先日、久々にクーリエジャポンを本屋で購入して、「ふんふん、ナイジェリアが今急成長しててベンチャー熱盛り上がっとるのか。」とか読んでました。

クーリエジャポンとは、世界中のメディアの記事から面白いものを厳選して日本語に翻訳して一つにしている雑誌です。デザイン、IT、ビジネス、政治、心理学とか、いろいろな分野を扱っていて、それによって面白い号もあれば、つまらなかった号もある。

面白そうな号は本当に面白くて、やっぱり海外のメディアが本気で執筆した記事はすごいなあと感心してたものでした。

そのクーリエジャポンがを読んでると、衝撃の事実を発見。

「クーリエジャポンは来月からWebオンリーになります。」

まじか。雑誌としては打ち切りで、月額980円のWeb雑誌としてやっていくらしい。ああ、出版不況がこんなところまで。僕はKindeとか電子書籍はガンガン読んでるけど、雑誌で見れなくなるのは辛いなあ。iPadやMacbookだとちょっと画面が小さいし。

クーリエジャポンWeb版に契約してみた

悲しい気持ちに打ちひしがれながら、最後のクーリエジャポンを読んでいると、最後の方に、今までのベスト記事セレクトみたいな特集があった。

ここでは、以前クーリエで掲載した記事で面白かったものを雑談形式で歴代の編集長が紹介していくというもの。この中でも特に興味を引いたのが、マイケルルイスがオバマ大統領に密着取材した、「オバマの決断」という記事。

マイケルルイスといえば、「マネーボール」や「ライアーズポーカー」の原作者であり、最近では「世紀の空売り」を映画化した「マネーショート」がアカデミー賞でもノミネートされてました。

マイケルルイスファンなので、もちろんこの映画も見てきて、すごいよくできてたのでブログまで書いてしまっている。

マイケルルイス・世紀の空売りの映画 The Big Shortがめちゃ面白かった

そのマイケルルイスがオバマに密着した記事が、この歴代の編集者たちが、「あれは別格に面白かったね。。まじで。。」と書いているわけですよ。なんと、それならば読むしかない。というか、知らなかったそれ。

というわけで、この記事読みたいので入りました。Web版に。クレジットカードを登録しました。そして、読みました。ルイスの「オバマの決断」。

いやあ、すごい長い記事だったけど、期待どおり面白かった。エアフォースワンまで一緒に搭乗して、オバマが定期的にやってるバスケにも参加したりと、オバマの日常が結構リアルに書かれていて、あまり読んだことのない記事。

そして、リビアでの内戦にオバマが加入する時の決断までの描写、アメリカ大統領がこんな感じで決断下してたのか。。

しかし、結局リビアは混乱状態になってしまい、今やイスラム国なんて出てきたりして、皮肉な結果だなとか、いろいろ考えさせられる記事でもありすごく良かった。リビア内戦の時系列のWikiをその後ずっと読んでしまったぐらい。

それ以外にも、ミシュランの覆面調査員へのインタビュー記事とか、概ね、会員限定の記事に良質なものが多くて、「ああ、これは会員なってよかったな。読むもの無くなったら解約するかもしれないけど、現時点では大正解だったわ!」と思ってたわけなんです。

ただ、Web版のクーリエジャポンを読んでいて、失われたものにも気づいた。

Web版で失われたもの

クーリエジャポンという雑誌を読んでいる時に、一番よかったのって、各国のちょいとしたお国事情の記事を、ペラペラとページを送りながらついでに読んでいた時なんですよね。

実は、雑誌の表紙に紹介されているような特集記事よりも、本の途中に書かれている、「ナミビアの婚活事情」とか、「お隣の国のお受験競争」とか、射程外のちょい記事がチラチラに遭遇するのがすごく良かった。

これがそれぞれの文字数で言えば、そこまで多くないので、紙の雑誌だとぴったりはまるんだけど、Webのフォーマットだとこういうのはなかなか読まなくなると思った。

というのも、Webだと、ざっと面白そうな記事を自分で探して、クリックして読むという行動になるんだけど、クリックした時に長文じゃないと、またすぐクリックして次に行くのが面倒に感じる。

紙の雑誌みたいに、ペラペラペラッと小さな記事をチラ見していくのには、Webの少しの読み込みも、クリックするのもストレスを感じるので向いてない。

結果的に、自分がクーリエジャポンのWeb版を読んでいる時は、質の高いロングインタビューとか、長い記事を読む専用になっていることに気づいた。iPadアプリが見つからないんだけど、iPadなどで一気に雑誌全体をダウンロードした後に読む方式ならデジタルでも読み込みによる行動の変化は抑えられるかもしれない。

今後は、会員限定のイベントとか、海外での雑誌メディアのやり方を参考にいろいろとやっていくみたいだけど、うまいこと儲かって良質な雑誌のまま続いてもらいたいです。今月はなんか忘れたけどお得らしいから、興味ある人は購読しましょう!

https://courrier.jp/


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