタリアンの家庭の場合、その他の3つの家庭がそうでなくても、そのパーティーの食事はベジタリアン食になる可能性が高い。(別個のメニューを作るのは面倒だし)

今では自動運転なんてブルって使えないよという人が大半だと思うけど、自動運転じゃない車なんてブルって乗れないよって人が全体の2割を超えるぐらいに進化したら、一気に情勢が変わる可能性があるなと。

自動運転業界に乗り込んだ天才ハッカー

このブログ書いている時、こんな記事を見つけたので付け足してみる。

自動車用AIスタートアップのComma.ai、999ドルの自動運転アドオンを年内発売へ

世界で初めてiPhoneをアンロックしたり、PS3をハックして有名になった天才ハカーが設立した自動運転のスタートアップ。

自分の車に設置して、スマホを使って学習していくらしい。インタビューを見てたら、「とにかく製品を出荷するんだ」ということを強調してたのが面白かった。どの会社も自動運転に取り組んでるとは言っているけど、実際に使えるものをリリースしているのはテスラだけだと。

自動運転は他のテクノロジーと同じように、少しずつ進化していくものだから、まずは使えるものをリリースするということを強調してた。かなり強いものしらずな勢いで。

この動画見たらわかるけど、どこか狂気を感じるというか、クレイジーな感じの匂いが漂う人で映画のキャラみたいだ。

インタビューでも「人が死ぬかもしれないとか思って強くないの?」とかみんなが思うことをガンガン突っ込まれてるんだけど、「車の運転中の不注意で死ぬのは世界中で起こっているし、この自動運転ツールは突然ハンドルを一気に切ったりするわけではない。ある程度のリミットが安全性のためにとられているし、基本的にハンドルを握りながら使うものだ。他のテクノロジーと同じように、白か黒かで突然進化するわけではなく、自動運転も少しづつよくなっていくべきなんだ。」といった感じで堂々と受け答えしてたのがすごい。

ソフトウェアの世界だったら、小さくリリースして改善していくっていう手法が有効だけど、失敗したら人が死ぬ自動運転の世界で、このやり方で突き進むのは相当勇気がいると思う。だからこそ、テスラみたいなベンチャーや、こういう小さいスタートアップで怖いものしらずな人だからこそ出来ることなんだなと。

大企業ならもちろんのこと、小さな会社でも人が死ぬかもしれないからこんな分野なかなか参入しようと思わないけど、人がビビる業界こそ大きなチャンスがあるってポールグレアムが言ってたな。金融業界のスタートアップStripeがその時の例だったけど。

まあ、「製品をリリースするのが大事だ」という主張は、グランツーリスモ作ってる山内さんにも届いてほしいところです。


*読み上げアプリVoicepaperなど作ってます。自己紹介はこちら。プログラマもゆる募